線香花火、落としてみた。

時見 詩子

線香花火、落としてみた。(脚本)

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〇実家の居間
忽那 皐「はいはーい。どちら様ー?」
忽那 皐「って。 ・・・おー!いらっしゃい!久しぶり!」
忽那 皐「お裾分け?ありがとう! おばさんの唐揚げ、久しぶり! めっちゃ嬉しい!」
忽那 皐「あー・・・、あのさ。 今、父さんと母さん出かけてて、俺しかいないんだけど・・・上がってく?」
忽那 皐「ん。どうぞ」
忽那 皐「それにしても、会わない間に随分と大人っぽくなったね」
忽那 皐「ん。そっか、もう社会人だもんね」
忽那 皐「あ、お茶入れるから適当に座ってて」
忽那 皐「てか、3・・・4年ぶりか!」
忽那 皐「お互い違う場所に進学して、就職して・・・。 新しい人間関係ができて、いつの間にか連絡すらしなくなって・・・ね」
忽那 皐「はい、麦茶」
忽那 皐「ところで、仕事は上手くいっているの?」
忽那 皐「・・・え!辞めてこっちに戻ってきたの?」
忽那 皐「・・・そっかぁ・・・。大変だったんだね」
忽那 皐「たくさん頑張ったね。エラい」
忽那 皐「うん、エラい!」
忽那 皐「仕事は続けられるに越したことはないけど。俺は逃げるのも勇気だと思うよ」
忽那 皐「だから、今はゆっくり休みな」
忽那 皐「俺?俺は まとまった休みが取れたから帰ってきた」
忽那 皐「って!忘れてた! ごめん。会社にメールしないといけなくて・・・。少し待っててもらえる?」
忽那 皐「えーと、メガネメガネ・・・」
忽那 皐「あった」
忽那 皐「・・・」
忽那 皐「・・・・・・」
忽那 皐「・・・・・・・・・」
忽那 皐「・・・なーに見惚れてんの?」
忽那 皐「俺の横顔メガネ、そんなにいい?」
忽那 皐「バレバレ。 どした?構ってほしいの?」
忽那 皐「ハハッ! なんだよ。やけに素直じゃん」
忽那 皐「ん?あ、それ線香花火? 持ってきたの?」
忽那 皐「うわぁ、懐かしい。 子供の頃は、よくそこの庭で花火したよな」
忽那 皐「いいよ。しよっか」

〇一戸建ての庭先
忽那 皐「じゃあ、火ぃ点けるから、少し離れてな」
忽那 皐「・・・はい、どうぞ」
忽那 皐「・・・」
忽那 皐「綺麗だね」
忽那 皐「うん。めっちゃ綺麗」
忽那 皐「ところでさ。お前、今 彼氏いるの?」
忽那 皐「ああ、そう・・・なんだ・・・」
忽那 皐「え、俺?」
忽那 皐「俺は・・・どうだろうね」
忽那 皐「気になる?」
忽那 皐「えー、気にしてよー」
忽那 皐「ハハッ。今はフリーだよ」
忽那 皐「そう。今はね。 そりゃあ、彼女がいた時期もあったけど・・・」
忽那 皐「ずっと頭の片隅にいて、忘れられないコがいるんだ」
忽那 皐「・・・あ、花火落ちた。 線香花火でも、無くなるとけっこう暗くなるね」
忽那 皐「・・・ねえ・・・」
忽那 皐「(キス)」
忽那 皐「ごめん、抑えられなかった」
忽那 皐「何で?って。 久々にお前に会って、めちゃくちゃ綺麗になっていて、かなり焦った」
忽那 皐「誰のために綺麗になったんだろう?って」
忽那 皐「本当はさ。ずっと会いたいと思って毎年帰っていたけど、いつもすれ違いでさ。 お前いないんだもん」
忽那 皐「ふーん・・・今までの休みは全部彼氏と旅行に・・・ねぇ」
忽那 皐「なんだよ。妬けるわ」
忽那 皐「・・・ねえ、耳かして」
忽那 皐「・・・好きだよ」
忽那 皐「これからはさ、俺の隣に・・・いてくれない・・・?」
忽那 皐「うん。じゃあ・・・、今から俺しか見えないようにしてあげる」

コメント

  • イケメンくんにこんなふうに耳元でささやかれたら、線香花火と同じくらいの確率で落ちますね!笑
    わたしもこんなキュンキュン体験してみたいです。

  • 最後のセリフで落ちました!線香花火と落ちるが掛かっていていいですね。ずっと頭から離れないって言われたらきゅんとなりますよね。

  • 幼なじみからの恋愛っていいですね。
    ずっと彼女のことを思っていた彼が、とてもいじらしくてかわいいです。
    告白の仕方がロマンティックです!

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