第18話 精霊祭を満喫したら人の輪は広がって(中編)(脚本)
〇実家の居間
帰宅し購入した水着は車のトランクにしまった。
またすぐに出掛けるのでそれで良いだろう。
真樹「次は精霊祭に行くのかな?」
想里愛「そうですね、年明けに始まるからもうお祭りやっていますよ♪」
咲桜里「お祭りに行く前に愛理守ちゃんのお見舞いに行こっ?」
里乃愛「うんうん、もう良くなっているといいなぁ。」
翠「さっ・・・出発だっ。(キリッ)」
バーベキューでみんな元気は付いているようだ。
若いって良いね。
さっそく想里愛達のお家へ転移する。
〇和室
お気に入りの服装に着替えが済んだようだ。
水着以外の私服も何着か購入したので楽しくお出掛けできるだろう。
さっそく精霊街へ向けて歩き出す。
〇森の中
想里愛が隣で歩みを揃える。
遥かな空の上から降り注ぐ花びらが彼女の髪へ優しく舞い降りる。
僕がそっと手で花びらを払うとこちらを見て優しく微笑んでくれる。
咲桜里「翠ちゃんや里乃愛ちゃんの魔法で花びらを被らないで済みそうだよね。」
里乃愛「そうだけど、う~ん・・・。」
翠「さおりちゃん、風情が大事なんだよ。」
前を歩く二人を見つめる咲桜里は二人の仕草や雰囲気を感じたのか納得したようだ。
咲桜里「確かに・・・風情は大事だね♪」
そう言うと僕の空いているほうの隣へ移動する咲桜里。
動きやすいスカートがよく似合っている。
ここらへんは街に近く草木で足を怪我することは無いので山道を練り歩くには良い服装だろう。
真樹「さおりの私服もよく似合ってるね♪」
咲桜里「ありがとう、お兄ちゃん♪」
翠「そろそろ街に近づいてきたね。」
里乃愛「うんうん、あっいつもより人が多いね~♪」
想里愛「ほんとだぁ♪お祭りもう始まってるね♪」
自然と歩みは早くなる。
みんな早くお祭りに混ざりたいようだ。
こちらの世界のお祭りも僕の世界と同じような形式なのだろうか・・・答えはすぐ先にある。
〇華やかな広場
入口に着くと様々な種族の人達が精霊を模した人型を囲み踊っている。
精霊へ安全祈願と街の発展や感謝を祈って踊るのだという。
想里愛「一緒に踊ろっ?♪」
彼女に手を引かれて見様見真似で僕も踊る。
動き自体は難しくは無い。
ゆっくりとしたものでパターンも少なくとても踊りやすい。
彼女の踊りで流れ動く髪がまた綺麗だ。
〇寂れた旅館
咲桜里「充分踊ったし、お見舞いしに行こっ!」
入口を抜けて宿屋を目指す。
これだけお祭りで賑わうのならば街の発展は約束されたも同然だろう。
韋駄天ギルドの飛脚が迷子の案内をして駆けていく。
何もかもを魔法に頼るより健康的で良いと思う。
翠「あっ宿屋見えてきたよ!」
室内へ入り受付を済ませさっそく愛理守ちゃんのいる部屋へ向かう。
〇部屋のベッド
愛理守「あっ・・・お姉ちゃん! 皆が来てくれたよ!」
愛凛「おかげで妹はすっかり良くなったよ、皆ありがとう!」
それは良かった。
見た感じ本当に元気で峠は無事に乗り切ったようだ。
やはり健康は大事だな。
咲桜里「よかったー!さおり心配してたんだよっ!」
里乃愛「全快祝いに皆でお祭り、もう1回周らない?」
いいねと話しは盛り上がりみんなで昼食も兼ねてお祭りへ繰り出す。
〇レンガ造りの家
想里愛「森の薬屋さんにも食堂あるので、皆でお話しませんか?♪」
真樹「いいね、温かい室内で過ごそう~。」
〇武術の訓練場
通りがかりに聞こえる方を向くとギルド主催の剣術指導のブースや精霊魔術会による聖歌の発表会等多くの催しが執り行われている。
これなら毎年盛り上がるわけだ。
剣術指導を受ける子供が微笑ま・・・ふぁ!?
氷塊を断ち切ったぞ!?
・・・見なかった事にして聖歌を皆で聞く。
〇草原の道
愛理守「良い歌だね♪歌声がきれい・・・。」
愛凛「ありすお腹空いてきたんじゃない? 聴き終わったら森の薬屋さんに行こう?」
愛理守「うん、お姉ちゃん!」
〇レンガ造りの家
姉妹愛良い!
聖歌が終わったのでお腹もすいてきたし皆で食堂へ移動する。
〇おしゃれなレストラン
落ち着いた樹のテーブルや椅子が僕達を迎える。
良い暖かさだ。
料理のメニュー表を開くと宿屋と同じようにこの地域での地産地消を反映した料理が数多くある。
さて、僕はどれにしようかな。
かわいい女の子達の笑顔に囲まれつつ、楽しいお昼が流れていくのだった。