第18話 精霊祭を散策したら人の輪は広がって(後編)(脚本)
〇居酒屋の座敷席
お店が繁盛しており少数席が埋まっているからと言う事で、大人数で使用される席を案内された。
空いてる席に後からお客さんが新しく来て相席になるかもしれないそうだ。
これだけ広いので当然そうなるだろう。
そんなことより今は美味しい料理が運ばれてくるのを皆で待っている。
咲桜里「早く霊鳥の唐揚げ来ないかなあ~。」
想里愛「もうさおりったら、少しはゆっくり待てないの?」
翠や里乃愛や愛理守ちゃん達はメニュー表を見ている。
岩海苔のスープが美味しそうなので僕も追加で注文を取る。
紗癒璃「失礼しま~す、お連れのお客様が参られましたのでご案内させていただきま~す。」
夏鈴「わぁ、広くて良い座敷だぁ~。」
光「あ、皆さん奇遇ですね!」
咲桜里「あ、宝石屋のお姉さんだ!」
里乃愛「こんな所で会うなんて、すごい偶然だね♪」
おお、光さんは面識があるな。
もう1人は彼女のお知り合いの方だろうか。
葉桜の浴衣姿がよく似合っている。
中々に綺麗に描いてある。
夏鈴「紗癒璃ちゃんも休んでいきなよ、あたしが後でお父さんに謝っといてあげるからさぁ。」
紗癒璃「え、でもあたしが休んだら迷惑が・・・。」
厨房に商品を取りに行った際、休憩させてもらえる事になり紗癒璃さんも一緒にお食事できる事になる。
だいぶ賑やかになったなぁ。
光さんや夏鈴さんの気さくな性格のおかげもありすぐに全員で仲良くお昼から飲み物を片手に乾杯を始める。
〇居酒屋の座敷席
翠「へえ~、夏鈴ちゃんは愛理守ちゃんの宿屋の主だったんだね!」
想里愛「あんな立派な建物で生計を立ててるなんて、夏鈴ちゃんはすごいですねっ♪」
愛凛「そうなんだよ、店員としてもお世話になってたし私が見舞いに行けない間は愛理守の事を看病してくれてたんだ。」
愛理守「夏鈴ちゃんには感謝しても仕切れないんだよ~♪」
良い話だなぁ・・・僕も見習わないといけないな。
愛凛ちゃんは病み上がりの愛理守ちゃんに消化に良さそうな食べ物を中心に食べさせている。
やはり健康は大事にしないとね。
真樹「スープ好きなんだけど、この岩海苔のスープは良い味だなぁ。」
すると隣に座っている愛しい彼女が近くに寄り添いスープを口に含み・・・。
想里愛「本当だぁ♪海藻の良い出汁が出てるぅ♪」
僕は容器に触れる彼女の唇を見るのに夢中で間接キスの事以外頭に入らなくなる。
とても良いと思った。
そして冬には王道の鍋を美味しくつつく。今回はみんな個別の鍋だが誰かが取りすぎたという事を避けられるので逆に有難い。
自分で火力を調整できるので好みの温度を楽しめるのも良いと思った。
僕は健康重視で山菜とキノコにヘルシーな霊長のモモ肉や鶏皮を使った鍋を食べている。
このキノコの味はキクラゲに似ていて僕の好みだ。
いくらでも食べられる。
翠「ボクの選んだ鍋は少し辛いけど、代謝に良いよ♪」
キムチチゲ系の鍋のようだ。
辛いだけじゃなくてしっかり旨味がありおすすめの逸品だ。
時間はたっぷりあり急ぎの予定も無いので緩やかに楽しいひと時を皆で共有する。
とても素晴らしい事だ。
〇居酒屋の座敷席
温かい商品が多いせいか部屋も少し暑くなっている気がする・・・ふぁっ!?
紗癒璃「すみません、お店に冷鳴石れいめいせきを用意してなくて・・・ 皆さん暑いですよね?」
そういうと彼女の胸元が開放的になり、その年齢には似つかわしくないものが姿を現す。
これはしゅごい。
光「仕方ないですよ、冷鳴石は貴重ですもの・・・ 逆にこの冬に温まれるなんて感謝していますよ♪」
今度はスカートの裾がかなり膝上に移動し妖艶なふとももが惜しみなくさらけだされる。
この土地の気候のおかげか彼女の美容意識のおかげかは知らないが綺麗な色白さを誇っており真に眼福である。
想里愛「真樹さん、あ~んして?♪」
愛しい彼女が美味しそうな麻婆豆腐を差し出してくれる。
やはり食事はこうでなくてはいけない。
満足気な顔で僕は頷く。
〇武術の訓練場
昼を食べ終えると皆でしばらく催しを楽しんだ。
剣術指導以外にも弓術指導や槍術指導などがありこの世界の人達の逞しさを改めて感じる。
おお、想里愛や咲桜里が弓術指導に挑戦してみるようだ。
まずは構え方と姿勢か・・・基本は大事だね。
咲桜里「お兄ちゃん今から射るからよく見ててね!」
言いつけ通り咲桜里と弓を構える先の的を注視する。
彼女の構える弓は三日月にしなっていく・・・。
そして矢を放つときの反動で彼女の豊かなものはぶるんぶるんと激しく揺れる。
的見てる場合じゃねぇ!(ダッシュするパンダ風)
咲桜里の射撃を褒めたあと想里愛も射る体勢に入る。
・・・うん!ベリーグッド!
想里愛「えへへ真樹さんに褒められて頑張った甲斐がありました♪」
真樹「ふふ、しっかり当たってて想里愛は頼もしいね♪」
〇武術の訓練場
お、今度は剣術指導か。
他の子が皆参加するようだな。
ちょっ!剣に焔がエンチャントされたぞ。
翠「はああ~!」
彼女が誰も居ない空間へ向けて虚空を切るがしばらく何も起きない。
うわっ!残りの日数分であろう氷塊が全て真っ二つに裂けた!
里乃愛「も~翠ちゃんやりすぎだよ! あたしみたいにおしとやかにしない・・・とっ!」
今度は何が起きるんだ・・・
固唾を飲み見守ると・・・うわ!
今度は背景の山が横なぎに割れた!
あれっ割れてない・・・気のせいかな?
里乃愛「あっやば!・・・ 原初の精霊魔術で復元っと・・・ この街の信仰心の高さのおかげで魔量が足りてて良かった・・・(小声)」
その後普通の練習風景を愛理守ちゃんや愛凛ちゃんで見ることができて平常心を取り戻す事に成功した。
これが普通なんだよな・・・うん。
〇草原の道
今度は聖歌してた催しの所で精霊騎士隊が演劇をしている。
物語の内容は精霊との出会い、剣への精霊の恩恵の儀、
街を襲来した魔族を打ち破る展開と楽しく見る事ができた。
魔族の襲来は過去に本当にあったと古書には記述されている。
夏鈴「今日はありがとう! 充分に楽しめたし宿屋に戻るとするよ、またね♪」
光「あたしも夜に来店の予約があるんで、またご一緒してくださいね♪」
愛理守「あたし達もそろそろ帰るね、また遊びに来てね♪」
〇西洋の街並み
愛里守ちゃんと愛凛ちゃんのお家を教えてもらい、次街に寄った時に遊びに行く事になる。
楽しみが増えるのは良い事だ。
さてお次は・・・
翠「次はさっそくプールかな?」
里乃愛「そうだね、さっそくお兄ちゃん家に行こう♪」
こうして僕らは精霊祭を満喫し帰路に着くのであった。