エピソード5(脚本)
〇霊園の駐車場
小走駿太郎「おいおいおい」
小走駿太郎「お前の爺ちゃんに会わせてやるって言ってんだぜ?」
武井早希「けっこうです」
小走駿太郎「ひえー。冷てえやつだなー」
只野太「山本さん、もうすぐ死んじゃうかもしれないんです!」
立ち止まる早希。
只野太「癌が進行しているみたいで」
只野太「できれば、ご家族に会わせてあげたいんです」
武井早希「・・・残念ですけど、その方は私の祖父ではないと思います」
小走駿太郎「あ? なんで?」
武井早希「それは・・・言いたくありません」
小走駿太郎「はあ? 隠すことねーだろ」
武井早希「プライバシーに関わることです」
小走駿太郎「んなこと言ってる場合じゃねーだろ!」
小走駿太郎「死んじまうんだぞ?」
只野太「ほらまた!」
只野太「駿ちゃんも、言いたくないこと無理に聞こうとしないの」
小走駿太郎「だってよ。 山本の爺ちゃんがこの写真持ってんだから、何か関係あるに決まってんじゃん」
武井早希「・・・・・・」
小走駿太郎「それに、吉永麻衣、つまりお前の母ちゃんはよ」
小走駿太郎「自分の父ちゃんに会いたいに決まってんだろ」
武井早希「・・・・・・」
只野太「武井さん。一目会うだけでもどうかな?」
武井早希「・・・わかったわ」
武井早希「でも、私だけで会う」
〇停車した車内
小走駿太郎「ハッシリ〜、パッシリ〜、おいらはコバッシリー♪」
武井早希「そのうるさい歌、なんとかならないわけ?」
小走駿太郎「あ?」
只野太「まあまあ。仲良くね」
只野太「ところで、武井さん、お婆さんはいつお亡くなりに?」
武井早希「もう10年も前のことです。癌で」
只野太「それは大変だったね」
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