超越戦記エフェクター

オカリ

第6話(後編)「公園の激戦!現れた最凶!!」(脚本)

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オカリ

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〇病室(椅子無し)
  ──とある病院での話だ
  ある患者がいる
  医者から末期の肝臓ガンと診断され
  余命数カ月と宣告された患者だ
  それ以来、ソイツはひどく落ち込んでな
  みるみる衰弱して体力を失い・・・
  結局、その余命すら果たせず亡くなった
  本題はここからだ
  その後、誤診が発覚してな
  なんでも「末期の肝臓ガン」
  というのは大きな間違いで
  実際はガンなんて・・・
  初めから無かったらしい
  ある患者は──
  『自分はガンで死ぬ』と
  思い込んだせいで死んだ
  興味深いことだ
  人は「思い込み」で不健康になり
  時に「思い込み」で死ぬこともある
  これを「ノーシーボ効果」という
  ともすれば、だ

〇広い公園
しがないギャンブラー「敵を打ち倒すシチュエーションで競う エフェクトバトルってのも」
しがないギャンブラー「エフェクト使って「死ぬ」と 相手に思い込ませれば」
しがないギャンブラー「あるいは「ノーシーボ効果」が 起きるかもしれねぇよなぁ」
  阪神競馬、第4レース・・・
しがないギャンブラー「おっと!次レースはじまっちまう!」
しがないギャンブラー「ガキどものエフェクトバトルを ツマミにやる競馬はたまんねぇ!」
しがないギャンブラー「どうせならビールも開けちゃうか? 真っ昼間からグイッと一杯・・」
クロサビ「ふしゅるるる!」
しがないギャンブラー「あん?なんだこのネコ・・」
クロサビ「フシャーッ!」
クロサビ「にゃにゃんが、にゃん!」
しがないギャンブラー「いってぇ!なにすんだ・・・」
しがないギャンブラー「いや待て、今オマエさん エフェクトで引っ掻いたのか!?」
しがないギャンブラー「ってことは・・」
クロサビ「にゃ〜ご」
しがないギャンブラー「げぇっ!? オマエまさかクロサビか!」
クロサビ「にゃにぃにゃっ!にぇにゃん!」
しがないギャンブラー「となるとスイのお嬢も どっかにいるのか・・」
しがないギャンブラー「へへへ・・」
しがないギャンブラー「じゃあな!」
クロサビ「にゃがっ!?」
クロサビ「フシャーッ!!」

〇公園のベンチ
壱天 光星「・・・」
野朗 仁太「どうしよ、全然意識が戻らない!」
野朗 仁太「呼吸も荒い!なんだか苦しそうだ!」
野朗 仁太「う〜光星ぇ〜! しっかりしてぇ〜!」
野朗 仁太「死なないでおくれよぉ〜っ!」
冥響寺スイ「・・・野朗仁太」
野朗 仁太「うぇぇ!? 今度は誰だよぉ!」
野朗 仁太「これ以上!光星にはっ! 誰もエフェクトさせねーぞぉっ!」
冥響寺スイ「ジャマ、どいて 悪化する」
野朗 仁太「えっ?」
野朗 仁太「あれ!?よく見たら この前のフードの子かい!?」
冥響寺スイ「壱天光星を治療する はやく、どいて」
野朗 仁太「わ、わかった!」
冥響寺スイ「かなりダメそう」
冥響寺スイ「まずは・・荒療治」
冥響寺スイ「エフェクトセット、魔法カテゴリで 属性攻撃・・・「水属性」をオン」
壱天 光星「うっ──おま・・えは・・・?」
冥響寺スイ「黙ってて 次、同じく魔法→魔法効果でセット」
冥響寺スイ「「バフ」を壱天 光星にオン 色は赤、イメージに合わせる」
壱天 光星「なんだか、暖かい・・・」
冥響寺スイ「感想もいらない 最後、安定させる」
冥響寺スイ「カテゴリ「画面効果」より 「心電図」を重ねてオン」
壱天 光星「ぐぅ〜すぅ〜」
冥響寺スイ「ふぅ・・」
野朗 仁太「終わったのかい? 光星は・・・」
冥響寺スイ「大丈夫、呼吸は戻った」
冥響寺スイ「心電図エフェクトに同調させて 強制的に落ち着かせたけど」
冥響寺スイ「壱天 光星はエフェクトの 感受性が強いから・・・」
冥響寺スイ「「思い込み」で治るはず、たぶん」
野朗 仁太「ホントかい!?」
野朗 仁太「うわ〜い!ありがとう!」
野朗 仁太「え〜っと、キミのお名前は・・」
冥響寺スイ「ワタシの名前? 名前は冥きy──ッ!」
冥響寺スイ「バレるとめんどう・・・ 学校にお仕事持ち込みたくない・・」
野朗 仁太「メイ?」
冥響寺スイ「メイ・・じゃなくて・・・」
冥響寺スイ「な、名前は秘密! てきとうに呼んで!」
野朗 仁太「あれぇ!?秘密なの?」
野朗 仁太「なんだかカッコいいね! ヒーローみたいだ!」
冥響寺スイ「とにかく! もう行くね!」
「バイバイっ!」
野朗 仁太「うん!光星を治してくれて ありがとう〜〜!」
野朗 仁太「え〜〜っと・・・」
野朗 仁太「ありがとうフードちゃ〜ん!」
冥響寺スイ「「フードちゃん」・・?」
冥響寺スイ「・・・・・・・・・・・・」
冥響寺スイ「わるくは、ない」
野朗 仁太「へへ・・・」
野朗 仁太「アレッ?そういえばフードちゃん なんでオイラの名前知ってたんだろ?」
野朗 仁太「う〜ん・・・」
野朗 仁太「ま、いっか!」

〇広い公園
  一方、その頃
大禅師ジャック「次は、ボクのターンだ」
大禅師ジャック「──エフェクトイン」
大禅師ジャック「カテゴリ「魔法」の特殊攻撃 「火と風の竜巻」を引いたか」
大禅師ジャック「決定打になり得る強力な エフェクトだが・・・」
大禅師ジャック「説得力を持たせるのに 骨が折れそうだね」
大禅師ジャック「場を整えるか・・」
大禅師ジャック「属性「人間」より 男性→30代→悪人で探索」
大禅師ジャック「世紀末なヤンキーを召喚する」
世紀末なヤンキー「オブツハ ショウドク ダァーッ!!」
大禅師ジャック「続けてアイテム設置だ」
大禅師ジャック「カテゴリ「喫煙具」を 世紀末なヤンキーに付与」
世紀末なヤンキー「ショウドク! ショウドク! ショウドクダー!!」
大禅師ジャック「「ライター」ではなく 「マッチ」を引いたか」
大禅師ジャック「火力不足は否めないが・・ いや、瑣末な問題だ」
大禅師ジャック「さらにエフェクトを セットして、終了だよ」
大禅師ジャック「キャラが1人にアイテム1個 カウンター用のエフェクト1つ」
大禅師ジャック「まずまずの滑り出しだが・・」
大禅師ジャック「最初に彼が召喚した 「穏やかな事務員」」
大禅師ジャック「アレの意図が読めないな」
大禅師ジャック「さぁ・・どう来る?」

〇広い公園
摂津アキラ「オイオイ!なんだオマエ! 喫煙具ぅ?マッチぃ?」
摂津アキラ「ヤンキーに持たせるなら 銃火器が常識だろクソザコ!」
摂津アキラ「グチャグチャに潰してやるよ ──エフェクトイン!」
摂津アキラ「ギャハハハハ! 終わりだ クソザコクソムシ!」
大禅師ジャック「「クソザコクソムシ」?」
摂津アキラ「まずキャラ追加、属性は「人間」 男性→20代→ミステリアスで探索」
摂津アキラ「「イケメンな事務員」を召喚する」
イケメンな事務員「テイジ ニ カエリタイ」
穏やかな事務員「ワカル! ホント ソレナ!」
摂津アキラ「さらにアイテムだ、カテゴリ「食品」で 「菓子→チョコレート」の順に探索」
摂津アキラ「コイツを男の事務員に食わせる」
イケメンな事務員「オッ? サシイレカナ?」
イケメンな事務員「ナニコレッ!? ヤダコレ!! タベタクナイ!!」
イケメンな事務員「モガガッモグモグ」
イケメンな事務員「ガハッ」
大禅師ジャック「なんだっ!? 何を食べさせた!?」
大禅師ジャック「自分のキャラを潰したのかっ!?」
摂津アキラ「イイ顔するじゃねぇかクソムシ! ご褒美に教えてやるよ」
摂津アキラ「今食わせたのは、とあるウイルスを 多量に含んだ・・・「劇薬」だ」
摂津アキラ「コイツへ強化するためのなぁ!」
摂津アキラ「エフェクトセット! カテゴリ「画面効果」より・・」
穏やかな事務員「ネェ ダイジョウブ?」
摂津アキラ「「血しぶき」をオンだ」
穏やかな事務員「キャアアアアアアア!!」
大禅師ジャック「「血しぶき」によるゾンビ化だと!?」
大禅師ジャック「おぞましい使い方だが ──説得力はあるっ!」
摂津アキラ「連鎖強化だ!止まるんじゃねぇぞ! 全員ゾンビにしちまえ!」
穏やかな事務員「キャアアアッ イヤアアアアアッ!!」
穏やかだったゾンビ「アア──アッア」
イケメンだったゾンビ「アガーアー」
摂津アキラ「「血しぶき」に終わりはねぇよ! さあクソムシにも齧り付きやがれ!」
大禅師ジャック「くっ・・・ やむを得ない!」
大禅師ジャック「カウンターエフェクトオン!」

〇広い公園
穏やかだったゾンビ「ウーッ! ガァーッ!」
イケメンだったゾンビ「アアアア─ッ!」
「ア゛ッヅィイイイ!?」
大禅師ジャック「カテゴリ「画面効果」の 「壁花火」だ!」
摂津アキラ「カウンターエフェクト!?」
摂津アキラ「足掻くじゃんクソムシィ! だがそんなザコエフェクト!」
大禅師ジャック「その通り、足止めには弱いっ! 一瞬で終わるエフェクトだ!」
大禅師ジャック「だからこそ──」
大禅師ジャック「このターンでボクが勝つよ」
摂津アキラ「アァン!?」

〇水中
大禅師ジャック「応えろ、ボクのタップギア」
大禅師ジャック「光星くんと仁太くんの為に」
大禅師ジャック「──ここで引くっ!!」
大禅師ジャック「エフェクトインッ!!︎」

〇広い公園
大禅師ジャック「────────来た」
大禅師ジャック「エフェクトセット! 背景エフェクトオン!」
大禅師ジャック「いくぞ!用意しろ! 世紀末なヤンキー!」
世紀末なヤンキー「オブツハ ゼーンブ ショウドク ダァー!!」

〇広い公園
摂津アキラ「これは・・・ 背景エフェクト「火」か?」
摂津アキラ「───ッ!? いやちげぇ!」
摂津アキラ「このエフェクト・・「炎」かっ!」
大禅師ジャック「なんだ、キミもイイ顔するじゃないか ご褒美に教えてあげよう」
大禅師ジャック「ボクがヤンキーに持たせた 熱源はただの「マッチ」だ」
大禅師ジャック「コレだけじゃ説得力に欠ける せいぜいボヤ騒ぎレベルだが・・」
大禅師ジャック「もう一つ、大火災を起こすのに ふさわしい熱源があっただろう?」
摂津アキラ「もう一つ・・・チッ」

〇広い公園
「ア゛ッヅィイイイ!?」

〇広い公園
摂津アキラ「あの時のカウンター・・ 「壁花火」か!」
大禅師ジャック「火の不始末にはご用心、だね そして・・・」
大禅師ジャック「この炎上すらボクの布石だっ!」
大禅師ジャック「炎で熱した空気は上昇! 気流を生み出しうねりと化す!」
大禅師ジャック「エフェクトセット 特殊攻撃──」
大禅師ジャック「「火と風の竜巻」をオン!」

〇広い公園
「ウガァァアアッ!?」
大禅師ジャック「よしっ!ゾンビ共は一網打尽だ!」
大禅師ジャック「このまま決める!エフェクターに ダイレクトアタックだ!」
摂津アキラ「・・クソムシごときが」
摂津アキラ「ガードエフェクトオン!」
大禅師ジャック「やったか!?」

〇広い公園
大禅師ジャック「くっ・・また背景が!」
摂津アキラ「フィルターオン、「青」だ 無意味な行動だから安心しな」
大禅師ジャック「・・ボクにとって渾身のコンボだった」
大禅師ジャック「なのに、いまだ健在とはね」
摂津アキラ「「闇属性」のガードだ 理解したかクソムシ」
摂津アキラ「が、少しは認めてやるよ このままじゃ分が悪い」
摂津アキラ「この「摂津アキラ」を 追いつめたご褒美だ」
摂津アキラ「──オモシロイモノヲ ミセテヤロウ」
悪鬼 ラセツ「ヒャハッ! ギャハハハハハハハハッ!!!」
大禅師ジャック「身長が縮んだっ!?」
大禅師ジャック「いやそこじゃないっ! 服装も雰囲気も何もかも違う!」
大禅師ジャック「まるで人間の化けの皮が 剥がれたような・・・!?」
悪鬼 ラセツ「「セッツ アキラ」 アラタメ 「アッキ ラセツ」ダ!」
悪鬼 ラセツ「アー、アーッ、アー、あーゴホンッ」
悪鬼 ラセツ「さて、第二ラウンドを始めようゼ 宣言通りグチャグチャに潰しテ・・・」

〇黒背景
  ううん、もう終わりだよ
  ──エフェクトリセット!

〇広い公園
大禅師ジャック「画面効果エフェクトの「フラッシュ」? いったい誰が・・・」
大禅師ジャック「いや、それより・・まさかっ!?」
大禅師ジャック「今のでエフェクトを全部 かき消したのかっ!?」
摂津アキラ「オイオイオ〜〜イ コレからがお楽しみだってのに」
摂津アキラ「邪魔しやがったなクソが! どこのどいつだ!?」
冥響寺スイ「ここにいるワタシ、だけど」
大禅師ジャック「冥響寺スイっ!? いったい何しに来たんだ?」
摂津アキラ「へぇ、また誰か出て来たと 思ったら・・・」
摂津アキラ「一番食いごたえのありそうな エフェクターじゃねぇか!」
摂津アキラ「名乗れよ、何者だオマエ」
冥響寺スイ「・・・う〜ん」
冥響寺スイ「ワタシは謎のヒーロー、「フードちゃん」」
冥響寺スイ「この勝負・・・ フードちゃんが、預かる!」
「・・・・・・・・・・・・はぁ?」

次のエピソード:第7話「参加者募集!トランセンドカップ!」

コメント

  • おおっ。スイちゃんがフードちゃんの呼び名を気に入って周りと評価のズレがあるのがいいですね。周りとズレてる優秀な子はかわいい。

    摂津アキラ、悪鬼ラセツからの逆算ネームだったとは気付きませんでした。奴がやられるところを見たかったですが…やはりやり返すなら光星くんかな。再戦も待ってます。

  • 「火と風の竜巻」を使うまでのコンボの流れがいいですねぇ!ゾンビ化のコンボ含め、エフェクトバトルの醍醐味を堪能できました👍
    「欲しいエフェクトを引いたエフェクト」等、地味な所もさすがの完成度でした✨
    摂津アキラの名の「由来」は何だろうと考えていたんですが、アナグラムだったとは 笑
    強敵どもが身近に迫ってきていて、次の展開も楽しみです!

  • ノーシーボ効果! 成程エフェクトバトルの秘訣は思い込み…… 信じるチカラ……

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