買った森からダンジョンへ

ちぇのあ

第17話 河原に着いたら森林浴とキャンプをして(前編)(脚本)

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〇桜並木
  良い夢を見ている。
  皆で空を飛んでいて頭上の万年樹の頂上を目指している。
  彼女達の風に靡く髪と桜の花びらが美しく視界に映り一人一人が優しく微笑む。

〇洞窟の入口(看板無し)
  緩やかな朝の陽射しが僕達に降り注ぐ中、遥か上から見えた巨大な空洞の中へ探検しに行く。

〇岩の洞窟
  閉ざされた壁が音を立てて開くと視界は急に光り輝いて・・・・・・・・・

〇古民家の居間
  僕は目を覚ます。
  空は白け始めているが曇っている。
  厚着で出掛けるのが良いだろう。
  視線を下に向けると僕は目が釘付けになる。
  サオリはスヤスヤ眠っているが山頂の桜色の小苺ごと胸元があらわになっている。
  浴衣に戻すついでに冷えてないか手で確認したところ、とても温かくて柔らかかった。
  風邪や冷え性の心配は無さそうだ。
  体調には常に気を配らなければならない。
  僕はくるりと向きを変えると、愛らしい微笑みで眠っている天使が映る。
  なんて可愛いんだ・・・。
  頭を撫でてじっと見つめる。
  今の状態が幸せだと改めて実感する。
  寝てる間にそっと唇にキスした。
  本当は起きてからのほうが良いのだろうが・・・。
  さて、朝食と昼食用の調理をしに行くかな。僕は起き上がる。
  まだ早朝なのでミドリやリノアもスヤスヤ眠っている。
  起こさないようにそっと動いて寝室を出る。

〇綺麗なキッチン
  まずは研いで置いたお米に水を入れて早炊きでスイッチを押す。
  銀紙におにぎりを包んで川原で食べるのも良いだろう。
  そうと決まればおにぎりの具を用意しておかないとな。
  焼きたらこや玉ねぎと焼いたカルビや梅の切り身などを手際よく準備していく。
  お昼はバーベキューをしようと思っているので焼き野菜やお肉を車に積んで置いた。
  冷蔵庫から銀紙に玉ねぎやみりんや
  ダンジョンの林檎のすりおろしや甘めの焼肉のタレを混ぜて漬け込んで包み込んでおいた銀鮭やハンバーグやスパゲティや
  ミスジの和牛肉や野菜炒めも取り出し、これも車に積んでおく。
  バーベキューを始める頃には味が染み込んで美味しく食べられるに違いない。
  皆が美味しく食べている風景が目に浮かぶ。
  冷蔵庫の残りの食材を見てチャーハンを作る事にした。
  ご飯は多めに炊いているからおにぎりの分も残せるので何も問題は無い。
  さっそく鍋を温めて少量の油を敷く。
  エビキムチ卵玉葱長葱豆腐ミスジ肉などのチャーハンの具を焼いて炒める。
  清水仕込みの美味しいごはんが炊けたのでごはんも鍋に入れる。
  研いでる時も清水を惜しみなく使ったので美味しいに違いない。
  少しチャーハン全体に色と焦げ目が付いたら塩胡椒で味を調えて完成だ。

〇ダイニング
  後は色とりどりの食材をおにぎりの具にして握っていく。
  塩も海苔も高めの高級なものを厳選したのできっと美味しいに違いない。
  僕はまたお昼の食材を車に積んでから残りの分を朝食としてキッチンに運んでいく。
  豚汁も作る予定なので、芋や人参や玉ねぎやブランド物の豚肉などを切り刻んでタッパに詰めておいた。
  現地でみりんや味噌や清水やカツオ出汁などで美味しく煮込んで作る予定だ。
  キッチンに朝食を運ぶと良い匂いが立ち込めてきた。
  皆そろそろ起きる頃かな・・・?

〇古民家の居間
  寝室に戻り様子を伺う。
  一通りやる事を終えて油断したのか、足元がふらついて布団の中に転んでしまう。
咲桜里「んにゃ~・・・わっお兄ちゃん♪ 咲桜里が可愛いからって寝てるうちに忍び込んで来ちゃうなんて、おにいちゃんはえっちだねっ♪」
  特に足元に躓くようなものは置いていなかったので言い訳のしようがない。
  らっきーすけべ・・・とでも言うのだろうか?(心霊番組のナレーター風
真樹「う、うん・・・朝食の用意が済んだから、目が覚めてきたら起きて来てね♪」
咲桜里「ありがとーお兄ちゃん♪ もう少し寝てから起きるね♪」
  わざとかわからないが抱きしめられた際にはだけた浴衣の胸元の中へ僕の顔は埋まっていく。
  僕はこの視界と感触を心のスクリーンショットに保存する。
真樹「うん、ごゆっくり♪」

〇古民家の居間
  頭が胸元に埋まったままの姿勢のままでサオリはまた眠り始めてしまった。
  動くのがもったいないけど、どうしようかな・・・。
  すると僕の肩がぐいぐいと引っ張られスポッと頭が抜ける。
翠「おはよー真樹! ボクにも朝のちゅ~してよ♪」
真樹「もう、翠は甘えんぼだなぁ♪」
  いつかの想里愛との朝のちゅ~を見られていたのだろうか・・・?
  言い逃れはできなそうなので、大人しく頭をなでなでしてから朝のちゅ~を交わす。仄かに昨日の杏仁豆腐の味がした。
翠「コーヒーゼリーの味がするぅ・・・♪」
  妖艶な表情でそう言われると朝から興奮してしまう。
真樹「そうなんだ、どっちも美味しいよね・・・♪」
翠「次食べるときはあ~んして食べさせてね?♪」
真樹「もちろんいいよっ♪」
  食事が毎回楽しみだ、うまくいけば朝食か昼食で食べあいっこもできるかもしれない。
  おら、朝からわくわくしてきたぞっ!
翠「みんな起きてないし、ボクももう少しおやすみしてようかなぁ。」
真樹「そっか~、ゆっくり休んでね♪」
  翠は陽射しが少し眩しいのか、近くにあった帽子を顔にかぶって寝始めたようだ。
  たぶん寝ずらいと思うので遮光カーテンをかけて帽子を取ってあげた。

〇古民家の居間
  僕は布団に戻り横になると、想里愛が寝ているはずの位置にリノアちゃんが横になって僕を見つめている。
  どうやら想里愛を1つ隣に移動させたようだ。
里乃愛「真樹くん、おはよっ♪」
真樹「起きてたのかな?おはよっ♪」
里乃愛「ちょっと前から起きてたよぉ~♪」
  ニコニコしながら見つめ続けられる。
  コミュ障な僕は何を話そうか迷っていると・・・。
里乃愛「実はさっきミドリちゃんとの様子が見えたんだけど・・・」
  ふぁっ!?という表情になる僕。
  思い切り見られていた。
里乃愛「私にもしてくれるよね・・・?」
  可愛くおねだりされて、アタフタしていると・・・
里乃愛「私がリードしてあげるっ♪」
  ふぁっ!?
  華奢な腕に抱きこまれ、里乃愛の端正な顔がすごく近くに映る。
里乃愛「ほら、目を閉じて・・・?」
  僕はリードされるがままに目を閉じる。
  この新鮮な気持ちはなんだ・・・?
  胸がどんどん高鳴っていく。
  頬に柔らかい感触が伝わる。
  ゆっくり目を開けると里乃愛の指先が当たっている。
里乃愛「真樹くん、可愛いからいじわるしたくなっちゃった♪」
  少し残念そうな顔をしていると、里乃愛は目を閉じてゆっくりと顔を近づけて唇を重ねてくれる。
真樹「あ、ありがとう・・・♪」
里乃愛「ふふっ、今日は旅館に出掛けるんだよね?楽しみだなぁ♪」
  頭を撫でているとまだ眠り足りないのか、もうひと眠りし始めた。
  僕ももうひと眠りしようかな・・・

〇古民家の居間
  少しウトウトし始めた頃、横からモゾモゾ誰かが寄ってきたようだ。
  ゆっくりとその方向を向くと愛しい天使が僕を見つめている。
想里愛「真樹さん、おはようございます♪」
真樹「想里愛だっ♪おはよ~♪」
  想里愛はゆっくり目を閉じて僕のアクションを待っている。
  肩を掴みゆっくり抱き寄せて接吻を交わす。
  どちらともなく舌を絡ませ濃厚な口付けになっていく。
  僕は強く抱きしめて想里愛を離さない。
  しっかり抱きしめ返してくれて幸せを感じる。
真樹「体調もすっかり回復してるようで、安心したよっ♪」
想里愛「えへへ♪真樹さんの介抱のおかげです♪」
真樹「いつまでも、一緒に元気に暮らしていこうね♪」
想里愛「もちろん!ずっと真樹さんの傍にいます♪」
  ニコニコ微笑む想里愛とデレデレする僕。朝からすごく幸せで濃厚な時間を過ごす。
  我慢できずにたっぷり唇を重ねながら胸元に手を忍び込ませて揉みほぐすが、想里愛は目を閉じかわいい顔で受け止めてくれた。
想里愛「朝から真樹さんに可愛がってもらえて嬉しいです♪」
真樹「僕もすごく嬉しいよ、ありがとね♪」
  愛しいお嫁さんは僕の胸元で安心した寝顔を浮かべスヤスヤと眠る。
  僕もこのままもう一眠りしよう。
  穏やかな朝が過ぎていく。

〇ダイニング
咲桜里「お兄ちゃん起きてっ?」
真樹「みんな起きるの早いね、おはよ~」
想里愛「真樹さん朝から調理してくれてありがとうございます♪」
翠「さすが真樹だね、良い意味で予想の斜め上を行く!」
里乃愛「うんうん、わぁ豚汁良い匂いしてる~♪」
  僕も皆の待つ食卓へ座る。
  今日は庭の翡翠のテーブルで食べる。
  里乃愛ちゃんがかけてくれた魔法のおかげで部屋と同じように暖かい。
  テーブルを囲む形に広がる長方形のヒノキの椅子の上に座布団やイチゴのクッションを載せている。
  座り心地が良さそうだ。
真樹「家の中の食事も落ち着いて良いけど、庭で食べる食事もまた・・・良いね♪」
想里愛「そうですね!朝なのにお月様が見えて・・・神秘的です♪」
咲桜里「お月様って夜以外にも見れるんだ~♪」
翠「朝食を済ませたら今日はお出掛けするの?」
里乃愛「そうなんだ~、どこにお出掛けするのかな?♪」
真樹「山でキャンプしたいんだけど・・・どうかな?」

〇ダイニング
  皆の快諾を頂けて嬉しくなる。
  きっとお昼も皆で美味しく食べて過ごせるだろう。
  僕は出汁の利いた豚汁を共食い・・・いや、美味しく味わいつつ笑顔の皆と会話を弾ませる。
  さすがにキャンプで一泊するのは体力が削られそうなので日帰りが良いのかもしれない。
  今その事で悩んでも仕方ないので向こうについてから皆で考えて決めれば良い。
  せっかくのキャンプだし倉庫に眠ってる釣り道具も持っていこうかな!
  山でも鮭って釣れるのかなぁ?(脳内お花畑顔)
咲桜里「お兄ちゃんの豚汁美味しかったぁ~♪(意味深) また食べたいな♪」
真樹「車に豚汁の食材積んだから、お昼にもまた食べられるよ♪」
想里愛「お昼も美味しく温まれますね♪」
里乃愛「お出掛け楽しみだよぉ~♪」
翠「にぎやかでいいね、車の中ちょうど満員だね♪」
  食べ終わった食器を皆で仲良く洗い、また翡翠のテーブルに戻りお話する。
  これは良い石だと皆褒めるので翠は満足気な顔をしていて微笑ましい。
  小鳥がさえずり身近に味わえる森林浴を満喫する。
  向こうに着いたらもっと本格的に満喫できるに違いない。

〇実家の居間
  小一時間経ち出掛ける事になる。
  浴衣では森では不便そうなので動きやすい服に着替えてもらう。
  想里愛はフリルのミニスカートに肩や胸が開放的な上着、
  咲桜里達にも浴衣やコスプレ以外の服も着て欲しいので先に服屋に行く事にする。
  とりあえずコスプレ・・・いや、素敵なサンタさんや学生さんやメイドさんに着替えてもらった。
  いや~目のやり場に困るなぁ(棒読み)
想里愛「だ~れだっ?♪」
  不意に柔らかい手で目隠しをされる。
  う~んこの背中に伝わる感触は・・・
  僕は神経を背中に研ぎ澄ませて答えを導く。
真樹「想里愛・・・かな?♪」
想里愛「さすが真樹さん♪こんな一瞬で理解っちゃうなんて・・・あたし嬉しい(ハート)」
  ふふ、今日も主人公補正炸裂でどんなクイズも大成功だぜ!
  目隠しの流れで着替え中の想里愛に笑顔を向けてもらいながら、見放題の景色を僕は堪能する事ができた。
  さぁ、皆を車に乗せて素敵な洋服屋さんに出発だ!!

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