読切(脚本)
〇女の子の一人部屋
隼人(僕は岡本隼人。ABC商事で働いている。 今日は会社の後輩で彼女の紗奈ちゃんの誕生日)
隼人(サプライズしようと思って紗奈ちゃんの家で、好物って言ってたバターチキンカレーを作ってるところ)
隼人「ちゃんと練習したから美味しく出来たはず」
隼人「よし!好きって言ってたピンクの薔薇の花束に、憧れのブランドって言ってたショップのピアスでしょー。ケーキも買ったし完璧だ!」
隼人「ちょっと残業で遅くなるって言ってたなぁ。まだかなぁ。紗奈ちゃんの驚く顔がみたいなぁ」
紗奈(はぁ・・・疲れた・・・寝不足だし・・・)
紗奈(せっかくの誕生日なのに)
紗奈(あれ?家から・・・?美味しそうな香り・・・?)
ガチャッ
隼人「あ!紗奈ちゃんおかえり♡待ってたよ!誕生日おめでとう!残業お疲れ様!」
紗奈「・・・ただいま」
隼人「じゃーん!今日は誕生日だからサプライズで紗奈ちゃんの好きなバターチキンカレー作ったんだ!ちゃんと練習したから美味しいよ!」
紗奈「うん・・・」
隼人「実はね!紗奈ちゃんにプレゼントもあるんだよ!憧れって言ってたブランドのピアス!びっくりした?」
紗奈「びっ・・・くりした・・・」
隼人「サプライズ成功だね!嬉しい!」
紗奈「あの・・・岡本くん」
隼人「なぁに?紗奈ちゃん」
紗奈「どうして私の家にいるの?」
隼人「え?どうしてって誕生日のサプライズだよ!はい!ピンクの薔薇!好きでしょ?これもプレゼントだよ!!」
紗奈「違うよ。どうやって私の家に入ったの?」
隼人「どうやってって会社の紗奈ちゃんのロッカーから鍵をとって合鍵を作ったんだよ」
隼人「ちなみに好きなものとかは、紗奈ちゃん前に、同僚の優斗さんと食堂で話してたでしょ?僕にも教えて欲しかったなぁ」
紗奈「会社帰りに私につきまとって家までストーカーしてたのって岡本くんだったんだね」
紗奈「毎回、『鍵をジャランジャランさせる音』がしてたからついてきてるって気づいてたよ」
隼人「・・・まぁ、合鍵作るときに免許証みて住所は把握したんだけど・・・」
隼人「カレー 冷めちゃうよ」
紗奈(話が通じない・・・)
バン!!!
玄関のドアが開いて警察が入ってきた
警察「警察だ!不法侵入で署まで連行する!」
ガチャ
岡本くんに手錠がかけられた。
隼人「なんで?」
紗奈「ストーカーの相談で元々警察には届けは出していたから、部屋の前でカレーの香りがした時、警察に連絡したの」
紗奈「私はストーカーの証拠が欲しかったから1人で乗り込んだ。今までの会話は録音してあるよ」
岡本くんは何も言わずうなだれて警察に連れていかれた
紗奈「こ・・・怖かったー」
バタン!
紗奈「!?」
優斗「紗奈!大丈夫か!?」
紗奈「優斗・・・くん?どうしてここに?」
優斗「お前が間違えて警察じゃなくて俺に電話してきたんだよ。だから、俺が代わりに警察呼んだんだよ」
紗奈「ほんとだ・・・」
優斗「いや、お前が証拠がないと無罪になっちゃうから1人で乗り込むって言ってて慌てて来たんだけど・・・」
紗奈「今、警察に連れていかれたよ」
優斗「みたいだな」
紗奈「優斗くん・・・怖かったよー」
優斗「お前、無茶しすぎなんだよ。心配しただろ・・・」
紗奈「ごめんね・・・」
優斗「あのさ・・・こんな時に言うの間違えてるかもしんないけどさ、」
優斗「前から好きだったんだよね。紗奈のこと。またお前が無茶してもすぐに守ってやれるようにさ、俺の恋人になってよ」
紗奈「・・・助けにきてくれて嬉しかったし、かっこよかったよ」
紗奈「こんな私で良かったらよろしくお願いします!」
優斗「良かった!こんな形で告白するつもりじゃなかったんだけど・・・じゃぁ、食卓片付けよっか。何入ってるかわかんないしね」
紗奈「そうだね」
ジャランジャラン
紗奈「!!」
優斗「どうしたの?」
優斗から聞こえる聞き覚えのある『鍵をジャランジャランさせる音』に
立ち尽くす紗奈だった・・・
最初は、サプライズ好きでロマンチストな彼氏かと思いきや、、、
一難去ってまた一難、見事なストーリー展開に驚きっぱなしでした。
こわいこわいこわいこわい。
意外な展開にゾッとしました。
いくらイケメンでも、ストーカーは勘弁!
最初は彼氏だと思っていたのが、ストーカだったなんて…と思っていたら、次にきた彼もストーカー。
彼女もなんだか落ち着きませんよね。
ミスリードの誘い方がすごく上手かったです!
おもしろく読めました。