優勝したので夫婦漫才!!(脚本)
〇劇場の舞台
次はエントリーNo.257
残念イケメンと自称サバサバ系の2人!
〇劇場の舞台
三行半(みくだりはん)!
「ど〜も〜!」
伊丹 陽介「ボク、この漫才が終わったら 結婚するんだ・・」
羽田 柚月「いきなり死亡フラグ!?」
伊丹 陽介「漫才の場合は滑るフラグやで」
羽田 柚月「どっちにしろ縁起でもない!」
「三行半で〜す!」
伊丹 陽介「なあ聞いて」
羽田 柚月「どしたん?」
伊丹 陽介「最近、親戚のオジンから クルマもろたんやけど」
羽田 柚月「あらええやん」
伊丹 陽介「でもな、ボク免許ないねん」
羽田 柚月「あちゃ〜それは困るなぁ」
伊丹 陽介「だから免許欲しいんやけど」
伊丹 陽介「アレできるかめっちゃ不安で」
羽田 柚月「アレって?」
伊丹 陽介「救命講習」
羽田 柚月「あ〜懐かしい!人形使って・・」
伊丹 陽介「そうそう、人形使って マウストゥーマウスするヤツ」
羽田 柚月「間違っては、ないな」
伊丹 陽介「できる気がせぇへん」
羽田 柚月「気弱やな」
伊丹 陽介「だから本番で失敗せんよう 練習したくて」
伊丹 陽介「人形買ってきた!」
羽田 柚月「人形買ってきた?」
伊丹 陽介「コレや」
羽田 柚月「・・これ五月人形ちゃう?」
伊丹 陽介「30万した」
羽田 柚月「たっか!教習所の学費なみやん!」
伊丹 陽介「おかげで金欠」
羽田 柚月「当たり前や!」
羽田 柚月「しゃあないな」
羽田 柚月「その練習、手伝ったるわ!」
伊丹 陽介「ホンマ!?ありがとう!」
伊丹 陽介「じゃあボクが倒れた人 見つけて介抱するから」
羽田 柚月「うん」
伊丹 陽介「アナタはAEDを持って来てな」
羽田 柚月「わかった」
「・・・」
伊丹 陽介「何してんの?」
羽田 柚月「え?」
伊丹 陽介「AED持って来い言うたやん」
羽田 柚月「アレッ!? もう始まってた!?」
伊丹 陽介「始まってたよ」
羽田 柚月「いやあまりにもシームレスやから」
羽田 柚月「普通こういうのって 役割確認してから始まるやん」
伊丹 陽介「そう?」
羽田 柚月「そう!」
伊丹 陽介「ほな仕切り直すで」
伊丹 陽介「ボク介抱役でアナタ周囲の人な」
〇劇場の舞台
伊丹 陽介「もしもし!大丈夫ですか!」
伊丹 陽介「事件ですか?事故ですか?」
羽田 柚月「いや事故やろ!」
羽田 柚月「110番通報を受けた警察の対応やん!」
伊丹 陽介「え?違う?」
羽田 柚月「違うわ!」
羽田 柚月「普通はまず意識確認や 呼吸の有無とか順番に見んねん」
羽田 柚月「それから指示出すんや 救急車とかAEDとか」
伊丹 陽介「やってみるわ!」
〇劇場の舞台
伊丹 陽介「もしもし!大丈夫ですか!」
伊丹 陽介「呼吸・・なし!」
羽田 柚月「OK!次は指示!」
伊丹 陽介「アナタは救急車を呼んで下さい」
羽田 柚月「はい!」
伊丹 陽介「アナタはAEDを持って来て下さい」
羽田 柚月「はい!」
伊丹 陽介「アナタは気道確保をお願いします」
羽田 柚月「はい?」
伊丹 陽介「アナタは心臓マッサージを!」
伊丹 陽介「アナタはマウストゥーマウスを お願いします!」
羽田 柚月「指示細かっ! 何人にお願いしてんねん!」
羽田 柚月「今の指示やと・・」
羽田 柚月「倒れた人に3人群がってるぞ!」
羽田 柚月「あとさっきからなんや マウストゥーマウスって!」
羽田 柚月「英語にすな!人工呼吸でええやろ!」
伊丹 陽介「・・・」
羽田 柚月「何してんの?」
羽田 柚月「急に腕組んで立っとるけど」
伊丹 陽介「ボク?」
伊丹 陽介「ボクは後方彼氏ヅラの役」
羽田 柚月「後方彼氏ヅラの役!?」
羽田 柚月「事故った彼女放置して腕組んでんの?」
羽田 柚月「人として相当ヤバいぞ!」
羽田 柚月「あとコイツの設定、彼女役かいっ!」
羽田 柚月「ずいぶんと勇ましいな!」
羽田 柚月「ちゃうねん!気道確保含め 人工呼吸は1人でやんの!」
羽田 柚月「分担せんでいいの!」
伊丹 陽介「よぉ分からん、お手本見せてや」
羽田 柚月「しゃーないな」
羽田 柚月「ほなアンタ周囲の人ね」
〇劇場の舞台
羽田 柚月「大丈夫ですか!」
羽田 柚月「意識確認、呼吸なし」
伊丹 陽介「手伝います!」
羽田 柚月「ありがとうございます アナタは救急車を呼んで下さい!」
伊丹 陽介「わっかりました〜!」
伊丹 陽介「ハイ救急車!救急車!」
伊丹 陽介「カワイイ姫より救急車!」
羽田 柚月「・・アナタはAEDをお願いします」
伊丹 陽介「こちらの姫様からAED頂きました〜!」
伊丹 陽介「そらきたそらきたハイハイハイハイ!」
羽田 柚月「待って待って」
伊丹 陽介「なに?」
羽田 柚月「ホストやってた?」
伊丹 陽介「やってへんけど」
羽田 柚月「そう・・」
羽田 柚月「もうちょい抑えて呼んでくれる?」
伊丹 陽介「分かった!」
羽田 柚月「仕切り直すで」
〇劇場の舞台
羽田 柚月「大丈夫ですか!」
羽田 柚月「意識確認!」
伊丹 陽介「手伝います!」
羽田 柚月「アナタは救急車を呼んで下さい!」
伊丹 陽介「はいヨロコンデー!」
羽田 柚月「アナタはAEDをお願いします」
伊丹 陽介「AED1本入りました〜!」
伊丹 陽介「あ〜りがとうございまぁす!」
羽田 柚月「いや居酒屋やんけ!」
羽田 柚月「意味がちゃうねん!」
羽田 柚月「価格じゃなく声を抑えろって言ったの!」
羽田 柚月「ほんでさっきから夜のバイト多いな!」
伊丹 陽介「人形高かったから・・」
羽田 柚月「30万円っ!」
羽田 柚月「アカン!やっぱアンタ人工呼吸やり!」
羽田 柚月「ちゃんと練習せな」
伊丹 陽介「う〜ん」
羽田 柚月「どしたん?」
伊丹 陽介「いやボク、ご覧の通りイケメンだから」
伊丹 陽介「練習せんでもできる気してきた!」
羽田 柚月「「イケメンだからできる」ってなんやねん」
羽田 柚月「理由の因果関係ぜんっぜんわからん」
伊丹 陽介「だって普段からやるもん」
伊丹 陽介「例えば・・」
〇劇場の舞台
羽田 柚月「勢い良く手を伸ばし女性を 壁際へ追い詰める「壁ドン」!?」
伊丹 陽介「──おい、待てよ」
羽田 柚月「耳元でイケメンボイスこと イケボで囁く「耳キュン」!?」
羽田 柚月「相手の顎を指で持ち上げ キスしやすくする「顎クイ」!?」
伊丹 陽介「そのウルセ〜口、ふさいでやるよ」
羽田 柚月「と囁きながら顔を近づけ 熱い口付けを・・」
羽田 柚月「いや待たんかい!」
伊丹 陽介「うわビックリした」
伊丹 陽介「心臓止まるわ!」
羽田 柚月「こっちのセリフじゃ!」
羽田 柚月「ビジュアルで伝わりにくいから つまびらかに解説してもうたわ!」
伊丹 陽介「でも今ので分かったやろ?」
羽田 柚月「何が?」
伊丹 陽介「イケメンムーブを応用すれば・・」
〇劇場の舞台
伊丹 陽介「──大丈夫ですか?」
羽田 柚月「耳キュンな意識確認!?」
羽田 柚月「顎クイで気道確保!?」
羽田 柚月「壁ドンで心臓マッサージ!?」
伊丹 陽介「そして口づけ・・」
羽田 柚月「マウス・トゥー・マウス〜!」
伊丹 陽介「ほらな?」
羽田 柚月「ホンマやー!できてるわー!」
羽田 柚月「イケメンは普段から命助けてるんやー!」
羽田 柚月「心なしか人形も照れてる気がするー!」
羽田 柚月「顔が赤い気がするー!」
伊丹 陽介「あ、でもアカンわ ボクがイケメンすぎて」
この子、呼吸を忘れてる
羽田 柚月「救急車ーっ!」
羽田 柚月「ってもうええわ!」
「ども、ありがとうございましたー!」
〇ホールの舞台袖
〇コンサートの控室
楽屋にて
羽田 柚月「急なアドリブ入れて!」
伊丹 陽介「ゴメンゴメン」
伊丹 陽介「でも緊張ほぐれたやろ?」
羽田 柚月「ドアホ!」
〇劇場の舞台
伊丹 陽介「ボク、この漫才が終わったら 結婚するんだ・・」
〇コンサートの控室
羽田 柚月「なんやアレ!」
羽田 柚月「めちゃ焦った!ボケ方考えや!」
伊丹 陽介「ボケたつもりないけどな」
羽田 柚月「へ?」
伊丹 陽介「ま、優勝できたら改めて言うわ」
伊丹 陽介「マウストゥーマウスの覚悟しときや!」
羽田 柚月「優勝できたらって・・え?」
羽田 柚月「はぁ!?」
羽田 柚月「はぁ〜〜っ!?」
〇大ホールの廊下
軽妙なテンポで、実際の漫才の空気感が伝わってきますね。
漫才パートだけでも成立しているのに、ちゃんとコンテスト対応もしている素敵なオチもごちそうさまです。
こりゃ三行半(みくだりはん)改名ですね!!笑 ワクチン テンポの良い漫才でちょっとメタっぽいくだりも自然で経験値を思わせるストーリーでした。こういうイケメン好きです。どこかにいないかしら!
タッチノベルで漫才が!
イケメンの動作がマウストゥーマウスに活かされるとは🤣
と、笑っていたら最後に胸キュン!!
それは呼吸止まっちゃいそうですね