エピソード1(脚本)
〇ピラミッド
なぜか私は灼熱の太陽のもと
砂漠に立っていた
あっつー
暑すぎる
喉はカラカラ
頭もクラクラしてきた
すると、後ろから男の声がした
イケメン高校生「大丈夫?」
イケメン高校生「ねえ、スポーツドリンク飲む?」
ありがとう
私は乾いた喉に勢いよく液体を流し込んだ
ねえ、私はどうしてエジプトにいるの?
あなたは、誰?
ここで、一体何をしているの?
イケメン高校生「まあ、そんな焦るなって」
いや、焦るって!
イケメン高校生「お姉さんのことは知らないけど」
イケメン高校生「俺は、高校生で陸上部」
イケメン高校生「部活で外周を走ってて」
イケメン高校生「気づいたら、ここにいた・・・」
イケメン高校生「まあ、そんな感じかな」
いやいや、おかしいでしょ!
イケメン高校生「だから、そんな焦るなって」
イケメン高校生「とりあえず一緒に」
イケメン高校生「どこか休める日陰を探そうぜ」
〇砂漠の基地
イケメン高校生「あそこ、ちょうどよくない?」
見つけるの、はやっ
イケメン高校生「なんか遺跡みたいだな」
イケメン高校生「早速、中に入ろうぜ」
えっ、なんか怖い・・・
イケメン高校生「えっ、何なに もしかしてビビってるの?」
そ、そんなことないけど・・・
中がどうなってるか分からないし・・・
イケメン高校生「結構、お姉さん、慎重派なんだね」
イケメン高校生「大丈夫だって」
イケメン高校生「俺の手、握っとけよ」
私は恥ずかしながら、彼の手を掴んだ
イケメン高校生「ん、」
イケメン高校生「じゃあ、入るぜ」
〇魔界
えっ、怖っ
怖すぎるんだけど・・・
イケメン高校生「大丈夫、俺がついてるから」
イケメン高校生「もうちょっと奥、進んでみようぜ」
えっ、やだやだ、おいていかないで
イケメン高校生「バカっ、こんなとこで女の人を 1人にするわけないだろ」
イケメン高校生「お姉さんの手、絶対離さねえし」
イケメン高校生「何かあったら守るから」
イケメン高校生「だから俺を信じて」
足を前に進めると・・・
〇魔物の巣窟
ぎゃあああーー!!
イケメン)えっ、どうしたの?
ちょっ、見えてないの?
目の前に、いるじゃない!
イケメン)んっ、何が?
ちょっと、
口では説明しづらい生き物が・・・
イケメン)んー、よく見えないなあ
ちょっと、視力いくつ!?
イケメン)0.1
メガネかコンタクトをしろぉぉ!
イケメン)帰ったら、眼科行くわ
イケメン)くそっ、
暗くて余計見えないんだよな
イケメン)誰か電気つけてー
「ハァ・・・イ」
〇魔物の巣窟
イケメン高校生「おおっ、見えた見えた!」
イケメン)電気つけてくれてありがとう
「イエイエ・・・」
あれ?意外と優しい・・・
イケメン高校生「あのー、しばらくここで 休憩させてもらってもいい?」
「イイ・・・ヨ」
イケメン高校生「サンキュー、助かる」
あっ、ありがとうございます
イケメン高校生「あっ、そうだ、お礼に・・・」
イケメン高校生「スポーツドリンク、飲む?」
「ノ・・・ム・・・」
休憩1時間経過・・・
これから、どうしよう
イケメン高校生「まあ、焦るなって」
いや、焦るよ
イケメン高校生「ちょっと待って、俺が訊いてくるわ」
イケメン高校生「あのー、俺みたいな人間、 ほかに見なかった?」
イケメン高校生「もしかしたらその人が 何か知ってるかなと思って・・・」
「ゴクゴク・・・ゴクゴクゴク・・・」
ん?今、飲んでるところかな?
イケメン高校生「あのー」
「ゴクゴクゴク・・・ガハッ」
ちょっ、やめてあげて
気管に入ってむせてるから!
イケメン高校生「わ、悪い」
イケメン高校生「目、あまり見えてなくて・・・」
眼科すぐ行って!
「ミタ・・・ホカノ・・・ニンゲン・・・」
イケメン高校生「えっ、マジ?」
イケメン高校生「どこにいた?」
「サラニ・・・オクへ・・・ススメ・・・」
イケメン高校生「了解!」
イケメン高校生「マジで助かる、サンキュ」
彼は戻ってくると
慣れたように私に手を差し出してくれた
イケメン高校生「ん、」
イケメン高校生「ほら、行くぞ」
〇岩の洞窟
く、暗いね・・・
私は不安になって
思わず彼の腕にしがみついた
ご、ごめん、ついっ・・・
イケメン高校生「気にすんな」
イケメン高校生「そのまま、しがみついとけ」
ありがとう
彼の温かい腕は、安心感があって
どこか懐かしい感じがした
あのさ、私たち、昔どっかで・・・
イケメン高校生「ん?」
いや、やっぱ、何でもない・・・
あの、今さらだけど
あなたがいてくれてよかった
私1人じゃ、とても・・・
色々助けてくれてありがとう
イケメン高校生「べ、別に俺は大したことしてないし」
イケメン高校生「照れるからやめろよな」
イケメン高校生「そっ、そういえばさ」
・・・うん?
イケメン高校生「・・・スポーツドリンク飲む?」
いや、この流れでおかしいやろ!
イケメン高校生「そっか」
ふっ、
なんか、スポーツドリンクのCMできそうね
私はおかしくて思わず吹き出した
〇グラウンドのトラック
イケメン高校生「ふぅ〜あっちぃ」
イケメン高校生「おっ、お疲れ」
イケメン高校生「そっちも、走り込みしてたんだ」
イケメン高校生「こっちに来いよ」
イケメン高校生「一緒に休憩しようぜ」
イケメン高校生「・・・スポーツドリンク飲む?」
はい、カットォ!
〇海辺
イケメン高校生「ちょっ、やめろって」
イケメン高校生「わっ、冷てっ」
イケメン高校生「水かけんなって」
イケメン高校生「ほれ、仕返し」
バシャッ
イケメン高校生「悪い、かけすぎた」
イケメン高校生「俺のタオル使って」
イケメン高校生「喉乾いたよな」
イケメン高校生「ん、スポーツドリンク」
カットォ!
〇黒
おいっ
だ、誰・・・?
あの高校生?
いや、違う
でも、そっくり・・・
私、何か大切なことを
忘れているような・・・
うっ、頭が痛い
イケメン)おいっ、お姉さん!
〇岩の洞窟
イケメン高校生「大丈夫か?意識飛んでたぞ」
イケメン高校生「疲れてんだよ」
イケメン高校生「無理すんな、俺の背中に乗れ」
で、でも重いかもだし
イケメン高校生「黙って甘えとけって」
イケメン高校生「ほらよ」
彼はしゃがんで背中を向けた
ありがとう
イケメン高校生「よいしょ」
イケメン高校生「つかまれ」
イケメン高校生「あともう少しだ」
イケメン高校生「頑張れ」
うん
温かい背中に揺られていると
また、まぶたが下がって・・・
〇黒
どれぐらい時間がたっただろう
イケメン高校生「お姉さん、連れてきたよ」
う・・・ん
イケメン男性「ありがとう」
イケメン男性「あとは俺に任せて」
イケメン高校生「よろしく、彼氏さん」
思い出した、私の大好きな・・・
〇部屋のベッド
イケメン男性「起きたか?」
イケメン男性「デートの途中でお前、高熱で倒れたんだよ」
イケメン男性「めっちゃ心配したんだからな」
イケメン男性「寝ながらブツブツ言うし」
全て夢だったんだ・・・
イケメン男性「でも熱が下がってよかった」
イケメン男性「もう無理すんな」
イケメン男性「黙って甘えとけって」
うん
ねえ、視力いくつ?
イケメン男性「0.1だけど?」
イケメン男性「どうした急に」
あと高校で陸上部だった?
イケメン男性「何で知ってんだよ」
ふふっ
イケメン男性「何がおかしい」
イケメン男性「あっ、喉乾いただろ?」
イケメン男性「スポーツドリンク飲む?」
飲む♡
イケメンと織りなす不思議な世界、ちょっと憧れてしまいますね。でも、スポドリ何本持っとんねん!とツッコむ自身はありますw 不思議ワールドからの綺麗な帰結に感服です。
今作も楽しく拝読させていただきました😊
めっちゃ変な世界!(褒めてます)と思ったらうなされていたのですね。なるほど!こんな素敵な夢ならうなされても見たいかも……と思ってしまいました(笑)
時折彼の過去が見えてしまうのも素敵だったし、ラストの彼の優しさにキュンでした💕
今日お風呂上がりにスポーツドリンク飲みますね!
夢にうなされて若い時の彼に出会い、現在と同じく彼に惹かれ、夢から醒めたら愛しの彼が目の前にいた。楽しいだけじゃなく、彼女の千里眼が素晴らしいストーリーでした。