23歳アイドル引退します

めぐる

エゴサーチ(脚本)

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〇花模様
  ──4月
  新年度。
  私たちはそれぞれ一つ学年が上がり、環境の変化もあった
  マリンは高校を卒業し通信制の大学へ
  モモとヒマは高校2年生に、
  コノハは高校3年生になった
  アヤメは中学を卒業し、義務教育を終えた
  そしてついに、MetPlixで「アイドルstruggle シーズン3」の放送が始まった

〇川沿いの公園
モモ「あー、美味しー♪」
アヤメ「モモちん、そんな細いのにアイスとか普通に食べるんだ! どうやって体型維持してるの!?」
モモ「あっ・・・ 実はあんまり、意識したことなくて」
コノハ(友達とアイス買い食い・・・ 初めての経験!!尊い!)
マリン「あれっ?ヒマは?」
アヤメ「今日学校早く終わるから、先にスタジオ入って練習してるって! 熱心だよねぇー」

〇空っぽの部屋
モモ「おつかれー・・・」
モモ「・・・って、ヒマ、どうしたの!?」
  そこには、目を真っ赤に腫らして、部屋の隅に縮こまっているヒマがいた
マリン「大丈夫?何かあった?」
ヒマ「だって・・・ いったい、なんなのよ!!このひどい言われよう!!!」
  KM@5/8武道館LIVE参戦 5日
  パステルはもうダメじゃね?モモ以外全員ド素人丸出しw
  #アイドルstruggle
  |
  えるぶー 5日
  そういう番組なんだから当たり前
  すけそん@ST雫推し! 5日
  ヒマって奴、ちょっと騒がしいんだよなー。俺あーゆータイプ苦手
  #アイドルstruggle
  |
  渚(みぎわ) 5日
  わかるわー。すげぇ性格悪そう。歌もたいして上手くないのに出しゃばってるし
  NaRiTa@新曲「flow・・・ 5日
  今回全然可愛い子いなくね?
  #アイドルstruggleシーズン3
モモ「ちょっ・・・えっ!? 私たち番組の出演者は、SNSのアカウント作っちゃダメって決まりだったよね?」
ヒマ「ち、違うわよ! これは匿名で鍵かけてやってるプライベートアカウント」
ヒマ「もちろん写真とか載せてないし、アイドル活動のことも一切呟いてないから、関係ないでしょ!」
モモ「でも・・・」
ヒマ「なんで、何も知らない人たちから、こんな好き勝手言われなきゃいけないのよ!!」
  監督は、持っていたビデオカメラの電源を切り、机の上に置いた
監督「ヒマ。 なぜこの番組の出演者は、SNSを禁止されていると思う?」
ヒマ「え?それは、ネタバレを防ぐため! 情報漏えいがどうとか守秘義務とか、説明されなかったっけ?」
監督「もちろんそういう側面もある。 だが一番の理由は、君たち出演者を、心無い声から守るためなんだ」
  ・・・・・・
監督「昨今、一般人も出演するリアリティーショーがブームになっているな。 「アイドルstruggle」だってその一種だ」
監督「だが、こういう番組は叩かれやすい。 クソみたいな人間が、君たちのようなまだ無名な弱者を狙って、好き放題言いたがる」
監督「・・・残念なことに、過去にSNSでの誹謗中傷が原因で、命を落としてしまった人もいる」
  ・・・・・・
監督「この業界で歴が長い人間なら、多少のスルースキルは身につけているが、君たちはまだそういうのにも慣れていない」
監督「だから、なるべく暴言や誹謗中傷に触れないように、放送終了まではSNSが禁止されているんだ」
ヒマ「・・・うっ・・・・・・」
コノハ「ハ、ハンカチどうぞ」
監督「まぁ、これから芸能活動をやっていくなら、いずれSNSは必要になってくる」
監督「遅かれ早かれ直面する問題なんだけどな」
監督「・・・一つだけ、大事なことを教えよう」
ヒマ「何?」
監督「匿名のSNSで他人を誹謗中傷するやつに、ろくな人間はいない!!」
監督「夢に向かって毎日努力している君たちの方が、よほど素晴らしい人間だ!! そうだろう?」
アヤメ「まー確かに。 番組見ながら必死でTwitterに悪口書き込んでるオッサンの姿想像すると・・・」
モモ「お、おっさんとは限らないけど。 でもそう考えると、ちょっと気が楽になったね」
モモ「正直・・・今はSNSをやっていなくても、どっかで何か言われてるんだろうなって勝手に想像しちゃってたし」
マリン(私も、もし普通の大学に行っていたら、周りからの冷やかしとか、からかわれたりとかもあったんだろうなぁ)
監督「ネット上でのトラブルに強い弁護士も、うちの知り合いにいる。あまりにもひどいのは開示請求や裁判も可能だ」
監督「君たちも今後SNSやネット配信等をやる機会があるだろうから、何かあったら、まずは相談してくれ」
ヒマ「・・・よかった、頼りになる!!」
監督「よーし、それじゃあ練習再開だ!」
  はいっ!!

次のエピソード:第二関門

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