慇懃無礼戦士☆オジャマン

芦土 杏奈

第一話 どうも、私がオジャマンです(脚本)

慇懃無礼戦士☆オジャマン

芦土 杏奈

今すぐ読む

慇懃無礼戦士☆オジャマン
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇断崖絶壁
  20XX年。世界征服を狙う悪の組織が、この日本の片隅で秘密裏に動き出そうとしていた!
親玉「ふふふふ。この世界は、我々『悪の組織』が征服してやるのだ!」
手下A「イー! (『悪の組織』が組織名って超ダサくないですか?)」
親玉「さあ、手下どもよ! 秘密兵器『これで世界をぶっ壊す☆』略して『セカコワ☆』の製造を開始するぞ!」
手下B「イー! (え? マジでゴミなネーミングセンスじゃね?)」
手下A「イー! (・・・就職先、間違えたかな)」
親玉「お前たち、言いたいことがあるならハッキリ言いなさい!」

〇古いアパートの部屋
  ここは菜の花コーポ101号室と言う名の『悪の組織』のアジトである
親玉「ふっふっふ・・・あと少しで『セカコワ☆』が完成するぞ!」
手下A「イー! (やっとですね!)」
  ピンポーン!
親玉「ったく、折角いい所なのに・・・新聞の勧誘だったら、塩まいて追い出しとけ!」
手下B「イー! (へいへい)」
  手下Bが玄関のドアを開けるとそこには・・・
???「どうも、こんにちは!」
  後光を浴びながら立ちはだかる謎のスーツ姿の男が・・・!?
手下B「イ、イー!? (やっべ! 超不審者なんですけど!?)」
親玉「なんだ貴様は! 新聞なら取らんぞ!」
???「いえ、実は私こういう者でして・・・こちら名刺です。以後お見知りおきを」
親玉「正義の味方オジャマン・・・?」
手下B「イー! (正義の味方だと!?)」
手下A「イー! (おもしれー! やっちまおうぜ!)」
親玉「馬鹿っ! ここで暴れたら近所迷惑になるって何回言わせる気だ!」
親玉「大家さんに叱られるのは、私なんだからな・・・!」
手下A「イー・・・(な、なんかごめん・・・?)」
オジャマン「おやおや、『悪の組織』のみなさんは、とても仲がよろしいようで」
親玉「!? 貴様! なぜここが『悪の組織』のアジトだと知っている!?」
オジャマン「電話帳に載っていましたよ?」
親玉「・・・・・・」
親玉「・・・ふっ、盲点をつくとは、只者ではなさそうだな!」
親玉「それで、オジャマンとやらが我々に何の用だ!?」
オジャマン「実は、『悪の組織』さんと、少々お話をしたいと思っていまして・・・」
親玉「話・・・だと?」
オジャマン「はい。私、趣味で慈善活動をしておりまして・・・」
オジャマン「世界征服を狙っている方々とお話させていただいているんです」
オジャマン「最近ですと、『悪のシンジケート♪』さんや『世界征服を目指す会』さんなどとお会いしましたね」
親玉「な、何っ!? 彼らは最近、世界征服を諦めたと聞いたが・・・まさか、お前が!?」
オジャマン「はい。話し合いの結果、みなさん悪の道から足を洗ってくださいました」
親玉(そ、そんな馬鹿な・・・! こんな怪しげな優男が、あの有名な組織を二つも壊滅させるなんて・・・!)
オジャマン「安心してください。私は、みなさんの意志を無理やり捻じ曲げるようなことはいたしません」
オジャマン「あくまでも、大人の話し合いをさせて頂いただけです」
手下A「イー!! (そんなの、信じられるか!)」
手下A「イー! (胡散臭いにも程がある!)」
親玉「ここは私に任せておけ! その間にお前たちは『セカコワ☆』を仕上げるのだ!」
手下A・B「イー! (了解!)」
親玉(さて、この男どうするべきか・・・)
オジャマン「・・・さて、立ち話もなんですし、私そろそろ・・・」
親玉(ん? 結局何もせずに帰るのか?)
オジャマン「オジャマ☆しまっす!」
親玉「な、なにっ・・・!?」
  オジャマンは、ものすごいスピードで『悪の組織』のアジトへ侵入した!
オジャマン「それでは、早速こちらの冷蔵を拝見いたします!」
親玉「お、おいっ!? 何を勝手に・・・!!」
オジャマン「ふむ。スッキリとして美しい! しかし、みなさんダイエット中なのですか? 極端な食事制限はちょっと・・・」
親玉「しょ、食費に回せる金がないだけだ!」
オジャマン「ふむ、こちらはカレーですね?」
親玉「って、無視するなー!!」
オジャマン「ほう・・・これはとても独創的ですね。こんなカレー初めて食べましたよ!」
親玉「えっ! そ、そうか?」
オジャマン「はい! 出汁に使った野菜クズも食べるなんて、とってもエコですね!」
オジャマン「あ、お肉が入っていないのは、親玉さん達がベジタリアンだからでしょ? ふふ、当たりですか?」
親玉「全部ハズレだ、バーカ!」
親玉「私だってなあ、野菜と国産牛をゴロゴロ入れて『親玉ったら、具が大きすぎ☆』とか言われたいんだよ!」
親玉(なんだ、コイツ。さっきから邪魔なことばかりしてっ・・・!)
  説明しよう! オジャマンは決め台詞『オジャマ☆しまっす!』を言った後は、ひたすらウザくて邪魔な存在になるのだ!
親玉「って、そんなアホなヒーロが存在してたまるかっ!」
オジャマン「ふむふむ、この戸棚には何がはいっているのでしょうか?」
親玉「っておい、こら! いい加減にしろー!」

〇古いアパートの部屋
  そして、朝──
オジャマン「・・・ふふ。何故かこの家にいると、懐かしい気持ちになるんですよね」
オジャマン「あ、思い出しました! 小学校のウサギ小屋に似ているんですよ!」
オジャマン「・・・しかし、親玉さん達は人間です。早く悪の道から足を洗って。 このウサギ小屋からも卒業を──」
親玉「・・・くっ、結局ひと晩中こいつに付き合ってしまった・・・」
手下A「イー! (お疲れさまです!)」
親玉「ふっ・・・しかし、秘密兵器「セカコワ☆」もあとはこの部品をつけるだけで完成する!!」
手下A「イー! (仕上げはおや~だま~♪)」
オジャマン「おや? その部品は何ですか?」
親玉「ギ、ギク!」
親玉「こ、これは貴様には関係のないものだ!」
オジャマン「まあまあ、そう言わずにちょっと見せてくださいよ。 私と親玉さんの仲じゃないですか」
親玉「何が私とお前の仲だ! こら! 服を引っ張るな・・・あっ!?」
親玉「あーーーーーー!!」
  オジャマンに服を引っ張られた親玉は、そのまま秘密兵器『セカコワ☆』に体ごと突っ込んでしまった!
オジャマン「・・・・・・」
親玉「・・・・・・」
手下A「・・・・・・」
  無言でオジャマンを睨む親玉たち・・・
  まさに一触即発といった雰囲気だ。
オジャマン「ふっ・・・ミッション☆コンプリートですっ!」
「な、何っ!?」
オジャマン「それでは、おっ邪魔しました~☆」
  オジャマンは、華麗に『悪の組織』のアジトから脱出した!
親玉「って、おいコラっ!」
手下A「イー! (逃げたな・・・)」
手下B「イー! (逃げ足、超はえー・・・)」
  さて、無事『悪の組織』の陰謀を防ぐことができた我らがオジャマン!
  しかし『悪の組織』も諦めない。どうやら、ホームセンターで秘密兵器『セカコワ☆』の部品を購入するつもりのようだ
  次回『オジャマン、親玉とウキウキショッピング♪』をお送りします
親玉「全然ウキウキじゃない予感・・・」

次のエピソード:第二話 オジャマン、親玉とウキウキショッピング♪

成分キーワード

ページTOPへ