改造途中人間チュート

栗山勝行

第5話 『探偵部員チュート』(脚本)

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〇学校の部室
三輪燈和「観ましたか、例の『YOUR MOVE』の動画!」
山田「どうせ、またオカルト関係だろう?」
山田「三輪燈和は、オカルト記事しか書いてこないからと新聞部を1週間でクビになった女だ」
三輪燈和「私は、まだ解明されていない謎を解き明かして、皆に伝えたいんです!」
三輪燈和「そして、ゆくゆくは異星人とのファーストコンタクトという大役を担うことに!」
班馬宙斗「・・・例の動画っていうのは? それも宇宙人関係?」
三輪燈和「おお、そうでした! 先輩は『迷惑野郎Cチーム』ってご存知ですか?」
班馬宙斗「いや・・・」
三輪燈和「迷惑行為を動画に撮って、ネットに上げてる最低の連中です」
三輪燈和「『コンビニの棚の商品、勝手に入れ替えてみた』とか『散歩中の他人の飼い犬、解き放ってみた』とか」
山田「炎上させて視聴数稼ぎを狙う、クズだな」
三輪燈和「ストーキングを生業としていた人に言われても・・・」
山田「生業ではない。実益を兼ねた趣味だ! いや、そんなことはどうでもいい・・・」
山田「その迷惑野郎が、また何かしでかしたのか?」
三輪燈和「殺されたんですよ」
三輪燈和「チーム全員、鶏頭の怪人に」
山田「鶏頭? マスクを着けた殺人鬼か?」
班馬宙斗(鶏のマスク? まさか・・・)
  宙斗は、鳥のようなマスクを着けた『ZOD』の科学者を思い出していた。
三輪燈和「それが、マスクじゃないっぽいんですよ。目も動くし、くちばしもちゃんと動いてたんですって」
三輪燈和「まあ、動画はすぐに消されちゃったみたいなんで、私は観てないんですけどー」
山田「観てないのかよ!」
三輪燈和「本人は『改造人間』と名乗ってたそうですよ」
班馬宙斗「・・・!」
班馬宙斗(まさか、ここでその言葉を聞くとは思わなかった)
班馬宙斗(『改造人間』)
班馬宙斗(深く考えたことはなかったけど、僕以外に改造された人がいても、おかしくない)
班馬宙斗(僕も、最後まで手術を受けていたら、今頃、鶏頭にされていたんだろうか)
班馬宙斗(考えただけで背筋が寒くなる・・・)
来明電奈「皆、久しぶりに事件が起きたぞ。 我々、探偵部の出番だ!」
  電奈が勢いよく部室のドアを開けて入ってきた。
三輪燈和「もしかして、鶏頭の事件ですか!?」
来明電奈「鶏頭? なんだ、それは・・・?」
三輪燈和「今、世間を賑わせている殺人事件です!」
来明電奈「校外の事件か・・・。残念だが、今の我々には校外活動は禁止されている」
山田「うちには顧問がいないからな」
来明電奈「だが、私もこのまま校内に収まるつもりはない」
三輪燈和「おお! さすが電奈先輩!! で、どうするんですか?」
来明電奈「校内の事件を解決し、我々の有用性を学校に示すのだ」
来明電奈「そして、いずれは単独での校外活動を認めてもらう」
三輪燈和「では、ついに『校内七不思議』の謎に挑む時が来たのですね、むふー!!」
来明電奈「いや、今回、我々が挑むのは、『教材費盗難事件』だ」

〇教室
班馬宙斗(『教材費盗難事件』か・・・)
班馬宙斗(学校ではありがちな事件だけど、僕にとっては、探偵部に入って最初の事件・・・)
班馬宙斗(勧誘してくれた先輩を失望させないためにも、とにかく、全力で挑もう・・・)
来明電奈「現場は、ここ1-Cだ。 生徒と担任には残ってもらっている」
男子生徒「早くしてくれませんかー? 部活もう始まってんだけどー」
女子生徒「あたし、ふつうにバイトあるんスけどー?」
教師「静かにしろ、お前らー」
教師「このまま帰らせるわけにはいかんだろう。いいか、これは泥棒だぞ? 立派な犯罪だからな!」
来明電奈「まだ誰かが盗ったと決まったわけではない」
来明電奈「時間は取らせない。 まず状況を簡潔に説明してもらえるか?」
クラス委員「はい・・・。 教材費は、昼休みまでに私が集めました」
クラス委員「22人分あるのを確認して、教室の私のロッカーに入れて鍵をかけました」
クラス委員「帰りのホームルームで先生に渡すためにロッカーを開けたら、全部失くなってたんです」
山田「鍵は、肌身離さず持っていたのか?」
クラス委員「いえ・・・、体育の授業の時は、自分のカバンの中に入れてました」
山田「そのタイミングなら、委員長のカバンから鍵を取り出し、ロッカーを開けられたということだな」
男子生徒「だったら、委員長の責任じゃん。 委員長が弁償しろよー」
クラス委員「私が!? なんでクラス委員を押しつけられて、その上、お金まで払わなきゃいけないのよ!」
  堰を切ったよう皆が一斉に喋りだす。
  こうなると手がつけられない。
来明電奈「静かに!」
来明電奈「今は責任を問う時じゃない。 失くなった教材費を探すことが先決だ」
来明電奈「体育の授業の時、教室を最後に出たのは誰だ?」
クラス委員「私です・・・。皆が出たのを確認して、窓を全て閉めて、教室に鍵をかけました」
クラス委員「その後、クラスの鍵は、いつものように職員室の棚に掛けました」
三輪燈和「では、その間、このクラスは密室だった! というわけですね、むふー!」
山田「いや、犯人は教室内に潜んでいたんだ。実は密室ではなかったというトリックに違いない!」
クラス委員「いえ・・・皆、体育には出席していたのでそれはないかと・・・」
山田「・・・それは確かか?」
クラス委員「はい。今日は雨天で、体育館で男女合同の授業だったので、よく覚えています」
クラス委員「それに、皆が体操服に着替えてる中、誰にもバレずに隠れることも、不可能かと・・・」
三輪燈和「ふふ、山田先輩の推理は崩れましたね」
山田「ならば・・・、授業中、トイレに行くと見せかけて教室に戻ったに違いない!」
来明電奈「体育館から職員室を経由して、この教室に戻れば、急いでも往復で15分はかかる」
来明電奈「体育の授業中、15分以上、体育館を離れた者はいるか?」
  生徒たちはお互いの顔を見合わせた。
  皆、一様に首をひねっている。
来明電奈「皆、心当たりはないようだな」
三輪燈和「その間、先生はどちらに?」
教師「俺は・・・職員室にいたが、テストの採点をしていたからな・・・」
教師「生徒が鍵を取りに来たかどうかは、はっきりとは覚えていない」
班馬宙斗「・・・ずっと職員室にいたんですか?」
教師「・・・いや、煙草を吸いたくなって、少しの間、席を外した」
来明電奈「・・・宙斗くん、何か気になることでもあったのか?」
  電奈は宙斗に問いかけた。
  それまで黙っていた宙斗が、突然、口を開いたことに違和感を感じたようだ。
班馬宙斗「・・・・・・」
  宙斗は、そっと電奈に耳打ちした。
来明電奈「全員の所持品検査は行ったのか?」

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