いいなずけはめちゃくちゃ(脚本)
〇荒廃した教会
殿 福「こんな危ない所いやだよ、こわいよ!!」
あづま「しあわせは、平穏な場所にあるの?」
殿 福「え・・・」
〇一戸建て
殿 福「だし巻きにサンドペーパーかけるな!!」
〇ダイニング
殿 福「せっかく作ってやった卵焼きにやすりがけするなんて」
殿 今日「やってみたかった」
殿 福「もう我慢ならねー 実家に帰らせてもらいます」
玄担 一茶「ここが実家だろうに (もぐもぐ)」
殿 福「実感がなくて。”じっか”なのに わはははは」
「・・・」
殿 福「最悪だ──オレはつまらないダジャレで人生を台無しにしてきた、」
殿 福「親父の仕込んだダジャレで!!」
殿 今日「欠点の一つでもある方が、人間らしいじゃないの」
殿 福「それっぽいこと言ってんじゃねー! ケチでズボラで怠け者、あんたから受け継いだ欠点はいくらでもある!!」
玄担 一茶「わかってるなら直せばいいのに」
殿 福「おい玄担(げんかつぎ)! なぜ毎朝うちの朝食を食う!」
玄担 一茶「嫌なら出さなきゃいいのに・・・」
殿 今日「入居者に向かって呼び捨てはよくない」
殿 福「ああ、かわいそうな俺。こうも変人に囲まれれば、面倒を嫌いもする! こんな家、ボンバイエ・・・」
殿 福「こんなことじゃ、いつになったら俺の夢── 綺麗な妻のいるグータラ生活が叶うのか」
玄担 一茶「福という名に似合わなぬしょぼくれぶり 管理人どの、何か明るい話はないのか」
殿 今日「管理人といえば!」
殿 今日「福。良いニュースと良いニュースがあるぞ」
玄担 一茶「シンガリ家に良いニュース、だと・・・!? 世はかくも乱世、末法、ハルマゲドン」
玄担 一茶「かくなる上は──」
殿 福「ひとんちの吉報で自刃すんじゃねー!!」
殿 今日「後始末が大変だろうが!!」
玄担 一茶「ひどい家 今朝もごちそうさまでした お粗末さまでした」
殿 福「食うだけ食って帰りやがった」
殿 今日「福ももう17歳になった。アパートの管理人を継がせてやる」
殿 福「ええっ、危険人物しかいないあのボロアパートを!?」
殿 今日「条件がある。これがもう一つの良いニュースだ」
殿 福「ゴクリ」
殿 今日「許婚と結婚してもらう」
殿 福「いいなずけ!? 初耳だぞ 初対面の人と結婚は大変だい オレは目指すぞ大恋愛」
殿 今日「むかーし会ったことあるんだけどねえ。今の写真はこんなの」
殿 福「かっ・・・かわいい!! 結婚か、しょうがないな。でへへへ」
殿 今日「よくぞ了承してくれた 二言はないな?」
殿 福「ないないない! 絶対結婚する!」
ピンポーン
殿 今日「もしや──1ヶ月遅れで到着したか、許婚が」
殿 福「え? え? 来ちゃったのか」
〇飾りの多い玄関
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
殿 今日「はいはいただいま──」
殿 福「親父ィィィ 爆発したッ!? ドアが!?」
あづま「爆破完了」
殿 福「い、許婚がドアと親父を」
あづま「全然変わってないな、ダーリン💕」
殿 今日「あづまちゃん、相変わらずだねえ」
あづま「おじさん、ボクを30秒待たせると強硬手段に出るって言ったじゃないか!」
殿 福「強硬手段、今日こうしたん?(※意味不明)」
あづま「こうした!」
〇ダイニング
殿 福「おい、聞いてないぞ」
殿 今日「言ってないもんなあ」
殿 福「ドア、どうすんの 同寸の用意できるかななんつって」
あづま「日本の朝ご飯は食器が多いんだな!」
殿 今日「あづまくんはイマソカリ共和国にいたんだよ」
殿 福「日本人じゃないの? イマソカリ共和国って言ったら、紛争の──」
あづま「日本人だよ、でもパピーはイマソカリ共和国の人なんだ」
殿 今日「そのパピーと我輩が親友だという縁で、お前は許婚を得たのだ」
殿 福「・・・くさいな」
あづま「火薬の香り、ボクは落ち着くけど」
殿 福「そうじゃなくて、親父、何か裏があるだろ」
殿 今日「頭の裏側もハゲてるけど、今更じゃないか?」
殿 福「はぐらかすな! 親父がうまい話をもってくるなんて、ヤバいデメリットが──」
ピンポーン
あづま「はいはーい」
〇飾りの多い玄関
殿 福「ちょ、勝手に出ないでよ」
あづま「ボクもうここのお嫁さんなんだもん それに、30秒以上待たせると爆破されちゃう」
殿 福「爆破するのはあんただけだし 爆破されるドアがもうないよ」
宇蘭 侑吾「あの、開いてるなら入ってもいいでしょうか」
あづま「敵意を感じるね」
殿 福「け、拳銃!?」
宇蘭 侑吾「法は銃より強し! そんなもので正義の意志を止められると思うなよ!!」
殿 福「この人も──ヤバそうだ!」
〇ダイニング
殿 福「すみませんすみませんすみません」
宇蘭 侑吾「すごい無法世帯に来てしまった 食事中でしたか、汚い食卓だ 失礼だから通報しようかな」
殿 福「片付けます!」
あづま「ボクがやる!」
殿 福「お皿割ったりしないでね?」
〇ダイニング(食事なし)
宇蘭 侑吾「今日伺ったのは他でもない」
ガチャァァァァン!!
宇蘭 侑吾「伺ったのは他でもない」
宇蘭 侑吾「この家の”あづま”という男と話を付けに来た!!」
殿 今日「粗茶ですが」
殿 福「割ったの、あの子じゃなくて親父だろ?」
宇蘭 侑吾「そう──あんたに会いに来たんだよ、あづまさん!!」
殿 今日「いかにも我輩」
殿 今日「えっいや我輩あづまじゃない」
宇蘭 侑吾「言い逃れするな! これを見ろ!!」
マイハニーゑ
訳あって離れるけれど、心はいつも繋がっているよ。密会しよ
伏魔町5-8-1メゾン伏魔殿横の家 あづま❤️
殿 福「あづま・・・」
あづま「呼んだかい? ダーリン」
宇蘭 侑吾「あづま!?」
ピンポンピンポーン
〇飾りの多い玄関
宇蘭 裂果「ドアがないので入りますよー?」
殿 福「入らないでください! 変な人ばっか来る、ワンダフル」
宇蘭 侑吾「裂果、やはり浮気を!」
宇蘭 裂果「侑吾」
殿 福「夫婦!?」
あづま「ハニー・・・気が早いなあもう」
殿 福「混乱してきたぞ、それぞれの関係性は?」
「3年前から夫婦です」
「1ヶ月前から浮気相手です」
「今日から許婚です」
殿 福「俺、浮気されてる!? 俺が浮気相手なのか?」
宇蘭 侑吾「私も不倫されているんだよ! そして慰謝料は、あづまか許嫁である君に請求する!! 裁判でも争ってもらう!!」
殿 福「ま、ま、待ってくれ、折角許嫁ができて管理人にもなれるのに・・・夢のグータラ生活が粉々に砕け散っていく──!!」
あづま「ボクの夢はダーリンのお嫁さんだよ・・・」
殿 福「じゃーなんで浮気してるんだよ! あろうことか既婚者と!」
あづま「ボク、お嫁さんに憧れるあまり、お嫁さんのことが好きで好きでたまらなくなっちゃったんだ〜!!」
殿 福「人妻好きなんてヤベー趣味してるな!! その言い方、まさか他にも火種が──」
「あづま様──来ちゃった❤️」
殿 福「い、いっぱい集まってきた!! 全員不貞を働いてて、その責任はこちらに──」
あづま「ダーリン、一緒に戦ってくれるよね?」
殿 福「コイツの人妻好きを治さない限り、俺に平穏はないってのかよ──!!」
殿 今日「がんばりたまえ」
〇一戸建て
殿 福「平和な家庭が欲しいよ──!!」
許嫁はめちゃくちゃですねぇ。でも、幼馴染で、戦場にいたということは、福くんも潜在的めちゃくちゃなのか。
お父さんも曲者そう。日本では違う戦場となっていくのか、今後を待ってみます。
序盤から破茶滅茶過ぎるw
受難待ったなし!
頑張れ主人公!
クセがすごい!
あらすじから?!でしたが、本編のマシンガントークもスゴイ!
しかも、カワイイあづまちゃんの性癖でラストだなんて…。
最後まで見て良かったです!