『笑川　沙彩』と書いて、えみかわさあや。友達はみんな私をサーヤと呼ぶ。
初めての寮生活で、いきなり霊っぽい何かの被害に遭ってしまった薄幸の高校一年生。
クラスの子に霊関係の相談してたら軽く不思議ちゃん扱いされるようになってしまったけれど、私はちょっと想像力が豊かなだけの常識人なんです！
信じて！

私は彼女をモナちゃんと呼んでいる。
私と同じ学園の中等部三年生にして、退魔絵師とやらを家業にしているグスタート家のご令嬢。
外国籍っぽい名前だけど、彼女自身は生まれも育ちも日本なんだって。
最初は暗い子かと思ったけど、優しいし絵は上手いしとても良い子なので、もっと自信を持ってほしい。

大昔の中国で大切に飼われてた家猫が百年生きて猫又となり飼い主の一族に幸福と繁栄をもたらしたんだけど強すぎる力を恐れた人々によって木の板に封印されてしまいその木の板が流れ流れて私の部屋の一部として使われしかもなんという偶然か私はその猫又の飼い主一族の血を引いていてーー
みたいな裏設定は一切ない、ただの低級霊。らしい。