Ep.4 悪童ルーイ様の作戦(脚本)
〇荒廃した街
男性「はぁはぁ」
男性「なんだよ・・・あれ」
???「おには〜そと〜 ふくは〜うち〜」
男性「うっ」
ルーイ「おには〜そと〜」
男性「来んなぁ!」
ルーイ「来んなだぁ? 俺に命令すんなコワッパが」
男性「くそ・・・」
化け物「きゅいーん」
男性「おい!こいつを殺せ!」
化け物「きゅいーん!」
化け物「きゅいーん!」
ルーイ「効かねーよザコ」
ルーイ「全く・・・ 化け物使いは単純なやつしかいねーのか?」
化け物「きゅ」
男性「くそ・・・」
ルーイ「バカの一つ覚えみてーに何度も同じ攻撃ばっかしやがって」
ルーイ「お前はこのループの中で何も学習しなかったのかぁ?」
男性「何だよ・・・お前のそれ・・・」
ルーイ「「それ」じゃわかんねーよ 口が聞けるならもっとはっきり喋れタコ」
男性「その・・・技みたいなの」
ルーイ「「みたい」じゃねーよ技だよ」
ルーイ「俺様の編み出した必殺技 『エアジェットスライド』だ」
男性「ゔっ」
ルーイ「まあ嘘だけど・・・」
ルーイ「ただのアイテムなんだけど・・・」
男性「・・・」
ルーイ「何がエアジェットスライドだよ 恥ずかしいこと言わせんなボケがぁ!」
ルーイ「はぁ〜イライラするぜ バカを相手にするとよぉ」
ルーイ「まあ・・・」
ルーイ「そんなバカにも利用価値はあるんだけどな」
〇神社の石段
「・・・」
ルーイ「よぉ」
ルーイ「俺が言ったやつ集めたか?」
中年男性「いえ、探しましたが一つも・・・」
ルーイ「使えねーな」
見すぼらしい男性「わしは一つ・・・見つけたぞ・・・」
ルーイ「おっ!どんなのだ見せろ!」
【ストップ・クロック】
60秒間、対象を行動不能にする
対象:人間以外
使用可能回数:3回
ルーイ「いいじゃねえか!」
ルーイ「『対象:人間以外』は強力なアイテムが多いんだよな〜」
ルーイ「貰っとくぜ〜」
見すぼらしい男性「おい・・・」
見すぼらしい男性「わしらが・・・あの化け物に・・・ 襲われない理由・・・」
見すぼらしい男性「教えてくれるん・・・だろ・・・?」
中年男性「そうですね 何故私とこの方だけ狙われないのか気になります」
中年男性「そもそも何故私たちはこんな場所にいるのか 一体何が起こっているのか」
ルーイ「だー!いっぺんに訊くな!」
ルーイ「それにお前はアイテム見つけられなかったから教えねーよ!」
中年男性「う・・・」
ルーイ「なぁお前、記憶ないんだろ?」
見すぼらしい男性「何の・・・だ?」
ルーイ「俺に殺された記憶だよ」
見すぼらしい男性「わしが・・・殺された?」
ルーイ「そうだ お前は俺に一度殺されてる」
ルーイ「もう一人のおっさんも同じだ」
見すぼらしい男性「?」
見すぼらしい男性「わしは・・・死んどらんが」
ルーイ「自分が死んでることにすら気付けないなんてお前らの脳みそは文字通り腐ってるんだろうな」
ルーイ「なぁゾンビ野郎 お前らゾンビにはゾンビらしい役目があるんだわ」
見すぼらしい男性「・・・」
ルーイ「記憶がぶっ壊れてても「敵を殲滅せよ」ってアナウンスくらいは覚えてるよな」
見すぼらしい男性「あぁ・・・」
ルーイ「お前らは化け物に襲われない」
ルーイ「それはお前らが化け物の仲間だからだ」
見すぼらしい男性「!」
中年男性「それは本当ですか?」
ルーイ「盗み聞きしてんじゃねーよ」
ルーイ「まあいいや お前らは化け物の仲間」
ルーイ「つまりお前らは人類の敵だ」
見すぼらしい男性「わしも・・・人間・・・」
ルーイ「ゾンビだよてめーらは」
ルーイ「はっはっはっは! ゾンビが一丁前に勘繰るんじゃねえぞ!」
ルーイ「ゾンビらしくあうーあうー言いながら思考停止してろ」
中年男性「ひどい言い草ですね」
ルーイ「あぁ?当然だろ? てめーらは人殺しなんだからよぉ」
中年男性「人殺・・・」
ルーイ「覚えてねーだろうがお前らはこれまで何人も人を殺してる」
ルーイ「その証拠にお前、化け物呼んでみろ」
中年男性「えぇ?」
ルーイ「頭の中で念じてみろ」
ルーイ「例えば・・・「そこのいけすかないイキリ野郎を殺せ!」とか」
中年男性「・・・」
きゅいーーーーん
見すぼらしい男性「!」
化け物「きゅいーん」
ルーイ「はっはっは」
中年男性「・・・」
ルーイ「んじゃー次は「自分以外皆殺しにしろ」って命令してみ」
中年男性「えぇっ!」
ルーイ「お前らは人類の敵だって言ったよな このままだとお前が殺されるぞ」
中年男性「・・・分かりました」
中年男性「・・・」
化け物「きゅいーん!」
見すぼらしい男性「なん・・・で・・・」
ルーイ「はっはっは!」
中年男性「えっ」
ルーイ「ご主人様の命令は絶対だもんなぁ」
ルーイ「おい!お前は殺人鬼なんだよ」
ルーイ「その力で何人も人を殺してる」
中年男性「・・・」
ルーイ「でも仕方がなかったんだよなぁ お前は悪くない」
ルーイ「だってお前は襲い来る魔の手から自分の身を守ったに過ぎないんだから」
中年男性「・・・」
ルーイ「「敵を殲滅せよ」ってのはな、何も人間にだけ与えられた使命じゃねえ」
ルーイ「お前がお前以外の全てを殲滅するんだよ」
中年男性「私が・・・私以外を・・・」
中年男性「そこにはあなたも含まれるのでしょうか」
ルーイ「勿論! だがここはいっちょ共闘といこうぜ」
ルーイ「てか俺はお前なんかに殺されねーから、俺を殺したかったらもっとその力を使いこなすんだな」
ルーイ「例えば・・・ 化け物を呼べるだけ呼び出してみるとか」
中年男性「・・・」
中年男性「やってみます・・・」
〇神社の石段
「きゅいーん」
ルーイ「はっはっは! いいねえ!」
ルーイ「俺も暇じゃないんでね 一から十までレクチャーするつもりはねぇ」
ルーイ「ただ一つ教えといてやるよ」
ルーイ「お前と同じことをしてるやつがいたら真っ先に殺した方がいい」
ルーイ「何故ならそいつはお前にとって脅威だからだ」
中年男性「・・・?」
ルーイ「野生の化け物はお前を襲わない でもそれが・・・誰かの操るものなら」
ルーイ「後は分かるよな?」
・・・
中年男性「襲われる・・・」
ルーイ「そうだ こいつみたいになりたくなかったら、やられる前にやれ」
中年男性「やられる前にやる・・・」
ルーイ「そうだ」
中年男性「やられる前に・・・やる」
ルーイ「そのとお〜〜り!」
中年男性「分かりました」
ルーイ「自分だけは安全なんて考えは捨てることだな」
ルーイ「俺が教えなかったら今頃お前は化け物に襲われて死んでるよ」
中年男性「ありがとうございます・・・」
ルーイ「んじゃ!達者でな! 俺は他にもやることがあるんだわ!」
中年男性「・・・」
〇荒廃した街
ルーイ「死んでもなお、生にしがみつくなんて人間の本能とは怖いねぇまったく」
ルーイ「ゾンビはゾンビらしく、手当たり次第に人を襲って仲間を増やせばいいのさ」
ルーイ「・・・さぁて 別のゾンビのとこにでも顔出すか」
ミッション「敵を殲滅せよ」
現在11周目
生存者303名
なるほど…化物側は同じ化物側の人が脅威になったりするのか…でもきっと人間側でも同様だから…
敵も敵だし味方も敵、自分以外は全員敵なまさにデスゲームですね!
ルーイ様が何考えてるのかわからなくて興味を引かれますねぇ😆