第七話 女子高生VSパチモン・リー(脚本)
〇国立競技場
〇劇場の座席
リングアナ「それではこれより、一回戦第1試合をはじめます!」
「ウオーーッッ!!!!」
ドドンドドン! ドドンドドン!
ドドンドドン! ドドンドトン!
館内を震わす、激しい律動が響きわたりはじめる。
リングアナ「玄武から、ジークンドー、ブルース・カトー選手の入場です!」
〇闘技場
〈玄武〉の看板が出ている入場口から、ブルース・カトーが登場する。
カトーはその名の通り、ブルース・リーを大幅にしょぼくしたパチモンのような外見だ。
〇劇場の座席
リングアナ「続いて朱雀の入場口から、なんと現役女子高生──」
リングアナ「少林寺拳法、夏目ボタン選手の入場です!」
〇闘技場
〈朱雀〉の看板が出ている入場口から、ボタンが元気いっぱいに駆け出してくる。
夏目ボタン「ヤッホー!」
〇劇場の座席
青馬文彦「え? ゲームセンターの!? 選手!? 女子高生!?」
リングアナ「第一試合から、男女対戦という波乱の幕開けです!」
リングアナ「両選手の体重差は20キロ以上! もちろんハンデなどはいっさいありません!」
〇闘技場
闘技場の中央では、ボタンとカトーが対峙している。
ブルース・カトー「おお、アチャ~! おぉ・・・」
カトーは振りつきで、ブルース・リーの下手なモノマネを披露する。
〇劇場の座席
青馬文彦「似てね~」
「ブーーーッ!!」
〇闘技場
ミスター小林「両者とも、全力で闘うように」
入場の演奏に使われた和太鼓が、そのまま試合開始を告げるゴングとして打ち鳴らされる。
リングアナ「注目のカード、いよいよはじまりました!」
カトーがいきなり攻めかかる。
ブルース・カトー「アチョ! アチャ!」
(怪鳥音付きの)キック主体の連続技。女子高生相手にまったく容赦がない。
だが格闘技の実力は本格的なようだ。
一方、ボタンも怯むことなく、まっこう少林寺拳法の技術で応戦している。
〇劇場の座席
リングアナ「それはともかく不思議なことに、どんなに激しく動いても、夏目選手のスカートの中身が露出してしまうことがありません!」
リングアナ「夏目選手、打撃技以上にすごい技術です!」
「オ~~~!!」
〇闘技場
そうこうしているうちに、ボタンは徐々に防戦一方になってくる。
やはりパワー差はいかんともしがたいのだ。
だが劣勢が続きながらも、ボタンは粘り強く闘う。
そのうちカトーのほうが、攻め疲れて動きが鈍くなってくる。
ボタンのハイキックが、カトーの側頭部にきれいに入る。
ブルース・カトー「ワチャー!」
一瞬足元がグラつきながらも、カトーはめげずに横蹴りを放つ。
だがボタンはその足首をキャッチし、
向こう脛にエルボーを落とす。
ブルース・カトー「グハッ!!!!」
カトーは地面を転げ回って見苦しく悶える。
ブルース・カトー「イテテテッ!!!!」
ミスター小林「やれるか!?」
審判に対し、カトーはブンブンと首を横に振っている。
カン!カン!カン!カン!カーン!!
試合終了を告げるゴングが打ち鳴らされる。
〇劇場の座席
リングアナ「カトー選手、ギブアップ! 夏目選手の逆転勝利です!」
リングアナ「可愛いのにめっぽう強い! すごい女子高生の出現だ!」
夏目ボタン「ありがとう!」
青馬文彦「やるな! たいしたもんだ」
青馬文彦「そうだ、次はおれだった!」
リングアナ「さて、続く第二試合は、青馬文彦選手対半蔵選手の一戦です」
〇黒
つづく
次回予告
第八話 破邪神拳VS伊賀忍者
乞うご期待!!
ついに試合が始まりましたね。ボタンちゃんが可愛かったです。