ありきたりな言葉ではございますが

咲宮夏音

ありきたりな言葉ではございますが(脚本)

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〇センター街
彰(アキラ)「おまたせっ!」
彰(アキラ)「相変わらず来るの早いな」
彰(アキラ)「そんなに楽しみだったのかー?」
  ──────
彰(アキラ)「そんなに楽しみだったのか・・・」
彰(アキラ)「でも、それならよかったよ」
彰(アキラ)「俺も楽しみにしてたからさ」
彰(アキラ)「それじゃ、いこっか」
  ──────

〇アパレルショップ
  ──────
彰(アキラ)「んー・・・・・・」
彰(アキラ)「・・・・・・ん?」
彰(アキラ)「なんか、やけに静かだと思ったら・・・ なにしてんの?」
彰(アキラ)「・・・・・・見てただけ?」
彰(アキラ)「どれにしようか悩む俺を・・・?」
彰(アキラ)「それ楽しいのか・・・?」
彰(アキラ)「せっかくのデートなんだし、俺の事ばっか見てないで一緒に悩もうぜー?」
彰(アキラ)「てわけでこれ、どう?」
彰(アキラ)「あまり派手じゃないのを選んだつもりだけど・・・」
彰(アキラ)「これなら色んな服に合わせやすいだろうし、お揃いにもできるし・・・」
彰(アキラ)「どう?」
彰(アキラ)「・・・・・・」
彰(アキラ)「じゃあ決まりだな」
彰(アキラ)「じゃあ買ってくるから、ちょっとまってて!」
  ──────
彰(アキラ)「買ってきた!」
彰(アキラ)「・・・・・・ん?」
彰(アキラ)「服?」
彰(アキラ)「・・・・・・」
彰(アキラ)「おっけ、試着したらいいんだな!」
  ────
彰(アキラ)「ほい、どうよ?」
彰(アキラ)「似合ってる? だろー?」
彰(アキラ)「結構涼しいし、夏にぴったりかも」
彰(アキラ)「買っちゃおうかなー」
彰(アキラ)「そうだ!せっかくだし、俺も服選んでやるよ」
彰(アキラ)「いいからいいから、絶対似合うの選んであげるって」
彰(アキラ)「よっしゃ!サクッとこれも買ってくるわ!」
  ──────

〇試着室
  ──────
彰(アキラ)「・・・・・・っと」
彰(アキラ)「おっ・・・・・・おぉ・・・・・・」
彰(アキラ)「あぁ、悪い」
彰(アキラ)「想像以上に可愛くて驚いちゃった」
彰(アキラ)「ははっ、照れんなよー」
彰(アキラ)「俺がコーディネートしたんだから、似合うに決まってんじゃん?」
彰(アキラ)「今年の夏はさっき買ったアクセと合わせてお揃いコーデだな!」
彰(アキラ)「ん?どしたー?」
彰(アキラ)「もしかして、嫌だった?」
彰(アキラ)「たしかに、そういうの普段着てないもんなー・・・」
彰(アキラ)「え・・・・・・?」
彰(アキラ)「慣れてないからちょっと恥ずかしかっただけ・・・?」
彰(アキラ)「・・・・・・」
彰(アキラ)「なるほどね・・・」
彰(アキラ)「嫌じゃないならよかった」
彰(アキラ)「気に入ってもらえそう?」
彰(アキラ)「よし!じゃあそれも買いだな!」
  ──────

〇センター街
  ──────
彰(アキラ)「いやーいっぱい買っちゃったな!」
彰(アキラ)「あ、荷物持つよ」
彰(アキラ)「いいってこれくらい」
彰(アキラ)「よし、それじゃあ・・・」
彰(アキラ)「朝から結構歩いたし、そろそろ休憩でもどう?」
彰(アキラ)「っていうか、実はもう予約してるお店があるんだけど・・・」
彰(アキラ)「勝手に連れまわす感じになっちゃうけど、ランチはその店でいいかな?」
彰(アキラ)「・・・・・・」
彰(アキラ)「そう言うと思ってた」
彰(アキラ)「じゃ、いこっか」
  ──────

〇シックなカフェ
  ──────
彰(アキラ)「どう?」
彰(アキラ)「美味いだろ?」
彰(アキラ)「結構人気店らしくてさー、先週から予約したんだよ」
彰(アキラ)「それでさ、ご飯だけじゃなくてデザートも美味いらしいんだけど・・・」
彰(アキラ)「食えそう?」
彰(アキラ)「なんて聞くまでもないか」
彰(アキラ)「甘いものは別腹。だろ?」
彰(アキラ)「つーわけで、これメニューね」
彰(アキラ)「ん、俺?」
彰(アキラ)「俺はー・・・」
彰(アキラ)「・・・・・・」
彰(アキラ)「・・・・・・」
彰(アキラ)「これかな!」
彰(アキラ)「甘さ控えめっぽそうだし」
彰(アキラ)「そっちは決まった?」
彰(アキラ)「・・・・・・」
彰(アキラ)「ん、おっけ」
彰(アキラ)「すいませーん」
  ──────
彰(アキラ)「・・・そういえばさ」
彰(アキラ)「この後、一緒に行きたいとこあるんだけど」
彰(アキラ)「いいかな?」
彰(アキラ)「って、散々連れまわしておいてなんだけどさ」
彰(アキラ)「・・・・・・」
彰(アキラ)「じゃあ決まり!ありがと!」
彰(アキラ)「あぁ、大丈夫。そんなに急ぎじゃないから」
彰(アキラ)「今はゆっくりデザート食べようぜ」
  ──────

〇センター街
  ──────

〇渋谷駅前
  ──────

〇公園通り
  ──────
彰(アキラ)「やっと着いたな」
彰(アキラ)「ここです」
彰(アキラ)「ん?ここ?」
彰(アキラ)「宝石店」
彰(アキラ)「ちょっと、急かもしれないけどさ」
彰(アキラ)「俺たち、付き合い始めてもう三年だし・・・」
彰(アキラ)「なんだかんだ、同棲もしてるし、お互い安定した職にも就いてるだろ?」
彰(アキラ)「そろそろ、いいんじゃないかなーって」
彰(アキラ)「まあその、なんだ・・・」
彰(アキラ)「急に今日中に!なんてのは無理だけど」
彰(アキラ)「一緒に指輪を選ぶくらいはいいかなって思ってさ」
彰(アキラ)「だからさ・・・その・・・」
彰(アキラ)「こんな形でちょっとずるいかもしれないけど」
彰(アキラ)「俺と・・・」
彰(アキラ)「結婚しませんか?」
  おしまい

コメント

  • 飾った言葉ではなくて、等身大の言葉で思いを伝える彼の姿にキュンときました!さりげなさって良いですよね!素敵な物語、ありがとうございました!

  • 彰君が理想の彼氏度高すぎて、夢中になってタップしてました!いいなぁ...

  • ドラマチックなプロポーズも良いけれど、こういうさりげない場面でプロポーズ出来るくらい仲良しな2人なんですね。いつものデートが特別な思い出になるって素敵だと思います。

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