異世界エイナール・ストーリー 少年コウルと少女エイリーンの旅記

七霧孝平

第2話 魔力の巡り(脚本)

異世界エイナール・ストーリー 少年コウルと少女エイリーンの旅記

七霧孝平

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〇荒野
  荒野の街を出た3人。
  コウルはそこで最初の試練に直面する。
ジン「はあっ!」
オーク「ぐぎゃっ!」
  剣の一閃でモンスターを倒すジン。
  一方・・・
コウル「や、やっ!」
オーク「ぐがあっ!」
コウル「う、うわっ」
ジン「はあっ!」
オーク「ぎゃっ!?」
コウル「す、すみません」
ジン「いや、気にすることはない。 いきなり 戦わせるのは酷だったね」
  ジンは回りの安全を確認すると、
  コウルに剣を構えてみるように言った。
コウル「こうですか?」
ジン「うん、構えはさまになっている。 が・・・」
  コウルの手はプルプル震えている。
ジン「剣、重いかい?」
コウル「ええ、少し・・・」
ジン「魔力の巡りを教えないといけなかったね」
コウル「え、魔力? 巡り?」
  ジンは頷くと精神を集中しはじめる。
  そして腕を前に突き出した。
コウル「これは・・・」
ジン「この世界では魔力をコントロールすることで 様々な力になる」
ジン「これは1番簡単な魔力弾 ・・・と私は呼んでいる」
コウル「魔力弾・・・」
  コウルは頭の中で様々な作品を浮かべる。
  エネルギーを飛ばすわかりやすい攻撃手段。
ジン「やってみよう。 精神を集中して、魔力が巡るイメージをするんだ」
  2人は目を閉じ、精神を集中する。
ジン「これはーー!」
コウル「ジンさん?」
ジン「ああ、コウルくん、エイリーンちゃん。 やめていいよ」
コウル「ふう・・・」
ジン「すごいな、2人とも」
コウル「そうなんですか?」
ジン「この世界では、 魔力の強さは能力の強さと言っても過言じゃない」
ジン「2人の今の魔力は私以上だよ」
  2人は顔を合わせ微笑む。
ジン(コウルくんも十分だが・・・)
ジン(エイリーンちゃんの魔力・・・。 底が知れなかった)
ジン(コウルくんの腕を治した力といい 彼女はいったい何者なんだ・・・?)
コウル「ジンさん・・・?」
ジン「ああ、何でもない。 続きを教えようか」
ジン「さて、これが1番コウルくんに重要かな」
ジン「先ほどのように魔力を集中したら、 全身に流れるようにイメージするんだ」
コウル「・・・」
コウル「す、すごい! 力が沸いてくるみたいです!」
ジン「うん。 もう1度剣を構えてごらん」
  コウルは剣を構えなおす。
  先ほどと同じ構え。
  しかし先ほどと違い腕の震えはない。
ジン「バッチリだ」
エイリーン「格好いいです。コウル様」
コウル「ありがとう」
コウル「・・・様?」
エイリーン「どうかしましたか?」
コウル「いや、様付けで呼ばれたことなんてないから・・・。 呼び捨てでいいよ」
エイリーン「コウル様にジン様。 助けてもらったのです。 そう呼ばせてください」
コウル「う、うん」
ジン「ああ」
ジン「彼女、高貴な者かもしれないな」
コウル「そうですね」
ジン「さて、魔力の練習はこれくらいかな。 慣れてくればもっといろいろ出来るが、 それは追々だろう」
  ジンはそう言うと歩き出す。
  2人はその後を追って歩くのだった。

〇荒野
  コウルたちは安全な場所を確保し、
  キャンプをすることになった。
コウル「ジンさんって何でもできますよね」
  食事をしながらコウルが呟く。
  安全地帯の確保。簡易寝床の作成。料理。
  全てジンが早々と済ませていた。
ジン「ははっ、 これくらいは慣れればきみにもできるさ」
コウル「そう・・・ですかね?」
  コウルは横を見る
  倒したモンスターをその場で捌く。
  慣れそうにないとコウルは感じた。

〇村の広場
コウル「これは──」
  3人はとある村に立ちよった。
  だがそこには大勢の人が倒れていた。
コウル「大丈夫ですか?」
  3人は村人たちに声をかける。
  幸い、皆すぐ目を覚ました。
ジン「どうしてこんなことに?」
村人「数日前のことです。 あなたたちと同じく旅の方が村を訪れました」
村人「その男は。『大事な話』があると 我々を広場に集めました」
村人「そしたら・・・ よくわからないのですが、 急に力が抜けていき、後の事は何も・・・」
コウル「力が抜けた・・・?」
ジン「魔力を急激に失うと、 力を失い朦朧とすることがある。 それかもしれないが・・・」
エイリーン「!」
  ジンの答えにエイリーンが反応する。
エイリーン「魔力・・・失う・・・奪う?」
エイリーン「何か・・・思い出しそうなのですが・・・」
ジン「魔力を奪う・・・か」
ジン「まさか、その男とはこの男ではないか?」
村人「は、はい。 服装は違いますが、この人物かと」
ジン「!」
  ジンが大きく反応する。
ジン「ありがとう。 すまないが急ぐので失礼する」
コウル「え、ジンさん。 今日はここに泊まるんじゃ・・・」
ジン「カズの手がかりを見つけたんだ。 まだ追いつける。それに──」
ジン(この村と同じく、 他の町も犠牲になるとも限らない)
  速足で向かうジンを
  コウルとエイリーンは必死で追った。

〇城下町
  とある町。
  噴水のある広場に町人たちが集合している。
  その噴水に立つのは──
ジン「カズ!」
カーズ「ジン・・・」
ジン「やっと見つけたぞ、カズ!」
  2人の視線がぶつかり合う。
  今、親友同士の戦いが始まる!

次のエピソード:第3話 激闘! ジン対カーズ!

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