ハッピーバレンタイン♡

れな287

バレンタインデー(脚本)

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〇テーブル席
  大学構内のカフェテリア
直人(なおと)(諸君は、今日が何の日かご存じだろうか)
直人(なおと)(2月14日)
直人(なおと)(そう。バレンタインデー)
直人(なおと)(バレンタインデー、それは愛を伝え合う日)
直人(なおと)(どうやら俺は守護聖人バレンタインのご加護を受けているらしい)
直人(なおと)(なぜって? 俺とアイツはこれからフリーだからだ!)
直人(なおと)(フリーと言っても独り身という意味じゃない。 フリータイム、ノー予定という意味だ)
直人(なおと)(本来ならば、木曜日の午後は、アイツはゼミ、俺はバイトがあるために、夜まで会えない)
直人(なおと)(夜も会えぬまま明日を迎えることも多々ある。それが木曜日の午後だ)
直人(なおと)(しかし。 思いが通じ合った恋人がいるならば! バイトは当然、休みを取った)
直人(なおと)(問題はアイツのゼミだが)
直人(なおと)(今朝、告知爛の張り紙を見て 俺は狂喜乱舞した)
直人(なおと)(心の中で)
直人(なおと)(文字どおり踊り狂った。 心の中で)
直人(なおと)(今日、アイツのゼミは休講だ)
直人(なおと)(ありがとう教授! このご恩は一生忘れません!)
直人(なおと)(おかげでアイツとゆっくり過ごせます!)
直人(なおと)(・・・ とは言ったものの)
直人(なおと)(特に約束はしてないんだよな・・・)
直人(なおと)(けど、アイツも俺と同じ気持ちのはず!)
修二(しゅうじ)「・・・おと。直人」
直人(なおと)「あ?」
修二(しゅうじ)「なんか落ちたぞ」
直人(なおと)「え? あっ!」
  直人、落ちているものを急いで拾い上げる。
直人(なおと)(くそ、バッグのファスナー開いてた)
直人(なおと)(中身、無事か? 欠けたり、してないよな?)
亮(りょう)「・・・」
拓也(たくや)「そういや、亮んとこ、休講なんだろ?」
亮(りょう)「ああ、なんか急な講演が、とか言ってたな」
拓也(たくや)「へぇ。羨ま。 俺、木曜は講義詰まってんだよな」
亮(りょう)「お疲れ」
拓也(たくや)「先週の修二のライブも行かれなくてさ」
亮(りょう)「俺もけっきょく行かれなくて、残念だった」
直人(なおと)(なに?!)
修二(しゅうじ)「亮のゼミが長引くのはいつものことだしな。 また今度誘うよ」
直人(なおと)「修二のライブ?!」
修二(しゅうじ)「どした、急に」
直人(なおと)「俺、それ知らない」
修二(しゅうじ)「ああ。声かけてないからな」
直人(なおと)「は?」
修二(しゅうじ)「直人は木曜は夜までバイトだろ。 予定あるって知ってるのに誘わねぇよ」
直人(なおと)「それでもいちおう声かけろ!」
修二(しゅうじ)「お、おう。 悪かった」
直人(なおと)「亮! 今度修二に誘われたら、俺も誘え」
亮(りょう)「ああ」
直人(なおと)「絶対だからな」
亮(りょう)「わかったわかった」
修二(しゅうじ)「なんでそんな必死なんだよ(笑)」
直人(なおと)「お、お前のライブが、観たいんだよ」
修二(しゅうじ)「俺のバンド活動、そんな興味なかっただろ」
直人(なおと)「興味あるよ、あるに決まってるじゃん。 修二のギター聴きたいよ」
修二(しゅうじ)「俺の担当、ベースだけどな(笑)」
直人(なおと)(亮一人でなんて、行かせられるか)
直人(なおと)(『修二、かっこいい♡』なんてなったら、どうすんだよ。 まったく、修二のやつ。 油断も隙も無い)
  構内チャイムが鳴る
拓也(たくや)「じゃ、俺、午後の講義行くわ」
修二(しゅうじ)「俺も部室、顔出さないと。じゃな」
直人(なおと)「行ってらー」
亮(りょう)「またな」
直人(なおと)「亮。これからさ」
直人(なおと)「ゼミ、休みだろ。 俺もバイト無いんだ」
亮(りょう)「・・・へぇ」
直人(なおと)「っと、なにその『へぇ』 どういう『へぇ』よ?」
亮(りょう)「いや。 ふふ」
直人(なおと)「なんだよ」
亮(りょう)「じゃあ、暇だな、俺たち」
直人(なおと)「そう! 暇だろ、俺たち! でさ、」
  女子Aがやってきて、亮に声を掛ける。
女子A「亮くん。ごめんね、突然。 ちょっと、いいかな?」
亮(りょう)「ああ、いいよ。なにか用?」
女子A「あ、えっと、その (チラチラと直人を見る)」
亮(りょう)「用事なら、ここで聞くよ」
直人(なおと)(・・・)
直人(なおと)「俺、飲み物買ってくるわ」
亮(りょう)「直人」
  直人、席を立ち、カフェテリアの外へ向かう。

〇大学の広場
  カフェテリアの外。
  大学構内。
直人(なおと)(・・・もう、話し終わったかな)
直人(なおと)(ここから中、覗けるけど・・・ 窓の外から凝視してたら、さすがにキモイ)
直人(なおと)(はぁ。我慢我慢)
直人(なおと)(亮には亮の付き合いがある)
直人(なおと)(あの彼女、構内で出会うと、亮と挨拶する子だよな)
直人(なおと)(やっぱ、告白、とかかな)
直人(なおと)(バレンタインだし)
直人(なおと)(ああいう可愛い女子に告白されたら、 亮だって、 普通に女の子のがいいって 気づいちゃうかもしれない)
直人(なおと)(はぁ)
直人(なおと)(・・・帰ろ)

〇川沿いの道
  大学の正門を出て少しのところ。
直人(なおと)(あー。いい天気だな)
直人(なおと)(青空、白い雲、気持ちのよい昼下がり~)
直人(なおと)(俺、何やってんだろ)
  亮、直人を小走りに追いかけてくる。
亮(りょう)「直人!」
直人(なおと)「・・・亮」
亮(りょう)「良かった、追いついた。 一人で帰るなんて、冷たいな」
直人(なおと)「暇だから散歩してただけ」
亮(りょう)「悪かった、待たせて」
直人(なおと)「うん」
亮(りょう)「・・・」
直人(なおと)「・・・」
亮(りょう)「訊かないの? 何話してたのかって」
直人(なおと)「何話してたの」
亮(りょう)「彼女、予備校同じクラスだった子でさ」
亮(りょう)「バンドとか好きって言ってたから、 先週の修二のライブのチケット、譲ったんだ」
亮(りょう)「そのお礼にって、チョコくれた」
直人(なおと)「チョコ・・・」
亮(りょう)「コンビニのな 大学の生協なら8がけで150円しないやつな」
直人(なおと)「でもチョコ・・・」
亮(りょう)「で。 『いつも一緒にいる友達、紹介してもらえないかな? カッコイイなってずっと気になってたの』って言うから」
亮(りょう)「『俺の彼氏? カッコイイでしょ。でもごめんね、紹介はできない』って言っといた」
直人(なおと)「・・・」
直人(なおと)「はぁ?」
直人(なおと)「亮の彼氏?」
亮(りょう)「お前のことだよ」
亮(りょう)「彼女、俺にお前を紹介しろって言ってきたの」
直人(なおと)「俺の彼氏・・・」
直人(なおと)「亮!」
直人(なおと)「良かった」
直人(なおと)「俺、あの子が亮に告白して 亮がやっぱり女の子がいいって思っちゃうんじゃないかって思って」
直人(なおと)「だったら俺、いないほうがいいかなって思って」
直人(なおと)「でも」
直人(なおと)「俺、亮の彼氏だって」
直人(なおと)「すっげー嬉しい」
直人(なおと)「嬉しいよ、亮」
亮(りょう)「・・・これからどうする? ウチ、来る?」
直人(なおと)「いや、うちに来い」
直人(なおと)「うちに来てください」
直人(なおと)「もてなすから! いろいろ考えてあるんだ」
直人(なおと)「恋人と過ごすバレンタインだからな」
直人(なおと)「まず初めはこれ」
  直人、亮の耳元へ顔を寄せ
直人(なおと)「ハッピーバレンタイン」
直人(なおと)「お前が、大好きだ」
直人(なおと)「さ、帰ろう」
直人(なおと)「二人っきりで、とびっきりのバレンタインデー、過ごそうぜ」

コメント

  • 亮に嫉妬している主人公や、最後亮が主人公に言葉をねだる部分などに、キュンとさせていただきました!とても可愛らしいカップルだと思います。素敵な作品ありがとうございます!

  • あ、、、れ、、、私、こっちの素質なかったと思ったのに、、キュンってしました!!!!!素敵な作品ですね!!!!!!(o^^o)ありがとうございました!!!!!!

  • 女子からたくさんチョコを貰う直人に亮は嫉妬してもおかしくないのに、「お前がもらったチョコだろ」と彼女たちの気持ちを汲んでくれている事実に、亮のかっこよさよ……となり、最後は照れて可愛さも持ち合わせているなんて……キュンですね❤
    可愛らしいお話でした、ありがとうございました😊✨

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