花見をしたかった~松永久秀&荒木村重 feat 明智光秀~

おば3は見ていた

花見をしたかった~松永久秀&荒木村重 feat 明智光秀~(脚本)

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〇桜並木
  村重は、若いイケメンを連れて、待ち合わせの10分前に桜並木に着いていた。
松永久秀「よお!久し振り!おっと、そっちの若く見せてんのは・・・」
光秀「ちょっとやめてくださいって。大きな声で!折角かっこつけてんのに(笑)ご無沙汰してます。光秀です」
荒木村重「光秀殿に先日の茶会の話を致しましたら、是非にと申されまして。本日、お連れいたしました」
松永久秀「おもしれ―じゃねえか。信長を討ちとった男と一緒に遊べるなんて」
光秀「久秀殿は先に逝かれてたんで、知らないとは思うんですが、実は、私も、信長の首はとってないんですよ(笑)」
光秀「おそらく、あれじゃあ、助からないだろうという事で。推定勝利?みたいな」
荒木村重「そこを秀吉めにうまく利用されて、今でいう情報操作をされてしまったという感じは否めませんな」
松永久秀「へえ~。まあ、昔の話だ。今日はよお、ここで茶をたてる訳にもいかねえしなあ・・・」
光秀「そこのスタバでコーヒーを買って飲みながら桜を見て歩きましょうか」
松永久秀「なんだあ?そのスタバってえのは?」
光秀「フッ、そこのバテレンの飲んでおる茶を商っている茶屋の名前ですよ」
荒木村重「さ、さすが!光秀殿は、現代の事にも通じておられるのでございますな」
光秀「いやいや、ただ、興味を持つと、ある程度までは知りたくなってしまう性分でして」
松永久秀「気に食わねえな」
荒木村重「久秀殿」
松永久秀「光秀、テメーのそういうキザったらしいところが、好かん!村重殿、こいつを調子に乗せるこたあねえ!」
光秀「私がキザですか?フッ、困ったなあ」
松永久秀「知識をひけらかして、上品ぶりやがって」
光秀「大勢の家臣がいる中で自分の長所をアピールしていくのは、当然の事ですよね。久秀殿も同じ事をされていたではありませんか」
光秀「私は、知性、品性、才覚」
松永久秀「俺は、勇猛、才覚、平蜘蛛茶釜。おい、村重殿、お主も言えよ!」
荒木村重「ふふふ・・・ミステリアス」
光秀「確かに得体が知れない」
  3人は兎に角スタバでコーヒーを買う事にした。

〇カフェのレジ
荒木村重「前におる者達の頼み方を先程から観察しておるのですが、一向に分かりません。どういたしましょう」
光秀「大きさはスモール、ホットコーヒーと言ってください。黒い液体が入った器がきますので、それを持って、私についてきてください」
荒木村重「かたじけない。光秀殿もコーヒーとやらを頼むのですか?」
  光秀は、ニヤリと笑った。そして、光秀の番になった。
光秀「さくらストロベリー白玉フラペチーノ。トッピングでチョコレートチップを」
  後に並んでいた久秀と村重は内心大慌てだ。なんじゃあそりゃ?久秀の番になる。
松永久秀「ああ、俺ね。前の奴と同じものを」
  光秀が、肩越しに久秀をにらんでいる。次は村重だ
荒木村重「スモールのホットコーヒーを所望じゃ」

〇桜並木
  桜並木を歩く3人
松永久秀「きれいだなあ。俺らの時代は戦ばかりで、花見の宴を開いても、刺客が潜んでいるかもしれないから気が抜けなかったし」
荒木村重「そうですね。心から美しいと思って見ていたかと問われれば、そうではなかったかと」
光秀「恐れ入りました。真の数寄者とは、あなた達のような方をいうのですね。私は型ばかり追いかけていたようです」
  光秀の足元に1匹の子猫がよじ登ろうとしている。
荒木村重「迷い猫でしょうか?」
松永久秀「あそこに、それっぽい段ボールが置いてあるぜ」
  3人で段ボールを覗くと、少しのエサと水が置いてあり、誰か拾ってくださいとメモがあった。
光秀「なかなか見目好い猫だな。フフ、姫、今宵のとぎを申し付ける。私の寝屋に参れ」
  光秀は、猫を大事そうに懐にしまうと、また3人で桜並木を歩き出した。
松永久秀「くっそー、光秀、今のはかっこよかったぜ」
光秀「そうですか?私は元々かっこいいんですよ(笑)世間が誤解しているだけなんです」
荒木村重「確かにそういう部分はありますよね」
光秀「なあ、姫。俺は、損な役回りなんだよ」
  光秀が懐の猫を撫でてやると、猫はうっとりとした顔をしてゴロゴロとのどを鳴らす。
松永久秀「く~!か~わいいなあ。俺にもちょっと撫でさせてくれよ」
光秀「ダメです。汚い手で触らないで下さい」
  3人の花見は楽し気に続く
  
  おわり

コメント

  • 元戦国武将の口から、スタバなどのワードが出てくることが非常にシュールで、とても面白かったです。今の世において、気ままに平和に過ごしてほしいなと思える作品でした。素敵な物語ありがとうございました!


  • 乱世の戦国時代に花見が出来なかった3人だが、現世ではスタバで黒い飲み物を注文したり、捨て猫の子猫を可愛がったりしているのが微笑ましい。

  • 確かに戦国時代、桜を愛でる機会は少なかったかもしれないですね。そう考えると、花見を楽しめるこの時代はいいですね。スタバの注文、慣れないと私も彼らの様にじたばたしてしまうのでわかります。春のうららかさが伝わり、心地の良い読書でした。

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