#07 フレンドリィ・アンイージィ(脚本)
〇洋館の一室
佐倉真桜「お嬢様──」
北園夜留「聞きたくない・・・!」
夜留の寝室の扉の前で、真桜がうなだれている。
佐倉真桜「どうか、どうかドアを開けてください」
北園夜留「あっち、行って」
佐倉真桜「・・・・・・」
北園夜留「真桜、嫌い」
佐倉真桜「そ、そんな・・・」
佐倉真桜「・・・せめて、お側に置いてください」
北園夜留「・・・・・・」
佐倉真桜「お願いです。お嬢様」
寝室の扉がゆっくりと開き、夜留が顔だけを出して、真桜を睨みつけている。
佐倉真桜「入ってもよろしいでしょうか・・・」
北園夜留「・・・・・・」
佐倉真桜「失礼いたします・・・」
北園夜留「もう、寝る」
佐倉真桜「・・・おやすみなさい。お嬢様」
佐倉真桜(私が疑心暗鬼になっているだけなのでしょうか・・・)
佐倉真桜(いやしかし、お嬢様に近付くあらゆる人間を疑うべきでしょう)
佐倉真桜(たとえ嫌われようとも、お嬢様だけは守らなくては・・・)
〇黒
真桜はベッドの端に座り、夜留の寝息が聞こえ始めるまで、静かに彼女を見つめていた。
〇お嬢様学校
翌日。
佐倉真桜「お嬢様、今日の予定を確認いたします」
北園夜留「夜留、もう知ってる」
佐倉真桜「失礼しました」
北園夜留「・・・・・・」
佐倉真桜「あの・・・お嬢様、説明をさせてください」
北園夜留「どうせ真桜、友達作るなって言う」
佐倉真桜「理由があるのです」
北園夜留「なに?」
佐倉真桜「詳しくは言えないのですが──」
北園夜留「もういい・・・!」
佐倉真桜「お、お待ちください!」
北園夜留「・・・夜留の、友達なの・・・初めてできた友達なの」
佐倉真桜「はい・・・」
北園夜留「それを壊すほどの、理由?」
佐倉真桜「はい、残念ながら・・・」
北園夜留「・・・お姉ちゃんがいなくなってから、真 桜、なんか変」
佐倉真桜「・・・・・・」
北園夜留「疲れてる?」
佐倉真桜「いいえ」
北園夜留「また寝てない?」
佐倉真桜「必要十分、睡眠は取っています」
佐倉真桜「私は、お嬢様を守りたいだけなのです」
北園夜留「守りたい・・・? 小春さん、悪い人?」
佐倉真桜「それは──」
椎名小春「夜留ちゃん?」
北園夜留「あ・・・小春さん」
椎名小春「わあ、おはよう! 昨日はごめんね、急に声かけちゃって」
北園夜留「う、あ。大丈夫、夜留、嬉しかったから」
佐倉真桜「・・・・・・」
ジョゼット「・・・・・・」
椎名小春「あ、そっちの人は夜留ちゃんのメイドさん? よろしくね!」
椎名小春「私は小春、こっちはメイドのジョゼット!」
佐倉真桜「何のおつもりでしょうか」
椎名小春「え?」
北園夜留「真桜・・・?」
佐倉真桜「いえ・・・お嬢様、急ぎましょう。 もうそろそろテストの時間です」
北園夜留「離して・・・!」
手を引こうとした真桜の腕を夜留が振り払った。
佐倉真桜「お、お嬢様?」
北園夜留「ご、ごめん。小春さん」
椎名小春「あ、ううん・・・私は大丈夫だけど」
北園夜留「もう、行こう」
椎名小春「いいの? あのメイドさん」
北園夜留「いい!」
小春が戸惑いながら、スタスタと歩いていく夜留の後に続いて行った。
佐倉真桜「・・・・・・」
ジョゼット「何をそんなに怯えているんです?」
佐倉真桜「ついていかなくてよいのですか?」
ジョゼット「次はテストです。さあ、小春様への無礼の理由を聞かせてもらえますか」
佐倉真桜「・・・このタイミングで私たちに近づくというのは、何らかの意図があってのことですね?」
ジョゼット「意図?」
佐倉真桜「とぼけないでください。貴女の主人は能天気な考え無しではないのでしょう?」
ジョゼット「つまりあなたは、被害妄想の激しい狂った従者というわけですか」
佐倉真桜「私のことなどは、どうでもいいのです」
佐倉真桜「お嬢様に一歩でも近づいたら殺します。 私が言いたいのはそれだけです」
〇大教室
椎名小春「真桜さん、もしかしなくても怖い人?」
北園夜留「あう・・・そんなことない、けど、最近疲れてる・・・みたい」
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もうガクブルスリルしかないですね。(おい、語彙力どうした!)読んでて凄く楽しいです!続きも楽しみ!
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル