君だけの魔法使い

スルメイカ

読切(脚本)

君だけの魔法使い

スルメイカ

今すぐ読む

君だけの魔法使い
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇男の子の一人部屋
  僕の名前は久保田祐希。
  専門大学を卒業して、今はデザイナーとして働いている。
  俺には幼なじみの彼女がいる。
  デザイナーになろうと思ったのも彼女がきっかけだ。

〇住宅街の公園
女子A「ねぇねぇ、今週のマジカルちゃん見た??」
女子B「見た見た!!今回もすっごく可愛い衣装だったし、友達との仲直りのシーンも良かったよね!」
貴女「・・・・・・」
  俺の幼なじみの家は厳しく、アニメや漫画はもちろん好きなものを自由に選ぶことすら制限されていた。
  例えば一緒に遊ぶ友達や、持ち物、髪型、それから洋服。
  彼女にはもっと似合うものがあるだろうと俺は昔から考えていた。
  そして俺は決めた。将来、デザイナーになって彼女に世界一似合う服を着させてあげようと。

〇男の子の一人部屋
  最初こそ、親には反対された。
  そんなのひと握りの仕事だとか、デザイナーになれたところで食べていけないとか。
  それでも俺の意思は揺らがなかった。
  あの子のためならどんな苦痛だって耐えられる気がしたから。
貴女「祐希くん」
  彼女とは数年前に付き合い始めた。
  俺が猛アプローチしたら彼女も同じ気持ちだ、と笑って受け入れてくれた。
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「来てくれてありがと、ごめんね?突然呼び出しちゃって」
貴女「大丈夫だよ。それよりお話って?」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「うん、今から話すね」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「俺ね、実はデザイナーになったら叶えたい目標があるんだ」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「あぁ、そんな身構えなくて大丈夫だよ!」
  俺がそう言うと彼女は安心したようでほっと一息付いた。
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「昔からさ、デザイナーになったら沢山の人を俺の作品で笑顔にしたいとか、その人に似合う最高の服を考えたいって思ってたんだ」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「そのきっかけをくれたのがお前。 昔からあぁ、こんな服着たらきっと可愛いんだろうなぁとか考えてた」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「俺が考えた服を沢山着させて、可愛くさせたいって思ってた」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「でもあくまでそれは通過点。もう1つ、大きな目標があるんだ」
  俺がそう言うと彼女は首を傾げてどんな内容が聞いてくる。
  俺は深呼吸をする。
久保田 祐希(くぼた ゆうき)(大丈夫、大丈夫・・・・・・落ち着け)
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「俺さ、ウエディングドレスをデザインするのが目標なんだよね」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「や、やっぱりそういう反応だよね!ごめんね突然」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「ウエディングドレスデザイナーなんて聞けば、女の人が多いのイメージするよね。俺も最初はそうだったもん」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「けどさ、調べてみたら男の人のウエディングドレスデザイナーなんかもいてね。それで俺もって思ったんだ」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「ウエディングドレスのデザインなんて重要な役目、俺に果たせるかなって色々考えてたんだけどさ」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「お前、いっつも俺のデザインした服を嬉しそうに着てくれて・・・感想まで言ってくれてさ。本当に嬉しいんだ」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「だから、お前に魔法をかけさせる権利をくれない?」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「あぁ、だめだめ。回りくどい言い方はお前に伝わらないもんなぁ」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)(ほんと、それで何年片想いこじらせたことやら・・・)
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「俺にさ、お前の着るウエディングドレスをデザインさせてくれないかな?」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「世界一、お前が綺麗だってみんなに分かるようなそんなドレスをデザインするから」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「もちろん、その時隣を歩くのは俺だよ」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「プロボーズは・・・もうちょっと後でもいい?まだ収入も安定じゃないし。だけどドレスのデザイン権利は先に予約しとく。いい?」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「って、泣いてる!?はい、ハンカチ」
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「泣くのは、本番に取っておいてね。お姫様」

〇個人の仕事部屋
  俺は今日も机に向かって鉛筆を走らせる。
  もちろんデザイナーなため、彼女のためだけに洋服を作る訳では無い。
  たまに、どうしても気が乗らない時だってある。
  だけど、そんな時は彼女との未来図を思い浮かべる。

〇ウェディングドレスショップ
  俺がデザインしたドレスを身に纏い微笑む彼女、そんな姿を想像しただけで仕事中なのにニヤけが止まらなくなる。

〇個人の仕事部屋
久保田 祐希(くぼた ゆうき)「さて、今日も頑張るか」

コメント

  • 自分のデザインしたドレスを着てもらえるように頑張る彼の姿にきゅんときました!!魔法を~という台詞が一番好きです。素敵な物語ありがとうございました!

  • 彼女の為に頑張る彼、いいですね❤
    一人の為に夢を持ち、叶えるなんて彼女が羨ましすぎます!
    二人がいつか素敵な結婚式を挙げられますように😊

  • 思いで夢を叶えようとしてる姿が美しいです。
    ウェディングドレスをデザインして着せたなら、隣は自分がいいですよね。
    そんな彼と一緒なら素敵な人生をおくれそうです。

コメントをもっと見る(5件)

成分キーワード

ページTOPへ