〇学校の屋上
九郎（くろう）「最後のゲーム・・・？」
深白（みしろ）「そうだよ」
深白（みしろ）「このゲームに勝てたら、クロくんが知りたかった秘密を教えてあげる」
九郎（くろう）「深白を殺せる方法？」
深白（みしろ）「ししし、そうだよー」
九郎（くろう）「・・・・・・」
深白（みしろ）「あ、疑ってるなー？ ほんとだよ？」
《燕》（スワロー）「神娘（かみむす）め、いったいどういうつもりじゃ？」
《燕》（スワロー）「そもそもゲームを仕掛けていたこと自体、どういうつもりなのかわかっとらんかったわけじゃが・・・」
《燕》（スワロー）「最後じゃと？」
《燕》（スワロー）「殺せる方法を教える？」
《燕》（スワロー）「てっきり神ゆえの退屈しのぎ──娯楽に飢えての行動と思い込んでおったが、違ったようじゃな。飽きたのか？」
《燕》（スワロー）「むー。わからぬ！」
《燕》（スワロー）「《鴉》（クロウ）よ。ヌシはどう思う？」
《燕》（スワロー）「・・・《鴉》？」
九郎（くろう）（あ、うん。なにかな。《燕》（スワロー））
《燕》（スワロー）「ヌシ・・・いや、なんでもない」
深白（みしろ）「それでクロくん、受けてくれるかな？」
九郎（くろう）「もちろん」
九郎（くろう）「僕の任務はキミを殺すことだからね」
深白（みしろ）「ししし！ じゃあ決まり！」
深白（みしろ）「ゲームの内容は──」
深白（みしろ）「《恋の証明ゲーム》！」
九郎（くろう）「池の？」
深白（みしろ）「魚の鯉（こい）じゃないよ!?」
深白（みしろ）「ええぇ、この局面でそんなベタなボケをされるとは思わなかった」
九郎（くろう）「恋愛の『恋』ってこと？」
深白（みしろ）「その恋だよ、クロくん！」
深白（みしろ）「今から始めるゲームは、《恋の証明ゲーム》」
深白（みしろ）「相手が恋をしていると証明できたら勝ち！ されたら負け！」
九郎（くろう）「恋の証明なんて、どうやるの？」
深白（みしろ）「ここに質問が書かれたカードがあります」
九郎（くろう）「用意がいいね」
深白（みしろ）「神なので！」
深白（みしろ）「このカードをお互いに山札から引いていき、書かれた質問を相手にイエスかノーで答えさせていきます」
深白（みしろ）「得られた情報で相手を論破できると確信したら質問フェーズを終了して証明フェーズに入ることができます」
深白（みしろ）「そこで論破できれば勝ち。 逆にできなければ負けになります」
深白（みしろ）「ちなみにクロくんは嘘をつくとその子──チョーカーが反応してわかります」
深白（みしろ）「その代わりにクロくんはカードに書かれてない、オリジナルの質問も１度だけわたしにぶつけることができます」
深白（みしろ）「説明は以上になります」
深白（みしろ）「──なにか質問はあるかな？」
九郎（くろう）「深白が嘘をついたり、証明しても認めなかった場合は？」
深白（みしろ）「わたしがゲームで不正したことある？」
九郎（くろう）「・・・ないね」
深白（みしろ）「他に質問は？」
深白（みしろ）「うん。ないみたいだね」
深白（みしろ）「それじゃ始めよっか」
深白（みしろ）「《恋の証明ゲーム》！ ゲームスタート！」
深白（みしろ）「先行はクロくんからでいーよ」
九郎（くろう）「じゃあ、引くね」
　　ぺら
九郎（くろう）「『あなたは相手といっしょにいてドキドキしますか？』」
深白（みしろ）「イエス！」
深白（みしろ）「わたしのターン！」
　　ぺら
深白（みしろ）「『あなたは相手のことを１日６時間は考えていますか？』」
九郎（くろう）「イエス」
九郎（くろう）「僕の番だね」
　　ぺら
九郎（くろう）「『あなたは相手のことを気がつくと目で追っていますか？』」
深白（みしろ）「イエス！」
深白（みしろ）「わたしのターン！」
　　ぺら
深白（みしろ）「『あなたは相手のことを──え、えっちな目で見たことがありますか？』」
九郎（くろう）「ノー」
深白（みしろ）「えっ」
九郎（くろう）「僕の番だね」
　　ぺら
九郎（くろう）「ん？ これ同じ意味の質問かな？」
九郎（くろう）「『あなたは相手のことをスケベな目で見たことがありますか？』」
深白（みしろ）「い──イエス！」
深白（みしろ）「わ、わたしのターン！」
　　ぺら
深白（みしろ）「『あなたは相手のことを言いなりにしたいですか？』」
九郎（くろう）「・・・ノー」
九郎（くろう）「僕の番だね」
　　ぺら
九郎（くろう）「『あなたは相手といると楽しいですか？』」