エピソード1(脚本)
〇ファミリーレストランの店内
ドリンクバーを行ったり来たりする人達。もしも魔法でペンギンに変えられたら。ヨチヨチヨチヨチ、みんな可愛いんだろうな
〇ファミリーレストランの店内
最乗「ファミレスで、ドリンクバーとポテト。トータルすると、すごい時間だなぁ。どっかの国の言葉とか、覚えられるんじゃないかな~」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「いやいや、さすがにそこまでは。まぁでも、弦楽器とかは覚えられるかも。でも私、手が小さいからなぁ。いきなりドラムとか」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「ドラムかぁ・・・なんか忙しそうだね。朝の新宿駅みたい。すごく大勢の人がいるんだろうなぁ~。大丈夫?おじさんの群れとか?」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「何がかな? 私、さっぱりなんだけど。想像力がずれてるのかな・・・ ねぇ、ツンデレとかできる?」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「ツンデレかぁ。ちょっと関係ないけど、スーパーの鮮魚コーナーで、ラップごしに守られてるタコ。軽くツンツンしちゃうかな」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「ツンデレじゃないわね。ツンツンはまだしも。ちなみにラップごしにツンツンしたタコは、プモプモですね」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「え、プモプモってなんか変だよ。ラップごしにツンツンしているのは、タコなんだから、それはデロデロじゃないかな」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「デロデロ?無理やりデレデレに寄せてない?なんか変に生々しいし。ツンデレからもだいぶ遠ざかったよね」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「でも、ギャップ萌えとかって聞くから。少し気持ち悪い感じが、タコが可愛く感じるというか、そんな自分も可愛というか」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「苦しいなぁ~。それに、あんまし鮮魚コーナーのもの、ツンツンしちゃだめなんだよ。お店の人とかオバサンとかに、怒られるよ」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「でも、ツンデレにはだいぶ近づいてきたよ。お店の人とかオバサンとか、ツンツンな話になってきてるし。あとはデレだね」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「デレと言えば、寺田がバンド始めるらしいよ。コピーバンドなんだとか」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「寺田とデレデレ・・・無理あるよね。というより、寺田君のバンド話に興味がないし。タコの話の方がマシだったわ」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「タコと言えば、じいちゃんから教えてもらったんだけど、昭和生まれの人が宇宙人の絵を描くと、タコに似た生き物を描くらしいよ」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「無理があるでしょう。タコって。普通に考えれば人型だと思うんだけど・・・昭和の人って何考えてたのかしら?」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「あっ、でもうちのおばあちゃんも言ってたなぁ。昔、口裂け女っていう、妖怪というより不審者のような人の、都市伝説があったとか」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「知ってる知ってる。都市伝説って、噂が広がると、自分のところが発祥の地域だと名乗り出るところが、いくつか出てくるんだってね」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「らしいね~。あと、模様が人の顔みたいな魚を、人面魚とか言って、盛り上がってたりもしてたんだってね」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「そう言えば、ネッシーとかイェティーとか、言ってた人達の世代だもんね。変な生き物想像して、ゾワッて楽しんでたのかなぁ」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「ゾワッと言えば、私も幽霊とかは苦手。子供の頃は、シャンプーする時とかも、わりとギリギリまで目を開けてたし」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「へーっ怖がりなんだ。まぁ急に現れたら怖いけど。でも幽霊とかって、異世界が本当にあるみたいで、嬉しい気持ちにもなるかな?」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「えっ怖くないの?男の人って子供の頃に、カブトムシとかの昆虫捕まえて、裏側のわしわし動く足とか見てるから、強いのかなぁ」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「わしわしは嫌だよ。平気だったのは子供の頃だけ。やっぱり足が六本ある生き物が、羽を広げて空を飛んでくると、結構怖いよね~」
〇ファミリーレストランの店内
ユニ「怪獣みたい。真夏の炎天下に聞こえる、セミの鳴き声も、呪いの呪文みたいだし。脱け殻なんかも、魔物のオブジェみたいだもんね」
〇ファミリーレストランの店内
最乗「ねっそう考えると、幽霊とかってちょっとロマンチックでしょ。知らない世界って、空想で楽しむ事が出来るんだから・・・・・」
〇黒背景
・・・ファミリーレストランか・・・懐かしいなぁ・・・
〇ファミリーレストランの店内
まだ覚えてたんだ。部活でもして、もっと意味のある時間を使っておけばと、後悔していた頃もあったけのに
〇幻想
今も心に残ってたんだな。くだらない話ばっかりだったのに、何故かケンカは一回もしなかったね
〇シックなリビング
怖がりな私に対して、「自分の方が早くに亡くなる。そうすれば、先に待ってる人がいるから、怖くないだろっ」て言ってたけど
〇シックなリビング
私の方が先だったら、あなたはきっと耐えられないから、強がって私に言ってきてるのかと思ってた
〇シックなリビング
でもあなたの言う通り。あなたが亡くなってからも、時々感じる風の変化にあなたを感じるから、また逢える安心感がありますの
〇シックなリビング
でもあなたにはきっと無理。だってあなたってば、ちょっと鈍感だったから
〇風
ツンデレか・・・懐かしいな。そんな言葉はもう誰も使ってない。私達の時代だけの言葉。あなたは何度か挑戦して、失敗してたけど
〇ソーダ
ファミリーレストランは、今も時々行くけれど、ドリンクバーはもうしんどい。足は疲れるし、ヨチヨチ歩きみたいなもんだから。
〇水玉2
あなたが亡くなった時、最初は辛かったけど、今はあなたが初めて成功した、最初で最後の私へのツンデレだと思ってるの
〇幻想2
あなたが私にたくさんの思い出をくれたから、私は今、思い出のあなたと最後の恋をしています。昔も今もありがとう。
ファミレスの何気ない会話を今でも思い出せる、そのくらい仲の良かった二人何だろうなとしみじみ思いました!
素敵な物語ありがとうございました!
切ないような、悲しいような、何だか心が温かくなるような、読み終えた後は何だかホッとした感じが残るお話しでした。最後はハッピーでよかったです。
少し切なくて、幸せなお話だと思いました。
二人ともに年を重ねていけるのは幸せですよね。
最後の締めがすごくよかったです!最後まで彼はかっこよかったです。