手紙(脚本)
〇二階建てアパート
郵便受けに、封筒があった。
〇明るいリビング
「知らないままがいいかと思ったが、霊でも出たら可哀想なので、封筒を入れておく」
「チラシと一緒に捨ててなけりゃ、これを読めるはずだ」
「この間、この部屋を使わせてもらった」
「利用料は払わんが、感謝する」
〇明るいリビング
あの日、この部屋にターゲットを招いた。
自分が振った女に逢えると思って、いそいそとやってきた。
で、最期に、呪ってやるだのなんだの、捨てゼリフよ。
ま、ターゲットの髪の毛とかは取ったし、飛び散った血とかはすべて拭っておいた。
〇明るいリビング
最近の騒ぎは、なので、あいつの仕業かも知れないな。知らんけど。
よっぽど、女が恋しいんだろう。
まさに死んでも死にきれない、だな。
朝早く出て、夜遅くまで帰ってこない、
都会の一人暮らし。生活感に乏しく、
清潔感のあるアパート。
だからおびき出す場所として使わせてもらっただけなんだが。
部屋が幽霊に取り憑かれるとは、思ってもみなかったな。
〇明るいリビング
幽霊騒ぎ、知らなければ隣の住人に聞いてくれ。
このままだと祟られる可能性があるからな。
依頼人も、ターゲット以外を巻き込むのは心苦しいンだそうだ。
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あまり私は霊を信じはしないのですが、この手の話を聞くと怖くなります。
たまに、あれ…ここにこんなの置いたっけ…ってなることがあるので…それもまさか…汗
この幽霊だったら、部屋を整えてくれるから、幽霊がいることさえ気づかなければ、すごくいいのかもしれないです。
まさに知らぬが仏ですねー!
一番精神的にクる展開ですよね。これでしたら、入居前に事故物件と告げられるほうがはるかにマシですよね。しかも、怒りや不満を誰にもぶつけられないですし……