第18話 『そして最後の戦いが始まる』(脚本)
〇黒
相田英雄「・・・うーん」
・・・ロ!
・・・ヒロ!
〇教室
八木カモメ「大丈夫か、ヒロ!」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「・・・なんでヤギちゃんが目の前にいるんだ?」
相田英雄「あれ? たしか俺は隕石と宇宙にワープして。世界を救ったけど、死んだはずで」
相田英雄「だからそんな俺は、天国でエッチな女神様たちにお出迎えしてもらって、酒池肉林のハーレム生活が始まるはずで」
相田英雄「それなのに、なんでヤギちゃんがいるの?」
黒崎検事「ここが天国じゃないからだ」
相田英雄「クロケンまでいる。 ・・・ということは、ここは地獄か」
黒崎検事「どういう意味だ?」
相田英雄「というか、マジでどういうこと? ・・・俺、死んだよね?」
ウラたん「はいです。確かにヒーローさんは宇宙でお亡くなりになりました」
八木カモメ「だから生き返らせたんだよ、『カウント3』で」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「うわーっ、すっげ。 マジでなんでもありだな、カウント3」
相田英雄「というか、そっか。冷静に考えれば、あと1つ願い事が残っていたんだよな」
黒崎検事「気づいてなかったのか?」
相田英雄「あの状況でそこまで頭が回るかよ。あー、こんなことなら別に腹をくくる必要なかったよな」
黒崎検事「・・・・・・」
黒崎検事「悪かったな、スケヒロ。 俺はお前に対して酷い誤解していたようだ」
黒崎検事「お前が超能力を持っていたかったのは、本当に世界を守りたかったからだったんだな。それを俺は──」
相田英雄「止せよ、気持ち悪い。 疑うのがクロケンの役目だろ」
相田英雄「それに俺がそんな玉の訳がないだろ。 全部自分の為だよ、自分の為」
相田英雄「俺はそういうキャラ。そうだろ?」
黒崎検事「・・・ふっ。ああ、そうだったな」
相田英雄「それにさ。おかげで俺は、こうしてサイコキネシス能力以外の超能力も獲得した、無敵の存在になれた訳だ」
相田英雄「想像してみろ。 これから世界は俺の思いのままだぜ」
八木カモメ「ああ、そのことだけど。使えないよ」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「うん? 何が?」
八木カモメ「だから、超能力」
相田英雄「・・・えっ、ゴメン。よく分からなかった。もう一度、なんて?」
八木カモメ「だからヒロは、もう超能力は使えないよ」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「なんで?」
黒崎検事「貴様を生き返らせる時に、スケヒロの超能力は全て消すように、俺がヤギに言ったからだ」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「・・・うっそだぁ」
八木カモメ「いや、マジで」
黒崎検事「マジだ」
ウラたん「マジなのです」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「なんで? なんでそういうことするの! 曲がりなりにも俺! 世界を救った英雄よ!」
相田英雄「賞賛されるべき人間よ! ご褒美をもらってもいい人間よ! つーか、なんで俺が本性現した時用の保険とか掛けるかな!?」
黒崎検事「貴様がさっき言ったんじゃないか。 疑うのが俺の仕事だと」
相田英雄「おい、ふざけんなよ、クロケン! あの力があれば、世界は俺のものになったのに!」
黒崎検事「やっぱり超能力を残したかったのは私欲の為だったか」
相田英雄「そうじゃなきゃあんなことするか、ボケ!」
八木カモメ「でもさ、やっぱりヒロは凄いな」
相田英雄「なにがだよ!」
八木カモメ「俺だったらきっと、自分の命を投げ出して、あんなことできないよ」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「・・・そんなことないって。ヤギちゃんは、いざとなったらきっとやるよ」
相田英雄「俺が保障する。 俺より何も考えずに平気でやるから」
黒崎検事「まあ、なんにしても、今回も無事に世界脅威を全て回避したわけだ」
黒崎検事「そしてカウント3も使い切った」
相田英雄「ああ。そっか。なら・・・」
八木カモメ「うん。そろそろだと思う」
黒崎検事「・・・・・・」
黒崎検事「ひとりで大丈夫か?」
八木カモメ「なんとかしてみるよ」
相田英雄「まあ、失敗しても、また俺たちで世界脅威を退ければいいだけだし」
八木カモメ「いや、もうヒロがいなくなるのは勘弁だから」
相田英雄「そっか。なら頼んだぞ、ヤギちゃん」
八木カモメ「ああ」
黒崎検事「頼んだぞ、ヤギ」
八木カモメ「ああ」
ウラたん「ご主人様」
八木カモメ「ウラたん、色々とありがとうね」
〇異次元空間
女神ウヌバス「無事に乗り切ったわね、ツバメ」
八木カモメ「・・・・・・」
女神ウヌバス「どうだった? 今回はちょっとしたフェイント入れてみたんだけど」
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