カウント3 ~もうすぐ世界がヤバイそうです~

アーム・ザ・コニー・ロト男

第17話 『英雄の生き様』(脚本)

カウント3 ~もうすぐ世界がヤバイそうです~

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〇教室
黒崎検事「どういうことだ? 1つの世界脅威を、3つの願いで回避するのが、女神が定めたルールではなかったのか?」
八木カモメ「もしかして・・・今回の世界脅威はヒロじゃなかった?」
黒崎検事「!」
黒崎検事「・・・そういうことか!」
黒崎検事「スケヒロは囮だ! 女神の目的は、スケヒロを世界脅威にして俺たちを仲間割れさせることではない!」
黒崎検事「女神の狙いは、『カウント3』の無駄撃ちだ!」
八木カモメ「!」
黒崎検事「スケヒロに『カウント3』の回数を割いた後に、本命をぶつけてくる!」
黒崎検事「それが女神の目的だ!」
八木カモメ「ウラたん、隕石落下まであとどれくらい!?」
ウラたん「あと78秒です!」
八木カモメ「えっ! たったそれだけ!」
黒崎検事「くっ、何か対策を!」
黒崎検事「・・・・・・」
黒崎検事「ダメだ! 時間がなさすぎて、何も思い浮かばん!」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「ヤギちゃん、俺の超能力を解放しろ! いや、それだけじゃなくありとあらゆることができる最強の超能力者にしてくれ!」
相田英雄「俺がなんとかする!」
八木カモメ「分かった!」
黒崎検事「待て、ヤギ! スケヒロがやはり世界脅威である可能性がまだ──」
八木カモメ「ヒロが任せろって言ったんだ。 ならヒロがどうにかしてくれる」
八木カモメ「俺たちはヒロを信じればいい。 そうだろ、クロ?」
黒崎検事「・・・・・・」
八木カモメ「『俺の願い、発動★』」
八木カモメ「『ヒロをありとあらゆる超能力が使える最強サイキッカーにする!』」
  ピカッ
八木カモメ「ヒロ! いけそうか!?」
相田英雄「ああ、もちろん」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「ヤギちゃん、信じてくれてありがとうな」
黒崎検事「消えた」
八木カモメ「頼んだぞ、ヒロ」

〇空
相田英雄「おおっ! スゲェ! ワープも出来るし、空に浮かぶこともできるし、完璧な超能力者じゃん、俺!」
相田英雄「さてと、俺の相手の隕石は・・・」
相田英雄「・・・・・・」

〇落下する隕石

〇空
相田英雄「やばっ、思ったよりデカっ!」
相田英雄「えっ、こんなだった? 前のあの時よりデカくね?」
相田英雄「いや世界脅威だし、あの時よりもグレードアップしているとか?」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「ああもう、やるしかねぇ!」
相田英雄「よっしゃ、こいや!」

〇落下する隕石
  ドカッ
相田英雄「ぐぬぬぬぬぬぬぅぅぅ!」
相田英雄「重っ! 想像以上に重っ!」
相田英雄「っっっっっっ!」
相田英雄「これヤバイ、ヤバイかも!」
相田英雄「・・・でもよ」
相田英雄「この為だったんだ。この為に超能力を使いこなせるようになりたかったんだよ、俺はよ!」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「なあ、隕石ちゃんよ。 ちょっと聞いてくれるか、俺の話をさ」
相田英雄「実はこうして学校に隕石が落ちたことが、前にもあったんだ」
相田英雄「原因は俺が言ったツマラナイ冗談だよ。学校サボりたいから隕石降らせろ、ってヤギちゃんに言った訳よ」
相田英雄「そうしたら本当に降って来て、学校が消し飛んだ」
相田英雄「・・・ほんと、笑えねぇよな」
相田英雄「俺さ。あの後、柄にもなく泣き叫んでパニックになっちまってさ」
相田英雄「だって、あんなのヤギちゃんの冗談で、まさか本当に起こるなんて思わないだろ」
相田英雄「それが実際に起こって、学校にいた連中が全員消し飛んだって理解したら、怖くて怖くてしかたなくなっちまってさ」
相田英雄「もう逃げることしか考えてなくてさ。俺のせいじゃない、って一人で叫びまくってさ」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「そんな俺にさ、ヤギちゃんが言ったんだよ。『大丈夫だ』って、安心させてくれようとしたんだ」
相田英雄「『ヒロのせいじゃない』って、『後は俺に任せろ』ってさ」
相田英雄「そして『カウント3』の最後の願いで、全てを元に戻してくれたんだ」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「なあ、どう思う? これってさ。 当然のことだって思うか?」
相田英雄「本当に?」
相田英雄「本当に、そうするのが当然のことで、誰もがそうすることだ、って思うか?」
相田英雄「お前がヤギちゃんの立場だったらさ、本当に元に戻すか?」
相田英雄「突然手に入った奇跡みたいなチャンスを」
相田英雄「自分に与えられたチャンスを」
相田英雄「自分に選択権がある無敵のチャンスを」
相田英雄「本当に、他人の為に使えるか? 他人なんかの為に使えるか?」
相田英雄「ああ、ちなみに俺の場合だけど」
相田英雄「俺だったら出来ないね。 というかやらないね、絶対に」
相田英雄「そんなこと知らねぇって。これが何でも願いが叶う奇跡だって理解した以上、後は自分の為に使うって」
相田英雄「他人のことなんて知ったこっちゃないって。自分の為に他の連中を見捨てるね」
相田英雄「俺にはできない。 なにせ俺は、そんなに馬鹿じゃないからさ」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「・・・だけどさ、ヤギちゃんはやったんだわ」
相田英雄「驚くほどあっさりと。なんの躊躇もなく」
相田英雄「泣いていた俺の為に、自分が貰った奇跡を使ってくれたんだわ」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「まったくさ」
相田英雄「ホント、ヤギちゃんってお人よしのアホだよな」
相田英雄「アホなんだよ。本当にアホなんだよ」

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