カウント3 ~もうすぐ世界がヤバイそうです~

アーム・ザ・コニー・ロト男

第16話 『信じる気持ち』(脚本)

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〇教室
八木カモメ「・・・よし。じゃあ、こうしよう」
八木カモメ「ヒロの能力は消さない」
相田英雄「ヤギちゃん」
黒崎検事「・・・・・・」
八木カモメ「ただし、『カウント3』を使って、ヒロが超能力を使うのに条件を付ける」
八木カモメ「その条件を考えるのが俺とクロだ」
黒崎検事「なるほど。その条件によって、スケヒロが世界脅威になる可能性を消す、ということか」
八木カモメ「そういうこと」
相田英雄「そんなことができるの?」
八木カモメ「安心しろヒロ! 俺とクロでどうにかするから!」
相田英雄「うん、頼もしいこと言ってくれて嬉しいけど、このシチュエーションだと、100%クロケン頼りだよね」
黒崎検事「安心しろ、スケヒロ。 この俺が綺麗に収めてやる」
相田英雄「あーもう、絶対に碌なことになんね~」

〇教室
  ──翌日の放課後。
黒崎検事「という訳で、昨夜、ヤギの家でスケヒロの超能力の使用条件に関するマニュアルを作成してきた」
相田英雄「えっ、なにこの紙の束! ぶ厚! しかも細かな字がぎっしりなんすけど!」
黒崎検事「色々と書いてはいるが、大まかにいえば、犯罪行為。特にエロ関係に対して超能力を使うことを厳しく制限する、ということだ」
相田英雄「嘘! じゃあもう、女の子に悪戯できないの!」
黒崎検事「できない。というか、そもそもそれは立派な犯罪だ」
相田英雄「証拠がなければ犯罪じゃない!」
黒崎検事「だからお前は世界脅威なんだよ!」
黒崎検事「スケヒロの超能力はさっさと抹消すべきだと俺は変わらず思っている」
黒崎検事「だが今回はヤギの意見を採用し、善行であれば超能力を使えるというように条件を付けた」
相田英雄「善行だぁ?」
相田英雄「善行ってなんすか? 誰の基準すか、それ? クロケンの正義と俺の正義って違うと思うんすけど?」
相田英雄「俺、そういう押し付けとか超嫌いなんすけど。そもそもクロケンの正義とか、黒過ぎてどうなの? とか思っちゃうんすけど」
黒崎検事「貴様がそうやってゴネることも想定済みだ」
黒崎検事「だがヤギは、その善行を決めるのはスケヒロでいいと言っている」
相田英雄「えっ、俺が決めていい、ヤギちゃん?」
八木カモメ「うん。ヒロなら大丈夫だから」
相田英雄「ヤギちゃんは俺を信じてくれるんだね(涙)」
黒崎検事「絶対に悪事に使うぞ、コイツ」
八木カモメ「大丈夫、心配ないって」
八木カモメ「それにもし仮にそうなっても、ヒロの場合、悪いことをする時は、ちゃんと悪いことだと分かってやるから」
八木カモメ「きちんとそれを理解した上で、自分の気持ちに従って躊躇なく突き進む。それがヒロ」
八木カモメ「だからこの条件さえあれば、絶対に悪いことには使えないから問題なし」
相田英雄「うわー、なんか素直に喜べない信頼と評価」
黒崎検事「俺はスケヒロのことを一切信じていないがな」
相田英雄「知っているわ、そんなこと!」
八木カモメ「とまあ、そんな感じなんだけど、いいかな、ヒロ?」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「まあ、ワガママ言っているのは俺だしな。 分かった、それでいいよ」
黒崎検事「よし決まりだ。 ではヤギ、段取りは覚えているな?」
黒崎検事「昨日、説明した通りだ」
八木カモメ「ああ、大丈夫。『俺の願い、発動★』」
  ピカッ
ウラたん「ご主人の右手が光り出したので、これで準備完了です」
黒崎検事「ヤギ、願い事を」
八木カモメ「えっと『ヒロのサイコキネシス能力を、この書類に書かれた通りに縛りを付ける!』」
  ピカッ
相田英雄「・・・終わったの?」
八木カモメ「右手の数字は『2』になっているし、成功だと思う」
相田英雄「よし、これで堂々と超能力を使えるってわけだ。どれ試しにやってみるか」
相田英雄「ぬん!」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「あれ?」
相田英雄「もう一度、ぬん!」
相田英雄「・・・・・・」
八木カモメ「どうしたの、ヒロ?」
相田英雄「なんか、サイコキネシス使えないんですけど」
八木カモメ「いや、だから悪事には使えないから。そんな、放課後の学校に残っている女子の服を全て脱がす、なんてことは──」
相田英雄「いや、流石にそこまでしようなんて思わないよ! というか、そんなことする人間だって思われているの、俺!」
相田英雄「いや、いつかはしたいんだけどね、そんな素敵なことも!」
相田英雄「そうじゃなくて、普通に机とかを動かそうと思ったんだけど、力が出ないんだって!」
黒崎検事「それはそうだろう。なにせスケヒロの能力は完全に封印状態だからな」
「!」
相田英雄「どういうことだよ、クロケン!」
黒崎検事「資料を読んでみろ」
相田英雄「こんなの全部読めるか! というか、どこを読めばいいんだよ!」
黒崎検事「42ページ目の21行目だ」
相田英雄「『──ただし、上記の項目に関係なく。基本、甲(相田英雄)の超能力は使用を一切禁止するモノとする』」
八木カモメ「えっ、こんな項目あったっけ?」
相田英雄「ヤギちゃん。 この資料全部チェックしてなかったの?」
黒崎検事「阿呆が。ヤギがこれだけの内容を全て把握して、理解しているわけないだろうが」
相田英雄「確かにそうだ! ヤギちゃんじゃ無理だぁ!」
相田英雄「あーぬかった! ヤギちゃんが能力を使う前に、資料を読み込むべきだった!」
八木カモメ「・・・クロは、俺とヒロを騙したの?」
黒崎検事「ああそうだ」
八木カモメ「なんで?」
黒崎検事「超能力を持つことで疑わなければならないのなら、そんなモノはない方がいいと思ったからだ」
八木カモメ「そんなのヒロのことを信じれば──」
黒崎検事「俺はヤギのようにスケヒロを頭ごなしに信じることはできない」
八木カモメ「っ!」
黒崎検事「スケヒロ。昨日、お前は自分には何もないと言ったな」
黒崎検事「だが俺から言わせれば、お前は何もない存在ではない」
相田英雄「・・・クロケン」
黒崎検事「逆に聞くがスケヒロ。お前はあんな超能力がなければ、ヤギに協力しないのか?」
相田英雄「!」

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