カウント3 ~もうすぐ世界がヤバイそうです~

アーム・ザ・コニー・ロト男

第14話 『束の間の平和?』(脚本)

カウント3 ~もうすぐ世界がヤバイそうです~

アーム・ザ・コニー・ロト男

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〇学生の一人部屋
ウラたん「ご主人様、起きてください。 もう学校へ行く時間ですよ」
八木カモメ「うーん、むにゃむにゃ、あと3時間」
ウラたん「分かりました。ご主人様がそうおっしゃるなら、3時間放置しておきますね」
八木カモメ「いや、そこは起こそうよ!」
八木カモメ「・・・・・・」
ウラたん「おはようございます、ご主人様。 爽やかな目覚めですね」
八木カモメ「・・・まさかツッコミをする為に起きることになるとは」
八木カモメ「というか、これってどういう状況? って、いつものパターンか」
ウラたん「はい。ヤギラを召喚し、ヤギンゲリオンを撃退した翌日です。もっとも」
八木カモメ「いつも通り、夢オチなんだよね」
ウラたん「はいです。ご主人様の活躍は、データ上どこにも残っていません」
八木カモメ「ウラたんは覚えているの?」
ウラたん「バッチリ覚えています。ウラはご主人様のサポートキャラですから」
八木カモメ「そんなもんなの?」
ウラたん「そんなものなのです」
  ガチャ
八木ツバメ「お兄ちゃん、おはよう! ・・・ってやっぱり起きている」
八木ツバメ「あーあ、お兄ちゃんはもうツバメが起こさなくても・・・」
八木ツバメ「・・・って、なんだか可愛いお人形を抱っこしている!」
ウラたん「はじめまして、妹様。 ウラはウラといいます。よろしくです♪」
八木ツバメ「・・・・・・」
八木ツバメ「人形が喋った!」

〇学生の一人部屋
八木ツバメ「そっか。ウラちゃんはお兄ちゃんのお世話をする自動人形さんなんだ」
ウラたん「とっても高性能なのです」
八木ツバメ「いいな~。ツバメもウラちゃん欲しいな~」
八木カモメ「というか、随分とウラたんの事をあっさり受け入れたね、ツバメちゃん」
八木ツバメ「・・・・・・」
八木ツバメ「あのね、お兄ちゃん。ツバメの事、子供だな、って思わないでね」
八木カモメ「いや、何を言っているんだい、小学三年生?」
八木ツバメ「そういうことじゃなくて! ・・・そのね。昨日の夜、変な夢を見たんだ」
八木カモメ「夢?」
八木ツバメ「凄いリアルな夢だったんだ。 変なロボットが出てきて街を破壊するの」
八木カモメ「!」
八木ツバメ「だけどね、怪獣が出てきてロボットをやっつけてくれたの。そうしたら壊れた街も元通りになってね」
八木ツバメ「その夢にね。お兄ちゃんとウラちゃんが出てきたんだ」
八木カモメ「・・・・・・」
八木ツバメ「あはは。変だよね、ただの夢なのに」
八木ツバメ「・・・あっ、でも、ウラちゃんとこうして会えたってことは、あれって正夢?」
八木ツバメ「だったら、ちょっと怖いな」
八木カモメ「心配しなくても大丈夫だよ、ツバメちゃん」
八木カモメ「ウラたんはこうして出てきたけど、ロボットも怪獣も、もう現れないから。安心して」

〇川に架かる橋
黒崎検事「こんな時間に会うとは珍しいな」
八木カモメ「おはよう、クロ」
ウラたん「おはようなのです、メガネ」
黒崎検事「なんだ、ヤギの鞄の中に隠れていたのか、ウラ」
ウラたん「ウラの事がご主人様と愉快な仲間たち以外にバレると、色々と面倒ですから。それくらいメガネなんだから察してください」
黒崎検事「眼鏡は関係ない。 というか、誰が愉快な仲間たちだ!」
黒崎検事「そんなことよりだ。ヤギ、右手の数字は?」
八木カモメ「戻ったよ」
黒崎検事「ということは、女神に会ったんだな」
八木カモメ「うん」
黒崎検事「だろうな。これまで通り全ては夢オチとしてなかったことになっているしな」
八木カモメ「・・・でもツバメちゃんが、昨日のことを夢として覚えていたみたいなんだ」
黒崎検事「俺たちと同じようにか?」
八木カモメ「うん。本人は夢だと思っているみたいだけど、間違いなく俺たちと同じなんだと思う」
黒崎検事「・・・・・・」
黒崎検事「俺とスケヒロはヤギの話を聞き、『カウント3』を目の当たりにしているから、この奇妙な現状を受け入れられている」
黒崎検事「だが、もしそうでなければ、ヤギ妹と同じように、変な夢を見た、としか思わなかっただろうな」
黒崎検事「・・・・・・」
黒崎検事「もしかすると、俺たちだけじゃないのかもしれないな」
八木カモメ「? 何が?」
黒崎検事「俺たちと同じように、昨日の出来事を夢として見た人間がだ」
八木カモメ「!」
黒崎検事「ヤギを中心に少しずつ・・・いや、もしかしたら昨日の出来事を目撃した人間全てが同じ夢を見たなんてことも」
黒崎検事「試しにクラスメイト全員に聞いてみるか? 皆が同じ夢を見たと手を上げるかもしれないぞ」
八木カモメ「・・・いや、止めとこ。 ありそうで怖いから」
黒崎検事「それで? そんなことをしている女神は、何か言っていたか?」
八木カモメ「・・・・・・」
八木カモメ「俺には世界脅威を退ける理由があるんだって、それを生み出した者として」
黒崎検事「・・・・・・」
黒崎検事「どうやら、かなりきな臭いことになってきたみたいだな」
黒崎検事「それで? 次の世界脅威は迫っているのか?」
八木カモメ「あっ、そういえば、どうなんだろう?」
黒崎検事「・・・まったく、相変わらず抜けているな」
黒崎検事「どうなんだ、ウラ?」
ウラたん「うーん、それが微妙なのです」
八木カモメ「? どういうこと、ウラたん?」
ウラたん「世界脅威は存在しているのは間違いありません。ですが、その脅威が小さすぎて上手く認識できないのです」
黒崎検事「なんだ? なんでも分かるサポートキャラの癖に随分とポンコツだな」
ウラたん「うっせぇのです! ウラはとても優秀なのです! でもそんなウラでも確定的でないことまでは断定できないのです!」
黒崎検事「言い訳がましいな」
ウラたん「むぅ! このメガネは本当に性格が悪いのです!」
八木カモメ「ウラたん、確定的でない、っていうのはどういうこと?」
ウラたん「今の段階で、先日のヤギンゲリオンのように、すぐに世界を滅ぼすような脅威は存在しません」

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