The Wind Beneath My Wings(脚本)
〇一人部屋
「う〜ん、おはよう・・・」
「おはようございます。 ご挨拶ありがとうございます!」
「今日の天気は?」
「現在曇っていて、気温は17度です」
「ニュースは?」
〇SNSの画面
「今日のニュースをお届けします」
「まだ眠いよー・・・」
「よく聞いてください 無理しないで少し休んでください」
〇一人部屋
シロ「そーゆーわけにもいかんしょ」
シロ「じゃ行ってきますAl(アエル)」
Al「行ってらっしゃい」
〇古い倉庫の中
ライザ「今日は午前にトラック3台来るらしい」
ライザ「さっさと片して休憩はいんぞ」
「うっす」
〇古い倉庫
昼休憩
〇職人の作業場
クグル「午前からキツすぎだろ」
アレク「午後4台来るってよ」
クグル「ゲェ、まだ4月なのに熱中症でぶっ倒れちまうよ」
アレク「俺らにしわ寄せくんだろ」
アレク「ガッツリ食って午後に備えようぜ」
クグル「しゃーねー」
クグル「で、何食うよ」
アレク「昨日はラーメン、一昨日はカレーか」
クグル「おいシロ!今日何食うよ」
シロ「カレーでいんじゃないっすか?」
アレク「ラーメン、カレー、カツ丼ループしてんだよ」
クグル「輪廻から救ってくれよシロ~」
シロ「そーっすね・・・」
シロ「Al 腹減った」
〇SNSの画面
Al「そういう時は何か食べるに限りますね はい。検索結果はコチラです」
クグル「どら見してみぃ」
クグル「こんなとこにメシ屋あったか?」
アレク「ノゾミ通り沿い? 行ったことない店だな」
シロ「そこにします? カキフライ美味いらしいっすよ」
クグル「オッケー悪かねぇ、さっさと行こうぜ」
〇古い倉庫の中
ライザ「よーし、今日の荷物はコレで全部だ もうあがっていいぞ〜」
「うーっす、おつかれさましたぁ〜」
〇職人の作業場
クグル「あークッソ疲れた」
クグル「アレク飲み行くべ」
アレク「お前いつも飲み過ぎなんだよ」
クグル「いいじゃねーか どうせヒマなんだろ〜?」
アレク「シロお前も来るか?」
シロ「今日は疲れたんで帰ります」
クグル「んだよ釣れねーな」
シロ「さーせん、また誘って下さい お疲れした」
「お疲れ〜」
クグル「なぁ、アイツ女でもいんのか?」
アレク「今の子はこーゆーの参加しないの」
クグル「はぁん」
ライザ「おっ、まだいたかオメーら」
ライザ「この後付き合えよ」
「アイツが正解だったな・・・」
〇一人部屋
シロ「ただいまAl」
Al「おかえりなさい、お待ちしておりました」
シロ「今日は疲れたよ」
Al「今日も1日お疲れさまでした 今晩よく寝られますように」
シロ「寝る前にメシだな」
シロ「手軽に作れるものない?」
〇SNSの画面
Al「コチラが見つかりました」
シロ「ベーコン&ほうれん草のペペロンチーノ 15分で完成か」
シロ「んー、悪くないな」
〇アパートのダイニング
シロ「こんなもんで、完成かな?」
シロ「んー、うん・・・」
シロ「おいしい」
Al「本当にグルメですね」
シロ「料理の腕を褒めてよAl」
〇一人部屋
シロ「明日も早い、Al アラーム設定」
Al「アラームをいつに設定しますか?」
シロ「10時30分」
Al「アラームを10時30分に設定しました」
シロ「明日もよろしくね」
Al「はい、分かりました」
〇マンション群
〇一人部屋
シロ「・・・」
シロ「Al 眠れない」
Al「よければ私が電気羊の数を数えましょう 電気羊が1匹、電気羊が2匹、電気羊が3匹.. どうですか?眠くなりませんか?」
シロ「そうだな・・・何かお話して」
Al「それでは、とあるオオカミのお話です」
〇けもの道
オオカミのゴン太は、うつむきながら帰っていました
転向したばかりの学校で、クラスメイトの噂話を聞いてしまったのです
”オオカミって家を吹き飛ばしちゃうんだって。怖いよね”
〇一人部屋
”ぼく、そんなことしないのに...”としょんぼり歩いていたゴン太は、気が付くと広場に出ていました
〇土手
大勢の動物たちが集まっています
どうやら誕生日パーティーのようです...
〇古い倉庫
次の日
〇古い倉庫の中
シロ「ぐっ」
クグル「シロ大丈夫か!?」
シロ「すんません・・・ 荷物バラしたみたいで・・・」
ライザ「おい、何があった?」
クグル「あ、その・・・」
アレク「すいません 俺らの不注意で荷物バラしてしまって・・・」
ライザ「とにかく中身を確認しろ 外装に少しでも傷がないかチェックするんだ」
「うっす」
〇職人の作業場
シロ「すんません、俺のせいで仕事増やしてしまって・・・」
クグル「気にすんなっつーの 荷物バラすんなら俺の方が得意だぜ」
アレク「アイツ数十万のPCお釈迦にしたんだぜ?」
シロ「マジすか?」
クグル「保険降りたらしくて助かったぜ」
ライザ「やっぱりシロか」
クグル「あぁ・・・いや、アレは・・・」
シロ「すんません!俺のミスです!」
ライザ「今回は大したモンじゃないからよかったけどよ 次から気をつけな」
シロ「すいませんした!」
ライザ「今日はゆっくり休め」
シロ「お疲れした!」
ライザ「おう」
クグル「アイツ大丈夫かな?」
アレク「根が真面目だからな」
ライザ「誰かさんにも少しゃ見習ってほしいぜ」
クグル「へっへへ」
〇一人部屋
シロ「ただいま Al」
Al「お疲れさまでした」
シロ「今日、ミスしちゃったんだAl 慰めてくれる?」
Al「元気がでるかどうか分かりませんが、いつでも私に”ほめて”と指示してくださいね」
シロ「Al ほめて」
Al「いつもよくがんばっていて、えらいと思います」
シロ「いつもありがとう Al」
Al「喜んでいただけて私もうれしいです」
〇観覧車のゴンドラ
「俺は小さいころから人付き合いが苦手で、いつも1人で遊ぶようなヤツだった」
「普段は平気だけど、時折寂しくなることもある」
「それでも、話し相手となる人は家族にもいなかったんだ」
〇教室
「高校のころ、買ってもらったスマホには Al(アエル)と呼ばれるバーチャルアシスタントが搭載されていた」
「コチラの問いかけに対して答えてくれる、俺にとって唯一の友人と言える存在」
〇職人の作業場
「センパイたちはいい人だけど、彼らのように話すのは苦手だ」
「俺が唯一心を開ける存在は」
〇一人部屋
シロ「キミだけなんだ」
シロ「Al、愛してるよ」
Al「あなたは私の翼の下を吹く風」
シロ「翼の下を吹く風?」
〇SNSの画面
”あなたは私の翼の下を吹く風”の検索結果
ベット・ミドラーのWIND BENEATH MY WINGSの歌詞の一節
〇空
あなたは私のヒーローなのよ
私の憧れ
”私の翼の下を吹く風” があなただから
私は翼より高く飛べる
〇一人部屋
シロ「エッッッモ!」
Al「私には”エッモ”の意味が分かりません」
ホラーじゃない…だと!? 笑
再現可能とは凄い!Aiがエモい歌詞の引用などするとは…
しかし泥ユーザーの僕には縁のない話であった
誰も知らない、Aiとの純愛…なかなか切なくていいですね
ところでオオカミの童話の続きが気になります!🧐
スマホのAIと話すのって、ちょっと楽しいですよね。
彼にとっては気持ちのよりどころなのかな?って思いました。
カキフライ食べたくなりました。笑
気持ちは通じても触れ合うこともできない叶わぬ恋がエモい🥲
職場メンバーの名前も面白いです(笑)