アナタの隣に(脚本)
〇黒
※お願い
〇黒
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〇黒
〇地球
〇ビルの裏
一般人「え?」
一般人「なに・・アンタ」
清掃員「・・・」
清掃員「私を動画で撮影してください」
清掃員「面白い事になりますよ」
一般人「・・・」
一般人「ちょっと」
一般人「怖いんだけど」
清掃員「・・・」
清掃員「早くしろ!」
〇黒
Another dimension
〇荒廃したショッピングモール
〇荒れた倉庫
〇廃ビルのフロア
富田真理「おまたせ」
前田聡「いえ」
〇黒
〇未来の都会
量子空間都市
サンドオスロ
〇時計台の中
シーモス「おまたせ」
ナシーム「いえ」
シーモス「話は聞いてると思うけど、簡単に説明するね」
ナシーム「はい」
シーモス「残念だけど」
シーモス「勝手に」
シーモス「他の時空世界に移動した者がいるの」
シーモス「それも、かなり原始的な社会にね」
ナシーム「原始的?」
シーモス「うん」
シーモス「だから、心配してるの」
シーモス「その者が」
シーモス「その世界で」
シーモス「好き勝手するつもりじゃないかって」
シーモス「でも、そこは私達が」
シーモス「長時間、超獣化できない世界なの」
シーモス「最長でも30分くらいだって」
ナシーム「そうですか」
シーモス「そうなの」
シーモス「だから、研究者の間では」
シーモス「私達が移住すれば」
シーモス「暴力的な犯罪が、激減すると予測されてる」
シーモス「移住先の有力候補なの」
ナシーム「そうなのですね」
シーモス「うん」
シーモス「だから、いい機会なので」
シーモス「私も、その世界を見て来ようと思ってるの」
シーモス「最高の戦士と一緒にね」
シーモス「つまり、アナタと」
ナシーム「はい」
シーモス「向こうでは」
シーモス「当地の者の姿に擬態しないと」
シーモス「呼吸器官に異常が生じるんだって」
シーモス「それで」
シーモス「ついでって訳じゃないんだけど」
シーモス「アナタも少しの間」
シーモス「向こうで生活して、色々と調べて欲しいの」
ナシーム「はい」
シーモス「私は指導者達と」
シーモス「今後の移住の交渉をしてみるわ」
シーモス「よろしくね」
ナシーム「承知しました」
〇電脳空間
シーモス「では」
シーモス「行きましょう!」
〇宇宙空間
〇地球
〇森の中
シーモス「わあ!」
シーモス「すごいな!」
シーモス「・・・」
シーモス「・・・」
シーモス「では」
シーモス「最適化します」
富田真理「へえ・・」
古宮克己「・・・」
前田聡「・・・」
富田真理「ふふっ」
〇黒
〇オフィスビル前の道
〇事務所
涼木雪「前田くん!」
涼木雪「何回、同じミスしたら気が済むの?」
前田聡「すみません」
涼木雪「これじゃあ、仕事にならないよ!」
涼木雪「午前中に直してね!」
涼木雪「なるべく早くね!」
前田聡「はい」
〇物置のある屋上
涼木雪「怒っちゃった」
涼木雪「はぁ・・」
安田愛「どうしたんですか?」
安田愛「タメ息なんて」
涼木雪「あぁ」
涼木雪「ねえ、愛ちゃん」
涼木雪「前田くんが、何回も同じミスを繰り返すの」
涼木雪「なんでだと思う?」
安田愛「え?」
安田愛「なんで、と言われても」
涼木雪「私を試してるんじゃないかなぁ?」
安田愛「え?」
安田愛「あはっ!」
安田愛「そんな訳ないじゃないですか! ははっ」
涼木雪「・・まあ、冗談だけどさ」
涼木雪「彼、ホント判らないわ」
安田愛「新人さんだから、仕方ないですよ」
安田愛「でも前田くん、女子社員に人気ですよ!」
涼木雪「え?」
安田愛「あのミステリアスさに惹かれるって」
涼木雪「・・そ、そうなんだ」
安田愛「あ!そんな事より」
安田愛「今、超バズってる動画知ってます?」
涼木雪「え?」
涼木雪「何の動画?」
安田愛「怪人ですよ!怪人!」
安田愛「普通の人が、怪人に変身するんです!」
涼木雪「・・そんなのCGに決まってるでしょ?」
安田愛「もう!」
安田愛「雪さんは夢がない!」
安田愛「撮影した人が 本物だって言ってるんですよ!」
涼木雪「愛ちゃん・・」
涼木雪「いい加減、大人になりなさいよ」
安田愛「え~、つまんない」
安田愛「怪人を撮影して、バズりたいです!」
涼木雪「・・そんな子供みたいな事言って」
安田愛「私も『いいね』のシャワーを浴びたい!」
安田愛「デヘヘへ」
涼木雪「・・もう」
〇風流な庭園
総理大臣「・・・」
総理大臣「ふふっ」
総理大臣「うむ」
総理大臣「この別荘は最高だ」
総理大臣「これぞ」
総理大臣「本物の」
総理大臣「癒しだな」
富田真理「こんにちは!」
総理大臣「へ?」
総理大臣「誰?」
富田真理「初めまして!」
富田真理「総理!」
総理大臣「・・・あ、あの」
総理大臣「・・地球人じゃないの?」
総理大臣「・・・」
総理大臣「・・・」
総理大臣「・・すぐ、アメリカ大統領に連絡する」
富田真理「宜しくお願い致します」
総理大臣「・・は、はい」
〇オフィスビル前の道
涼木雪「よし!」
涼木雪「今日も仕事頑張った」
安田愛「雪さん! お疲れ様でした」
涼木雪「あ、愛ちゃん」
涼木雪「気をつけて帰ってね」
安田愛「はい!」
安田愛「また、明日!」
〇街中の道路
「あの、涼木さん」
涼木雪「あっ!前田くん」
涼木雪「どうしたの?」
涼木雪「あれ?」
涼木雪「駅反対じゃなかったっけ?」
前田聡「はい」
前田聡「そうですが、 涼木さんとお話したくて」
涼木雪「え、 なに?」
涼木雪「なんか相談でもあるの?」
前田聡「いえ、相談ではないのですが、 質問があります」
前田聡「もっとアナタの事を知りたいんです」
涼木雪「え・・」
涼木雪「私を知りたい?」
前田聡「はい」
前田聡「アナタの内面を知りたいんです」
涼木雪「な、内面?」
涼木雪「えっ・・と」
涼木雪「なんの為に?」
前田聡「知りたいんです」
前田聡「この社会が、人間の精神に与える影響を」
涼木雪「え・・」
涼木雪「社会?・・精神?」
涼木雪「・・・」
涼木雪「あ、あの、前田くん、ゴメン」
涼木雪「私、宗教とかって、 ちょっと苦手でさ・・」
涼木雪「ゴメンね」
涼木雪「・・じゃあ」
涼木雪「・・お先」
前田聡「・・・」
〇白いアパート
〇女性の部屋
涼木雪「宗教の話じゃなかったのかな?」
涼木雪「聞いてあげれば良かったな」
涼木雪「明日、謝ろう・・」
涼木雪「・・・」
涼木雪「・・あ、そうだ」
涼木雪「これか・・」
涼木雪「怪人って」
〇ビルの裏
〇女性の部屋
涼木雪「へえ・・」
涼木雪「よく出来てるなぁ」
涼木雪「・・・」
涼木雪「・・・」
涼木雪「うん」
涼木雪「明日、ちゃんと謝ろう」
涼木雪「・・・」
涼木雪「彼、マジメ過ぎるんだよね・・」
〇荒れた倉庫
〇廃ビルのフロア
富田真理「おまたせ」
前田聡「いえ」
前田聡「楽しそうですね」
富田真理「え?」
富田真理「結構、大変だったよ」
富田真理「移住の交渉も、この姿で行ったから」
富田真理「軽く見られてたのかも」
前田聡「そうですか」
前田聡「進捗状況はいかがですか?」
富田真理「うーん・・」
富田真理「警戒されてるなぁ」
富田真理「秘密裏に私達を受け入れる代わりに」
富田真理「当然だけど、見返りを求められて」
富田真理「あと、各国の思惑が交錯してたり」
富田真理「裏側はドロドロって感じかな」
前田聡「・・・」
富田真理「私達を、軍事利用したい国もあるの」
前田聡「そうですか」
富田真理「うん」
富田真理「平等で」
富田真理「友好的な条約を結びたいんだけどね」
前田聡「はい」
富田真理「でも」
富田真理「政治以外は、とても素敵な世界だね!」
前田聡「はい」
前田聡「確かに」
富田真理「ああ、そうだ」
富田真理「例の男」
富田真理「原始的ネットワークに出現したんでしょ?」
前田聡「はい」
前田聡「そのようですね」
前田聡「これから」
前田聡「もっと大胆な行動に出るはずです」
富田真理「そうかもね」
富田真理「心配だね」
前田聡「はい」
前田聡「この世界の人々の安全は守ります」
富田真理「うん」
富田真理「信頼してるよ」
前田聡「はい」
前田聡「居場所は特定したので、会ってきます」
富田真理「そう・・」
富田真理「話し合い、助け合う」
富田真理「私の理想は、そんな世界です」
前田聡「はい」
前田聡「理解しています」
富田真理「うん。では」
富田真理「この次元の生態系を乱す事なく」
富田真理「なるべく穏便にお願いします」
前田聡「はい」
前田聡「承知しました」
〇見晴らしのいい公園
清掃員「計算外だったぜ」
清掃員「つまんねえよ」
清掃員「こんな弱々しい姿に擬態してないと」
清掃員「生きてられないなんてよ」
清掃員「なあ、お前」
清掃員「退屈じゃねえか?」
清掃員「この世界を支配したくならねえか?」
前田聡「・・・なるはずがない」
前田聡「知ってのとおり」
前田聡「我々の暮らす次元は」
前田聡「あと、200年程で消滅する予測だ」
前田聡「そして」
前田聡「最適な移住先のひとつが」
前田聡「今いる、この世界だ」
清掃員「はぁ?」
清掃員「それがどうした?」
前田聡「俺は」
前田聡「お前が姿を現すまでの間」
前田聡「この世界で生活して」
前田聡「様々な調査をした」
前田聡「原始的だが、この世界の住民は」
前田聡「法治国家のルールに従っている」
前田聡「お前が、ここで生きていくつもりなら」
前田聡「ルールを守り暮らすのが道理だ」
清掃員「ケッ」
清掃員「優等生が!」
清掃員「こんな弱い生き物の言う事、聞けねえよ」
清掃員「なあ?」
清掃員「俺とお前が手を組めば」
清掃員「この世界、すぐ手に入るぞ」
清掃員「どうだ?」
前田聡「・・・」
前田聡「・・・」
前田聡「いや」
前田聡「現在、我々が」
前田聡「この次元で超獣化できるのは、 30分にも満たない」
前田聡「甘く考えすぎだ」
前田聡「そして」
前田聡「お前は、時空間移動に関する」
前田聡「重大な罪を犯した容疑者だ」
前田聡「当然だが」
前田聡「特別な許可の無い、時空間移動は重罪だ」
清掃員「へっ・・」
清掃員「無くなる世界を捨てて」
清掃員「新たな場所で好きに生きる」
清掃員「それのどこが悪いんだ?」
清掃員「教えてくれよ」
前田聡「・・・」
前田聡「法から解き放たれ」
前田聡「必ず」
前田聡「暴力で弱者を支配する者が現れる」
前田聡「今、我々のリーダー、シーモスが」
前田聡「指導者達と、移住について協議中だ」
清掃員「ケッ・・」
清掃員「あのガキがねえ・・」
前田聡「俺は法の元で、シーモスに仕えている」
前田聡「そして、今」
前田聡「この世界を守る為、ここにいる」
前田聡「だから、秩序を乱す者は取り締まる」
前田聡「それが俺の仕事だ」
前田聡「ただし、お前が」
前田聡「ここで、大人しく暮らしていくのであれば」
前田聡「超法規的措置も認められるはずだ」
清掃員「・・・」
清掃員「くだらねえよ」
清掃員「いずれ無くなる世界の掟に」
清掃員「いつまで縛られなきゃいけねえんだ?」
前田聡「・・・」
前田聡「・・・」
前田聡「・・・」
前田聡「・・そうか」
前田聡「仕方ないな」
前田聡「では」
前田聡「3日間の猶予をやる」
清掃員「だまれ!」
清掃員「何様のつもりだ!」
清掃員「俺の邪魔する奴は許さねえ!」
〇オフィスビル前の道
〇事務所
安田愛「おはようございます」
涼木雪「おはよう、愛ちゃん」
安田愛「雪さん、聞きました?」
涼木雪「え、何を?」
安田愛「前田くん、辞めちゃったらしいですよ」
涼木雪「え?」
涼木雪「・・ウソ」
安田愛「残念ですけど、ホントみたいです」
涼木雪「・・・」
〇廃ビルのフロア
富田真理「どうだった?」
前田聡「・・・」
前田聡「はい」
前田聡「あの男、危険な精神状態ですね」
富田真理「・・・」
富田真理「・・そう」
富田真理「・・・」
富田真理「弱い心が暴走してるのね」
前田聡「・・・」
前田聡「3日後に」
前田聡「任務を遂行します」
富田真理「・・・」
富田真理「・・・」
富田真理「・・はい」
富田真理「承認します」
富田真理「・・・」
富田真理「無事を祈ります」
富田真理「気をつけてね」
前田聡「はい」
〇街中の道路
涼木雪「・・・」
涼木雪「・・はぁ」
「こんばんは」
涼木雪「え?」
涼木雪「前田くん!」
涼木雪「どうしたの?」
涼木雪「いきなり仕事辞めちゃうなんて」
前田聡「すみません」
前田聡「涼木さんには色々と教えて頂き、感謝しています」
涼木雪「・・あの」
涼木雪「何か事情があるの?」
前田聡「はい」
前田聡「詳細はお答えできないのですが」
前田聡「元の世界に戻る前に、ご挨拶にきました」
涼木雪「え?」
涼木雪「元の世界?」
涼木雪「前の仕事に戻るって事?」
前田聡「え・・・はい」
前田聡「そうです」
涼木雪「前田くんって、何してたんだっけ?」
前田聡「・・・」
前田聡「判りやすく言うと」
前田聡「警察の様な仕事です」
涼木雪「ええ?!」
涼木雪「前田くんって、元は警察の人だったの?!」
前田聡「いえ・・」
前田聡「いや・・」
前田聡「はい・・そうですね」
涼木雪「・・・」
涼木雪「・・そうだったんだ」
涼木雪「あれ?」
前田聡「どうしました?」
涼木雪「前田くん、 手にケガしてるよ!」
前田聡「はい」
前田聡「大した事はないです」
涼木雪「いや、大した事あるよ!」
涼木雪「病院行ってないの?」
前田聡「はい」
涼木雪「じゃあ、私の部屋に来て」
前田聡「え?」
涼木雪「簡単な手当てなら出来るから」
前田聡「・・・はい」
〇黒
〇街中の道路
〇白いアパート
〇女性の部屋
涼木雪「よし!」
涼木雪「包帯巻いたから」
涼木雪「明日、自分で病院行ってね」
前田聡「はい」
前田聡「ありがとうございます」
前田聡「あの」
前田聡「涼木さん」
涼木雪「ん?」
前田聡「・・・」
前田聡「自分は涼木さんに対して」
前田聡「愛を感じています」
涼木雪「え?」
涼木雪「ええ!」
涼木雪「なに?いきなり!」
前田聡「はい」
前田聡「広義の意味での愛です」
涼木雪「え?」
涼木雪「広義の愛?」
涼木雪「あ、あぁ・・」
涼木雪「マザーテレサ的な感じ?」
涼木雪「びっくりしたぁ」
涼木雪「あの・・」
涼木雪「誉めてくれてるんだよね」
前田聡「もちろんです」
涼木雪「・・ありがとう」
涼木雪「恥ずかしいな」
前田聡「どうしてです?」
前田聡「本心を伝えたのですが」
涼木雪「・・・」
涼木雪「恥ずかしいよ」
前田聡「・・・」
前田聡「・・・」
前田聡「・・・」
前田聡「涼木さん」
涼木雪「え?」
涼木雪「なに?」
前田聡「・・これで失礼します」
涼木雪「え・・」
涼木雪「急にどうしたの?」
〇白いアパート
〇荒れた公園
前田聡「何をするつもりだ」
ケイオス「邪魔者を消すんだよ」
ケイオス「キサマだ」
前田聡「・・・」
前田聡「・・・」
前田聡「お前には無理だ」
ケイオス「フッ」
ケイオス「始末してやる」
前田聡「・・・」
前田聡「・・・」
ケイオス「キサマの弱点は」
ケイオス「あの女か」
ケイオス「俺みたいなのは、もっといるぜ」
前田聡「・・・」
前田聡「・・・」
前田聡「猶予期間を取り消す」
前田聡「今から任務を執行する」
〇荒れた公園
〇黒
〇荒れた公園
〇黒
〇空
〇白いアパート
〇女性の部屋
〇街中の道路
〇オフィスビル前の道
〇物置のある屋上
〇荒廃したショッピングモール
〇荒れた倉庫
〇廃ビルのフロア
富田真理「お疲れ様でした」
富田真理「無事で良かった・・」
前田聡「はい」
富田真理「私の方も、ある程度の成果が出たよ」
富田真理「では、今回の任務は終了です」
富田真理「ありがとう」
富田真理「じゃあ、帰りましょう」
富田真理「どうかしたの?」
富田真理「ん?」
富田真理「なぁに?」
〇黒
〇物置のある屋上
涼木雪「・・は~あ」
安田愛「なんですか?」
安田愛「またタメ息なんてついて」
涼木雪「あ、愛ちゃん・・」
安田愛「前田くんの事、想ってたんでしょう?」
涼木雪「うん」
涼木雪「あ・・」
涼木雪「いやいや!違うから!」
安田愛「隠さなくてもいいじゃないですか」
涼木雪「・・・別に隠してる訳じゃないけどさ」
安田愛「ふふっ」
涼木雪「・・・」
涼木雪「そ、そういえば、愛ちゃん」
安田愛「なんですか?」
涼木雪「最近、怪人は出現してないの?」
安田愛「は?」
安田愛「怪人・・ってなんでしたっけ?」
涼木雪「あの本物だっていう、動画のやつ」
安田愛「動画?」
安田愛「ああ!」
安田愛「あんなのCGに決まってるじゃないですか」
涼木雪「え?」
安田愛「まったく子供ですねぇ、雪さんは」
涼木雪「・・・」
安田愛「そうだ」
安田愛「新しい怪人の動画上がってましたけど」
安田愛「二番煎じですよね、これ」
安田愛「リアルですけど」
〇入り組んだ路地裏
〇物置のある屋上
安田愛「どうですか?」
涼木雪「う~ん」
涼木雪「・・・」
涼木雪「CGでしょ」
安田愛「ですよねえ!」
〇オフィスビル前の道
安田愛「雪さん!」
安田愛「元気出してくださいね!」
涼木雪「え?」
涼木雪「私は元気だよ」
涼木雪「じゃあね!」
安田愛「はい」
安田愛「また、明日」
〇街中の道路
涼木雪「・・・」
涼木雪「あ~あ」
「こんにちは」
涼木雪「え・・」
涼木雪「前田くん!」
涼木雪「え?」
涼木雪「元の場所に戻ったんじゃないの?」
前田聡「謝らなければいけない事があるので」
涼木雪「え?」
涼木雪「なに?」
前田聡「はい」
前田聡「涼木さんを試す為に」
前田聡「わざと仕事をミスした事です」
涼木雪「あ、ああ・・」
涼木雪「あれ、わざとだったのね」
涼木雪「よく判らないけど」
涼木雪「全然、大丈夫だよ!」
前田聡「ありがとうございます」
涼木雪「えっと・・」
涼木雪「その・・」
涼木雪「・・すぐに戻っちゃうの?」
前田聡「いえ」
前田聡「しばらく、こっちにいる事になりました」
涼木雪「そうなの?!」
涼木雪「やった!い、いや、そうなんだ」
前田聡「はい」
前田聡「また、よろしくお願いします」
涼木雪「こちらこそ、よろしくね!」
前田聡「はい」
涼木雪「ははっ」
涼木雪「え?」
涼木雪「あ!今日、花火だね!」
〇黒
守りたい人がいます
〇空
〇黒
〇黒
〇地球
〇入り組んだ路地裏
〇黒
〇廃ビルのフロア
富田真理「・・・」
富田真理「そう・・」
富田真理「じゃあ」
富田真理「絶対、無事でいてね!」
終
自動タップで読ませていただきました。エフェクトと効果音の使い方が秀逸で要所要所が映画の一部のようにも感じました。
「まばたき」のような細かいこだわりも魅力的です。むしろタップノベルの機能が物足りなく思えるほど作りこまれている作品でした。
バトルシーンがすっごくかっこよかったです!
怪人にもいろんな人達がいて、地球人との共存を願っている人は上手くいきそうな感じがするんですが…どうでしょう。
怪しい人=怪人の方式が成り立つほど、いわゆる暴力的な怪人ではなく、私たち人間の次元ではちょっと怪しい雰囲気の怪人で好感がもてました。何事も穏便に処理できる能力、私たちにとても必要です!