カウント3 ~もうすぐ世界がヤバイそうです~

アーム・ザ・コニー・ロト男

第12話 『世界脅威』(脚本)

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〇山の展望台(鍵無し)
相田英雄「おーい、ヤギちゃん。こっちこっち」
八木カモメ「ごめん、遅れた」
黒崎検事「それで? これはどういうことだ、ヤギ? あのパクリロボットの願いは、女神に回収されてなかったことになったはずだ?」
八木カモメ「そのはずなんだけど・・・」
相田英雄「さっきヤギちゃんがSNSでも言ってた通り、ウラちゃんも消えてないもんな」
黒崎検事「ヤギの右手の数字は『3』に戻っている。つまり女神によるリセットがかかったのは間違いない」
黒崎検事「だが、かつてヤギが叶えた願い事がこうして今、目の前にある」
八木カモメ「・・・・・・」
八木カモメ「今朝の夢で会った時、女神様が言っていたんだ。『まずは最初の世界脅威だ』って」
八木カモメ「それはヤギンゲリオンで間違いないと思う。そうだよね、ウラたん」
ウラたん「はいです。あのロボットが世界を滅ぼす、特大の世界脅威です!」
「・・・・・・」
黒崎検事「・・・原因の追究は後回しだ。 まずはこの状況をどうにかするべきだろう」
黒崎検事「今朝方未明、突如出現したヤギンゲリオンは近くにある都市部に向けて歩き出し、進路上の建物を次々と破壊」
黒崎検事「そのまま移動を繰り返し、すでに幾つかの主要都市が潰され、被害は拡大し続ける一方だ」
八木カモメ「うーん・・・どうしよう」
相田英雄「ヤギちゃん、ヤギちゃん。こういう時こそ、敵の情報から対処法まで何でも教えてくれるサポートキャラの出番でしょ」
八木カモメ「そうだった! ウラたん! これからどうすればいいか教えて!」
ウラたん「おまかせなのです、ウラにおまかせです♪」
ウラたん「まずはご主人様が『カウント3』を使って『ワープ能力』を獲得しましょう」
八木カモメ「おお、いいね! それでそれで!?」
ウラたん「続いて『洗脳能力』も獲得しましょう」
相田英雄「せ、洗脳?」
ウラたん「準備ができたら手始めに、某大国の首相官邸にワープして、そこにいる大国の首脳陣を一人残らず洗脳★」
黒崎検事「・・・・・・」
ウラたん「そうしたら大国が所有するミサイル全てをロボットに向けて一斉に発射して・・・」
八木カモメ「いやいやいやいや、ちょっと待ってよ、ウラたん! それヤバイ、それはヤバイ!」
相田英雄「そんなことしたら、あのロボットどころか、この国が焦土になるから!」
ウラたん「世界を救う為には小さな犠牲なのです、きゃぴ★」
相田英雄「いや、きゃぴ、じゃねぇから!」
ウラたん「ですが、それでも脅威を完全に破壊できません。せいぜいが足止めです」
黒崎検事「そんなバカな!」
ウラたん「なにせ、あのヤギンゲリオンにはATフィールドという無敵に近いバリア機能が──」
黒崎検事「おい、ヤギ!」
相田英雄「やっぱりパクリじゃねぇかよ!」
八木カモメ「オマージュだから! でも外せないから! 心の壁は!」
相田英雄「知らねぇよ!」
黒崎検事「・・・というか、ダメだ。 ウラの案は被害が出過ぎる」
ウラたん「おいおい、メガネ。そんなことで世界を救う気なのですか~? ちゃんちゃらおかしいのです★」
黒崎検事「おい人形。お前、全てが終ったらマジで覚えていろよ」
相田英雄「ウラちゃん。ちなみにだけど『カウント3』の最後の願いはどう使うつもりだったの?」
ウラたん「ミサイル攻撃で半溶解し、一時的にバリア機能が停止したロボットに、防護服を着たご主人様がワープで接近」
ウラたん「ロボットに触れて『消滅させる』と願ってミッションこんぷりーとです★」
相田英雄「いや、だったら、そもそも最初の願いが『ロボットを消滅させる』でいいんじゃね?」
ウラたん「うーん。でもたぶんダメなのです。 ご主人様がそう決めてしまっていますから」
黒崎検事「? どういうことだ、ヤギ?」
八木カモメ「いや、ちょっと俺にも分からないんだけど・・・どういうこと、ウラたん?」
ウラたん「ご主人様は、『カウント3』を使ってあのロボットを消すとしたら、どうしないとダメだと思いますか?」
八木カモメ「いや。そりゃ、やっぱり触れて願って・・・消す、みたいな」
ウラたん「そうです。その固定概念です。それが『カウント3』によって特定の願いを叶える時の制限になっているのです」
黒崎検事「だが、それはイメージの仕方次第だ。ヤギが考え直せばいいだけだ。『遠くからでも消せるモノだ』と思えば──」
ウラたん「不可能ではないですが、すぐには難しいでしょう。それだけ最初に定着したイメージは覆りづらいのです」
黒崎検事「ヤギ、なんとかしろ!」
八木カモメ「ああ、うん。なんとかするけど・・・」
ウラたん「無理強いはよくありません。失敗したら願いが一つ無駄撃ちになる可能性もあります」
ウラたん「失敗したら願いが一つ無駄撃ちになる可能性もあります」
相田英雄「でも『カウント3』って何でも叶うチート能力なんだろ?」
ウラたん「そうです。『カウント3』はご主人様の"願望通りに世界を改変する"最強能力です」
相田英雄「逆に云えば、ヤギちゃんの"想像した通りにしかならない"」
黒崎検事「まさに、ヤギ次第ということか」
ウラたん「あのロボットが動き続ける限り、被害は拡大していきます」
ウラたん「まもなくあのロボットに対して、この国だけでなく世界中から軍事攻撃が始まります。そうすれば、どの道この国は滅びます」
ウラたん「ですが、あのロボットは、世界に現存するどの兵器を使っても完全に破壊することはできません」
ウラたん「結果、あのロボットによる被害は世界中に広がっていき、やがて・・・」
ウラたん「世界は滅びます」
「・・・・・・」
黒崎検事「・・・ある程度の想定はしていたが、これは想像以上だな」
相田英雄「もう、ここまでくると、なんだか笑えてくるよな」
黒崎検事「やはり世界を救う鍵は、ヤギの『カウント3』か」
八木カモメ「・・・・・・」
八木カモメ「よし、やってみよう」
相田英雄「いや、ヤギちゃん。 意気込むのはいいけど、この状況だよ? よほど何か考えないと──」
黒崎検事「分かった。ヤギ、お前の思う通り、好きにやってみろ」
相田英雄「クロケン?」
黒崎検事「もはや俺たちがどうこう考えたところで、状況は変わらない。ならヤギに賭けるしかない」
黒崎検事「それにあのロボットを生み出したのはヤギだ。アレの倒し方はヤギが一番知っているはずだ」
相田英雄「・・・確かに」
黒崎検事「たがヤギ。今回は俺から1つだけ条件を出させてもらう」
八木カモメ「条件?」

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