夕焼けの憂鬱 ?  

こじろう

読切(脚本)

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〇田園風景
  ある日曜日の夕暮れどき

〇田園風景
  ひろしとけんたは歳違いの幼なじみ
  幼少の頃から仲のいい間柄である

〇田園風景
  一日遊んだあとの夕暮れはなんでこんなに悲しいんだろうな

〇田園風景
  あにきそれはあしたが月曜だからですよ
ひろし(そりゃそうだ。明日は月曜だ)
  で、あにき。なんで悲しいんでしょうか?
  あにきいつも、夕焼けみながら「あしたげつようか は~~~」 って ためいきですよ
ひろし「月曜になればまた学校で授業があるからだ」

〇田園風景
  でもあにき。あしたの給食はカレーライスですよ
ひろし(おっ,そうか。そりゃたのしみだぜ)

〇田園風景
  あにきはカレーライスのときはなんばい、いけるんですか?
ひろし「二杯だ」
  えっ、たったのにはい?あにきにしてはすくないですねえ

〇田園風景
  いわれてんだよ。カクロクからよ
  カクロクせんせいからいわれちゃしょうがないですね
ひろし「なあに。ほんとは二杯までといわれてんだが、山盛りにすれば四杯ぶんにならあな」
  あにき。さすがですねえ
ひろし(ここがちがうんだここが (どや顔で頭を ゆびさす))

〇田園風景
  あにき。ぼくはあにきがいれば月曜日だって火曜日だってなにようびだって楽しいんです
ひろし(おまえなあ。いつでもおれがついてるわけじゃねえんだぞ)
  いいえ。あにきはいつだってついてるんです

〇田園風景
ひろし(なんだ。まさかおまえこころのなかにいるなんていうんじゃねえだろうな)
  えっ。わかってるじゃないですか、あにき
ひろし「おまえなあ・・・」

〇田園風景
  ぼくはあにきの背中をみて育ちましたから、目の前にはいつだってあにきがいるんです
ひろし(まあ、いいさ。けんぼうの好きなようにすれば)
  あにき。いつだってそんなにやさしいから、いつだって甘えちゃうんですよ。

〇田園風景
ひろし「そういや、けんぼう。この前公園でちびっこたちと遊んでたよな」
  えっ?あにき。 みてたんですか?
  声かけてくれればよかったのに
ひろし(あまりに楽しそうだったからよ。声かけずにいたんだ)
  それもあにきの「やさしさ」っすね

〇田園風景
ひろし「ところであのちびっこたちとは、よく遊んでるのか?」
  いえっ。あの日はじめて会ったんですよ。
ひろし「そうか」
  実はあの子たちのひとりがちょっと、さびしそうだったんですよ。ひとりだけみんなとはなれて、ぽつんといたんです。
ひろし「そうだったのか」
  はい。引っ越してきたばかりでなかなか
  みんなにはなしかけられなかったようです。それでぼくが一役かったわけなんです。
ひろし「ほう。どんなことをしたんだ?」
  かんたんですよ。
  その子といっしょにみんなのとこいって
  「いっしょにあそぼうよ」
  ってはなしかけたんです
ひろし(そうか。それでいっしょに遊んでたんだな)
  はいっ
ひろし(でもようけんぼう。あのなかで、おまえが一番たのしそうだったぞ)
  へへっ。たしかに楽しかったっすよ。すげえ

〇田園風景
  あっ あにき。あしたの朝はごみ置き場にごみをすてにいく日ですよ
ひろし(おう。そうだな。おたがいごみ捨て役をまかされてるんだよな)
  そうです。うちのネエちゃんがごみをすてる役はいちばんかっこいい人がやるっていってたんで、あにきもやってるんですよね
ひろし「おまえ余計なことはいわなくていいんだ」
  しかも、いのいちばんに、ごみ置き場にかけつけるってのがあにきらしいです。ネエちゃんもほめてましたよ
(そっ。そうか。まあ男としては当然のことよ)
(なんか明日もいい日になりそうな気がしてきたぜっ)

〇田園風景
  ひろしの頬は赤くそまっていた。無論夕焼けに照らされたからではない。

コメント

  • どこか懐かしい感じのする、実家に帰りたくなるような物語でした。今までの恋愛物のキュンとはまた別のキュンをこの作品を通して感じました!素敵な物語ありがとうございます!!

  • 遠くからカラスの鳴き声が聞こえてきそうな、ノスタルジックな雰囲気に引き込まれました。
    何気ない会話なのに彼らの魅力たっぷりなストーリーで、「ひろしくん、明日もゴミ出し頑張って!」と思わず応援したくなりました!いつかひろしくんの恋が実りますように✨

  • 何気ない日常が、とても幸せな空間に思える作品でした。
    カレーのくだりがすごく楽しそうで、私もカレーが食べたくなってきました。笑

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