第10話 『新たなる仲間』(脚本)
〇異次元空間
女神ウヌバス「私言ったわよね。世界を滅亡させる脅威が起こるまで、『カウント3』は使うなって」
女神ウヌバス「カモメ。 アンタ、私のこと舐めているでしょ?」
八木カモメ「いえ、決してそんなことは。女神様のことは舐めてないです。むしろ舐めたいですけど」
女神ウヌバス「変態か!」
女神ウヌバス「いい! とにかく次にふざけたことしたら、消すからね! 物理的に!」
八木カモメ「えっ、俺のことを、ですか?」
女神ウヌバス「アンタじゃなくて、アンタの下半身の真ん中についているヤツだけ消すから」
〇教室
八木カモメ「という訳で、念願である童貞喪失すらできなくなる可能性が出てきたので、今後の検証実験は全て中止にしたいと思います」
黒崎検事「よし、続行だな」
相田英雄「次はどうする?」
八木カモメ「ねえ、聞いてた!? 俺の息子が消滅の危機なんだって!」
黒崎検事「世界を救うには必要な犠牲だ」
八木カモメ「俺にとっては耐え難い犠牲なんだって! いや、あの女神様、やると言ったらやる女神様だから! マジでヤバイって!」
黒崎検事「気にするな。そんなのはただの脅しだ。これだけ何度も『カウント3』を無駄遣いして辞めさせられないのが良い証拠だ」
黒崎検事「それにこうして『カウント3』の使い方に慣れておくのは、世界を脅威から救いたい女神にとっても、メリットにもなる」
相田英雄「というかさ。そろそろ世界を滅ぼす脅威ってヤツの正体を知りたいよな」
黒崎検事「確かに脅威が分からない以上、具体的な対策は練りようがないからな」
八木カモメ「・・・ならさ。 『カウント3』を使えばいいんじゃない」
「・・・・・・」
相田英雄「それだ! ヤギちゃん、ナイスアイデア!」
黒崎検事「確かにその手があったな。それで? どういう願いにする?」
八木カモメ「うーん。よくゲームとかにある、そういったことを知らせてくれるお助けアイテムみたいなのがいいんじゃないかな?」
相田英雄「でもさ。そういうのだと、中途半端なヒントしかくれなさそうじゃない?」
相田英雄「ただ脅威が近づいているのが分かるだけ、とか。いつやってくるか分かるだけ、とか」
黒崎検事「確かに、それでは意味がないな。今、必要なのは、世界を滅亡させる脅威の具体的な情報だ」
黒崎検事「前回のロボットの時のこともある。願いを発動させる前に、まずは必要な項目をピックアップした方がいいな」
八木カモメ「えっと、そうすると・・・。まずはとにかく、世界を滅ぼす脅威の正体を教えてくれることか」
相田英雄「というかさ、どうせだったら全部に教えてくれるヤツがよくない?」
黒崎検事「脅威の正体に加えて、その全容をデータとして詳細に提示してくれるということか?」
相田英雄「いや、それどころかさ。もうその脅威の対処法まで全部教えてくれるの」
八木カモメ「おお、それいいね! じゃあもうそのお助けアイテムの言う通りにすれば、世界の危機を回避できるんだ!」
相田英雄「そう。そういうこと」
黒崎検事「スケヒロにしてはいいアイデアだな。そうなるともはやお助けアイテムではないな。サポートキャラといったところか」
相田英雄「そうそう、そんな感じ」
黒崎検事「そうなると。『カウント3』で人間を生み出す、ということか」
八木カモメ「いや、そこはゲームみたいに精霊とか動物とかでもいいんじゃない? 可愛いぬいぐるみとか」
相田英雄「ヤギちゃん、結構ファンシー派だね」
八木カモメ「可愛いキャラクターとかいいじゃん。 俺、そういうの好き♪」
相田英雄「俺は断然女の子がいいな。可愛い系の。 あとオッパイが大きい」
黒崎検事「・・・そうだな。 女のサポートキャラにするか」
相田英雄「おおっ! 女子がそんなに好きじゃないクロケンからまさかの発言!」
黒崎検事「別に女が嫌いな訳じゃない。理屈が通らないことでイチイチ騒ぎ立てる女は反吐が出るほど嫌いなだけだ」
相田英雄「あー怖い。まー怖い。 クロケンのそういう所が怖い。 それが女の子だから」
黒崎検事「まあ、性別云々というより、どちらかというと、ヤギの願いによってどう人間が生み出されるのかが見たいというのが本音だ」
八木カモメ「・・・・・・」
八木カモメ「・・・なんかそう言われると、メッチャ怖くなってきたんだけど」
相田英雄「クロケン、ヤギちゃんビビらすなよ! これで結構デリケートなんだから!」
相田英雄「まあとにかく可愛い女の子にしよう。 好みはヤギちゃんに任せるからさ」
黒崎検事「具体的な能力としては、とにかく世界を滅ぼす脅威の詳細に加え、その対処法までナビゲートしてくれる、だな」
八木カモメ「他は何かある?」
相田英雄「俺、料理上手な子がいいな」
黒崎検事「当然、知能が高い方がいい。 阿呆は定員オーバーだ」
八木カモメ「そうだね。後は・・・ネットに繋がりやすいと助かるかな」
相田英雄「・・・えっ? なんて? 今、なんか変な単語出てこなかった?」
八木カモメ「よし。だいたいイメージは構った。それじゃいってみようか、『俺の願い、発動★』」
ピカッ
八木カモメ「『俺たちが世界を救えるように全てを教えてくれるサポートキャラ、出てこいや~』」
ピカッ
「・・・・・・」
相田英雄「・・・ちょっと、ヤギちゃん。えっ? なにこのぬいぐるみみたいな女の子?」
八木カモメ「可愛いでしょ」
相田英雄「イヤイヤ、こういうのじゃねぇよ! 俺が求めたのは実寸大で俺の言う事を都合よく聞いてくれる従順な女の子であって・・・」
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