第7話 『検証実験 その1』(脚本)
〇ファミリーレストランの店内
第一次『カウント3』能力検証テスト
テスト内容
『他人に超能力を与えることができるのか否かについての検証』
被験者:相田英雄
相田英雄「ぬん!」
八木カモメ「あっ、ウェイトレスさんのスカートがふわっとなった!」
黒崎検事「どうやら上手くいったようだな」
黒崎検事「今回の2つ目の願い『相田英雄がサイコキネシス能力を使えるようになる』により、スケヒロは超能力を獲得した」
黒崎検事「実験は成功だ」
相田英雄「・・・・・・」
相田英雄「・・・ふっふっふ、あーはっはっはっ」
八木カモメ「ちょ、ヒロ。ファミレスで高笑いは止めなって。目立つから」
相田英雄「見たか、ヤギちゃん、クロケン! 俺は力を手に入れたぞ!」
黒崎検事「いちいち言われなくても分かっている」
相田英雄「これで俺は、あーんなことやこーんなことがし放題だ!」
相田英雄「これがどういうことか分かるか、二人とも」
相田英雄「そう。俺は」
相田英雄「世界を、手に入れたのだよ」
黒崎検事「貴様はドヤ顔で何を言っているんだ? そんな御大層なモノじゃ──」
八木カモメ「な、なんてことだ! 俺の願いがとんでもない怪物を生み出してしまった!」
黒崎検事「頭を抱えるな。 というかイチイチ乗るな、ヤギ」
相田英雄「ふっふっふ。どうだ、二人とも? 今、我に忠誠を誓い配下となるのならば、我が喜びを分かち合ってやらんこともないが」
黒崎検事「部下になれば、一緒にスカート捲り楽しませてやろうと。貴様は人を舐めているのか?」
八木カモメ「ゴクリ」
黒崎検事「唾を飲むな。目を泳がせるな。 というか悩むな、ヤギ。律儀か」
黒崎検事「阿呆共が。茶番はそこまでにしろ。 とりあえず最初の実験は終了だ」
相田英雄「というかクロケン。なんで他者に対してだったんだ? ヤギちゃん自身が超能力獲得してパワーアップでいいじゃん」
黒崎検事「『カウント3』の願いにより、ヤギ自身が変化できるのは容易に想像できる」
黒崎検事「その上で、どの程度他人に影響を与えることができるのかを知りたかった」
黒崎検事「本当はスケヒロを見た目共々怪物にすることも考えたが、そこは止めておいた」
相田英雄「考えるなよ! 俺をヤバイ実験の実験台にしようとするなよ!」
黒崎検事「結果、世界を手に入れたんだからよかったじゃないか」
相田英雄「そうだった! じゃあ良し!」
黒崎検事「・・・・・・」
黒崎検事「『カウント3』を使えば、他人をパワーアップさせることができる」
黒崎検事「だが言い換えれば、他人に対し強制的に影響を及ぼせる力でもあるということだ」
黒崎検事「ただ願えばそれが叶う。 自分の意のままに全てを変えることができる。文字通りなんでもアリだな」
黒崎検事「それこそ『カウント3』は世界をも手に入れることが出来るチート能力だ」
黒崎検事「まあ、だが・・・」
相田英雄「よし、次はもうちょっと高度な技としてウェイトレスのお姉さんのブラのホックを外してみよう」
八木カモメ「そんなことができるの!」
相田英雄「今の俺に不可能なことはない! いくぞ、はっ!」
八木カモメ「・・・あっ! ウェイトレスさんがモジモジし始めた! ということは!」
相田英雄「Mission complete」
「うぃぃぃぃぃ!」
黒崎検事「・・・・・・」
黒崎検事「・・・そのチート能力を使えるのが、この阿呆ならば、大したことにはならないだろう」
黒崎検事「ほら、阿呆共。 遊んでないで、さっさと検証を続けるぞ」
八木カモメ「それで、クロ? 最後の願いは何にする?」
黒崎検事「それなんだが、ルール破りをしてみようと思う」
八木カモメ「ルール破り?」
黒崎検事「この手の話にありがちな裏技だ」
黒崎検事「『カウント3』で叶う願い事を、3個から100個にする」
「!」
相田英雄「すげぇ、クロケン! 天才じゃん!」
黒崎検事「ちょっと考えれば誰でも思いつくことだ」
相田英雄「いや、俺はそんなの考えもしなかったし! 流石は常時悪い事を考えていそうな顔をしているだけはあるな、クロケン!」
黒崎検事「顔つきは関係ない。 喧嘩を売っているのか、貴様は?」
八木カモメ「え~? でも、それっていいの? そういうのやっちゃダメじゃない?」
黒崎検事「だからだ。それが通るかが知りたい。 『カウント3』の唯一のネックである数の制限がなくなるのなら、もはや無敵だ」
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