イケメンリーダーの補佐なんて、心臓がもちません!

6Bえんぴつ

読切(脚本)

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〇オフィスのフロア
部長「みんな集まってくれ」
部長「紹介する 北海道支部から来てもらった新しい企画のプロジェクトリーダー、川村秋広さんです」
川村秋広(かわむら あきひろ)「川村秋広(かわむら あきひろ)です よろしくお願いします」
戸田里月(とだ りつ)(あれが噂の、社報の写真より数段カッコイイ!)
戸田里月(とだ りつ)(しかも独身。これは間違いなく女子内で川村秋広の乱が起こるわ)
戸田里月(とだ りつ)(まぁ、私には関係ないけど)
  戸田里月(とだ りつ)32歳
  独身、彼氏なし、派遣社員としてただ真面目に仕事をするのみ。
部長「戸田さんは川村さんの補佐に入ってくれるかな」
戸田里月(とだ りつ)「はい」
戸田里月(とだ りつ)(えっ?聞いてない!思わず「はい」って言っちゃったけど)
戸田里月(とだ りつ)(これまで目立たないようにしてきたのに、これでは女子に反感を!!)
戸田里月(とだ りつ)(って、みんな私を見たけど、問題ないって思ってる?)
戸田里月(とだ りつ)(良かったけど、なんか悲しい・・)
部長「戸田さん。川村さんの社内案内をお願いします」
八木環奈(やぎ かんな)「部長、私が案内します」
戸田里月(とだ りつ)(出た!八木環奈(やぎ かんな)、今日もハートが出まくってる)
戸田里月(とだ りつ)(ぜひ、ぜひ、私は引っこむから)
川村秋広(かわむら あきひろ)「ありがとう。でも、補佐の戸田さんに案内してもらうよ」
川村秋広(かわむら あきひろ)「戸田さん、お願いします」
戸田里月(とだ りつ)(真っすぐ私を見てる。しかも少しかがんで私の目線に合わせてくれてる?)
戸田里月(とだ りつ)(は~。こんなんで、心拍数上がるなんて、どんだけイケメンに免疫ないっていうのよ)

〇オフィスの廊下
  なるべく顔を合わせないよう少し前を歩きながら社内を案内し、無事自分のフロアに戻ってきた。
戸田里月(とだ りつ)「何か、分からない事とかありますか」
川村秋広(かわむら あきひろ)「自販機の場所、教えてもらえますか」
戸田里月(とだ りつ)「はい。ご案内します」
川村秋広(かわむら あきひろ)「僕は、あま~いココアが好きなんだけど。 戸田さんは、何が好き?」
戸田里月(とだ りつ)「私も、ココア好きです。でも、一番好きなのは、カフェラテです」

〇休憩スペース
戸田里月(とだ りつ)「ここです」
川村秋広(かわむら あきひろ)「何か買ってきてもいいかな?」
戸田里月(とだ りつ)「はい」
川村秋広(かわむら あきひろ)「部長にこのプロジェクトを引き受けるにあたって優秀な補佐を付けて欲しいと頼んだんだ」
川村秋広(かわむら あきひろ)「戸田さんという名前は聞いていたんだけど」
川村秋広(かわむら あきひろ)「まさかこんなかわいい女性だとは思わなかったな」
川村秋広(かわむら あきひろ)「はい。戸田さんの好きなカフェラテ」
川村秋広(かわむら あきひろ)「これから、よろしくお願いします」
戸田里月(とだ りつ)「ありがとうございます。お金払います」
川村秋広(かわむら あきひろ)「いりませんよ。案内してくれたお礼。戸田さんはここでゆっくり飲んでいってください」
川村秋広(かわむら あきひろ)「では、また後で」
戸田里月(とだ りつ)(今、サラッとかわいいって言ったよね。聞き間違った?)
戸田里月(とだ りつ)(さり気なく私の好きなカフェラテとか)
戸田里月(とだ りつ)(これから、あんなイケメンと仕事なんて、心臓もつかな?)

〇オフィスのフロア
戸田里月(とだ りつ)「資料できました。見て頂けますか」
川村秋広(かわむら あきひろ)「う~ん。ここ分かりにくいな。やり直しね」
戸田里月(とだ りつ)「はい わかりました」
  その後も、あれやこれやとダメ出しの嵐。
戸田里月(とだ りつ)(川村さんが納得のいく物を絶対に作ってやる)
戸田里月(とだ りつ)「できました」
川村秋広(かわむら あきひろ)「素晴らしいね とっても、良いよ、ありがとう」
戸田里月(とだ りつ)(あの笑顔は、反則でしょう)
戸田里月(とだ りつ)「何なの!このアメとムチ イケメン恐るべし」
  こんな日々が、続き・・・。

〇応接スペース
  とある日
川村秋広(かわむら あきひろ)「戸田さんは、みんなと一緒に食事には行かないんですか?」
戸田里月(とだ りつ)「はい、お弁当があるので」
川村秋広(かわむら あきひろ)「美味しそう。自分で作ってるの?」
戸田里月(とだ りつ)「はい」
川村秋広(かわむら あきひろ)「いつも入っている卵焼き美味しそうだね」
川村秋広(かわむら あきひろ)「卵焼き大好きなんだ」
  彼女をジッと見つめた。
戸田里月(とだ りつ)「・・・よかったら。食べますか?」
  彼にフォークを差し出した。
川村秋広(かわむら あきひろ)「いいの!あ~ん!」
  彼が、大きな口を開けた。
戸田里月(とだ りつ)(食べさせろと!ハードルが高いわ。 そんなの無理ーー!!)
  彼女は、フォークで刺した卵焼きを持ち、どうしたものかと見つめていた
川村秋広(かわむら あきひろ)「パクッ!」
  彼が卵焼きを食べた。
川村秋広(かわむら あきひろ)「おいしい!最高!」
同僚「川村!昼飯に行くぞ」
川村秋広(かわむら あきひろ)「今行く」
川村秋広(かわむら あきひろ)「戸田さん、ごちそうさま」
戸田里月(とだ りつ)(何よパクッって、やめてー!勘違いしそうになる)

〇オフィスのフロア
  プロジェクトも終盤となったある日
戸田里月(とだ りつ)「はぁ~もうこんな時間。でも、もう少しがんばろう!」
川村秋広(かわむら あきひろ)「戸田さん、こんな遅くまで仕事」
戸田里月(とだ りつ)「川村さん!どうしたんですか? 今日は直帰のはずですよね」
川村秋広(かわむら あきひろ)「ちょっと、忘れ物をしてしまって。 もうすぐ終わる?」
戸田里月(とだ りつ)「直ぐには終わらない感じです」
川村秋広(かわむら あきひろ)「手伝うよ」
戸田里月(とだ りつ)「いいえ。これは、私の仕事ですから」
川村秋広(かわむら あきひろ)「僕のために作ってくれてる資料でしょ。 戸田さんのお陰で順調にプロジェクトが進んでる」
川村秋広(かわむら あきひろ)「でも、これが最後だから手伝わせてよ 資料、僕のメールに送って」
  彼は、隣の席に座わってパソコンを開いた。
  二人で協力しながら、数時間後、資料が完成した。
川村秋広(かわむら あきひろ)「さすがだね。かえって僕が手伝って邪魔してしまったかな」
戸田里月(とだ りつ)「いいえ。お手伝い頂いたおかげで、直しなしです」
川村秋広(かわむら あきひろ)「もう遅いし送っていくよ。 一人じゃ危ないし」
戸田里月(とだ りつ)「大丈夫ですよ」
川村秋広(かわむら あきひろ)「もしかして、僕のこと警戒してる?」
戸田里月(とだ りつ)「え?そんなことないですよ」
川村秋広(かわむら あきひろ)「駅まで送るよ」

〇開けた交差点
川村秋広(かわむら あきひろ)「戸田さんには、感謝してる。いつも予想以上に良いものを作ってくれて」
川村秋広(かわむら あきひろ)「無理難題ばかり言って本当は嫌われてないかな」
戸田里月(とだ りつ)「いいえ、嫌うなんて。やりがいを感じて仕事がとても楽しかったです。 お役に立てたなら光栄です」
戸田里月(とだ りつ)「川村さんの駅ここですよね。私はこの先の地下鉄なので」
戸田里月(とだ りつ)「お疲れさまでした」
川村秋広(かわむら あきひろ)「せめて駅まで送くらせてくれないかな」
川村秋広(かわむら あきひろ)「本当は忘れ物なんてしてないんだ。 戸田さんに会いに会社に戻って来たんだよ」
戸田里月(とだ りつ)「えっ!」
川村秋広(かわむら あきひろ)「そんなに驚くなんて。 やっぱり僕の気持ちに気づいてなかった?」
戸田里月(とだ りつ)「・・私のこと、好きってことですか?」
川村秋広(かわむら あきひろ)「戸田さんらしいね。ド直球に聞いてくるか」
川村秋広(かわむら あきひろ)「里月さんあなたが好きです。すごく好き・・・」
戸田里月(とだ りつ)「私も、好きです」
戸田里月(とだ りつ)「・・・川村さん大好き!!」
  ハッピーエンド&二人のスタート♡

コメント

  • 彼の一つ一つの言動から、これまでにさぞモテてきたのだろうな、と思わされました。耐性のない主人公ちゃんの反応も良かったです!素敵な物語ありがとうございました!

  • 自分の恋心に慣れてないヒロインと、じわじわ距離を詰めてくる彼にキュンでした!
    こんなイケメン上司欲しいなぁ、と思ってしまいました(笑)
    二人の恋も仕事も全て上手くいきますように😊

  • 彼は最初から彼女を指名していたんだな。彼女に対する細やかな気遣いとアメとムチを使い分けた仕事の進め方は、仕事の達成感を教えていますね。

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