エピソード1(脚本)
〇女性の部屋
お酒を飲みながらトランプをしている
理子(りこ)とりょう・・・
理子(りこ)「はい!私の勝ち~。 りょう、トランプ弱すぎ」
りょう「いやいや、たまたま! もう一回!」
理子(りこ)「まだ負けたいの?」
理子(りこ)「そうだ! 罰ゲーム付きの勝負は?」
りょう「罰ゲーム?」
りょう「・・・」
りょう「だったら、負けた方が、 相手を3個褒めるっていうのはどう?」
理子(りこ)「はぁ?りょうに褒める所ある?」
りょう「あるだろ!た~くさん!」
りょう「一応言っておくけど、 俺の顔は褒めなくていいから」
りょう「イケメンで、モテモテなのは知ってるし」
理子(りこ)「ぶはっ!」
理子(りこ)「自分で言う?そういう事!」
大笑いする二人
理子(りこ)「どうせ りょうがすることになるのに?」
理子(りこ)「いいわよ!」
カードを配り、ゲームを続ける二人。
りょうの負け
りょう「ちぇっ! また負けだよ」
理子(りこ)「さあ!私の事、褒めなさ~い!!」
上機嫌の理子
りょう、理子の目をじっと見つめる
さらに、ジーっとみつめる
理子(りこ)「な、なに?」
視線のやり場に困った理子。
ビールを飲んでゴマかす。
理子(りこ)「りょうって、無駄に顔だけは良いのよね」
りょう「理子」
理子(りこ)「な、なによ・・・」
りょう「キレイだな」
視線を外さない りょう。
理子(りこ)「ブハッ!」
ビールを吹き出す理子
理子(りこ)「何!急にそんな変なこと」
りょう「ずっと思ってたんだ。 キレイだって」
理子(りこ)「いやいや、幼馴染だっつーの」
うっすら顔が赤くなる理子
りょう「髪が」
理子(りこ)「か、髪ね。うん。ありがとう」
りょう「目も大きくてキラキラしてるし」
りょう「唇の形、めっちゃ理想的だよね」
理子(りこ)「ちょっとちょっと。相手はりょうだよ?」
気まずくて、
りょうと視線を大きく外す理子
りょう「はいっ!」
りょう「まずは3つね!」
りょう、カードを配り始める
理子(りこ)「褒められるって悪くないんだけど」
理子(りこ)「何て言うか・・ もうちょっとサラっと褒めてくれない?」
ソワソワする理子
りょう「そう? 罰ゲームは本気でやらないと 面白くないでしょ?」
次も りょうの負け。
理子(りこ)「今度は、気持ちよ~く褒めてくれる? 気持ちよくね」
りょう「じゃあ・・・いくよ」
理子(りこ)「う、うん」
こんどは、そっと理子の手を取った。
理子(りこ)「はぁッ !?!?」
りょう「このネイル、キレイだね 新作?」
理子(りこ)「あ・・ネイルね。 うん。昨日変えたばかり」
りょう「今日のヘアスタイル、超かわいいね」
りょう「その格好で 他の男に 笑顔を振りまかないように──」
りょう「ウロつかないように」
理子(りこ)「はあ?」
りょう「あ!それから」
りょう「そのリップの色も、超俺好み」
りょう「すっごくセクシーだよね?」
理子(りこ)「さっきから何?」
理子(りこ)「もう酔ったの?まだ1本目だよ」
理子慌てて手を引っ込める
りょう「それだけ似合ってる!って褒めてんの」
理子(りこ)「褒め方があれだけど・・・ ありがとう」
理子(りこ)「っと。新しい飲み物とってくる。 りょうお代わりは?」
理子(りこ)「お水にしとく?」
台所に移動する理子
〇システムキッチン
理子(りこ)「ふう・・・ 何か調子狂うな」
理子(りこ)「りょうだよ? いまさら幼馴染みにドキドキなんて・・」
そっと、手鏡をのぞき込む
理子(りこ)「あれ?ちょっと赤いな」
冷蔵庫の中に頭をツッコんで
顔を冷やす理子
りょう「理子」
理子(りこ)「な、なに?」
りょう「俺もお代わり。 って、お前何やってんの?」
理子(りこ)「いや、別に」
飲み物をりょうに押し付け、
テーブルに戻る理子
りょう「あれ?あれれ? 意外と効いてるな」
ニヤリと笑う りょう
〇女性の部屋
りょう「理子、もう一回! 勝ち逃げとか絶対無し!」
理子(りこ)「また、私が勝ったら りょうがおかしなことを 言い出すにきまってる」
理子(りこ)「そうだ!」
わざと負ける作戦を思いつく理子
りょう「あれ!俺の勝ち? やったね!」
りょう「さあ、さあ!俺の事、褒めて」
りょう「俺の判定はちょっと厳しいよ!」
理子(りこ)「分かった分かった」
理子(りこ)「りょうって、足長いよね~」
りょう「え~そんな事? 事実だから褒め言葉にならないよ~!!」
りょう「やり直し!」
理子(りこ)「メンドくさいヤツね。 う~ん・・・」
理子(りこ)「優しいよね」
うなずいている りょう。
ところが
りょう「これって俺には全~然 褒め言葉に聞こえない!」
りょう「もしかして、八方美人って 嫌味言ってる?」
理子(りこ)「は?」
りょう「だからダメ~ ノーカウント!」
理子(りこ)「じゃあさ! 私だけに超優しい!は?」
りょう「う~ん」
理子(りこ)「超優しくて親切!!」
りょう「・・・」
理子(りこ)「それにとっても」
りょう「とっても?」
理子(りこ)「頼りになる!」
りょう「仕方ない。 おまけで1つめOK!」
理子(りこ)「ふう。さっさと終わりたいのに」
りょう「で?次は?」
理子(りこ)「背が高い、じゃなくて~肩幅が広くて」
りょう「広くて?」
理子(りこ)「男らしい」
りょう「さらに?」
理子(りこ)「思わず~抱きしめたくなる感じ!」
りょう「キター! それはキュンとくる誉め言葉!」
りょう「さあ、最後の3つ目」
りょう「これ以上の褒め言葉が 出てくるんだろうな~」
理子(りこ)「え?これ以上? も、モチロンよ」
理子(りこ)「ちょ、ちょっと待って考える」
グイっとビールを飲み考えこむ理子
嬉しそうにその様子を見つめる りょう
理子(りこ)「えーっと・・・」
りょう「これはあれだな、 時間を決めないと」
理子(りこ)「え?」
りょう「いつまでも罰ゲームが終わらないから、 あと10秒だけ待つ!」
りょう「タイムオーバーしたら、 罰ゲームの罰ゲーム!」
りょう「1つ俺の言う事を必ず聞く事!」
理子(りこ)「何それ!!! 無理無理!」
理子(りこ)「どうせあんた、すっごい無茶ぶりするから、絶対無理!」
りょう「10! 9!」
理子(りこ)「ちょっと待って待って!」
理子(りこ)「私の後輩が」
理子(りこ)「・・・」
りょう「8!7!」
理子(りこ)「りょうを紹介してって しつこくて・・ だから」
理子(りこ)「紹介したいほどいい男!」
りょう「・・・6!5!」
理子(りこ)「え?なんで?これって褒め言葉じゃん!」
りょう「お前本気で言ってるのか?」
理子(りこ)「え?」
りょう「いい男はともかく」
りょう「紹介するって」
理子(りこ)「?」
りょう「4!3!2!」
りょう「1!」
理子(りこ)「紹介・・・ したくないほど大事な人」
にっこりする りょう
りょう「よく出来ました!」
理子の髪をクシャクシャっと撫でると
りょう「今日はこのくらいで勘弁してやろう!」
りょう「そっか~紹介したくないのか~」
りょう「悪くないねえ~」
ご満悦のりょう
りょう「好きな女に他の女を紹介されてもね~」
りょう「ね?」
お酒飲んで罰ゲームって何があるのかドキドキでしたが、とても爽やかな内容でした。平然としていた彼女がタジタジして最後に本音を言ってしまう…素敵なお話でした。
ラブラブですね。笑
これ二人ともわかってやってますよね?的な罰ゲームでした!
展開がまたかわいくて、キュンキュンしました!
この二人をいつまでも見守っていたいです...
素敵なお話でした!!