生と死と

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エピソード1(脚本)

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〇渋谷駅前
雪乃「ごめーん」
雪乃「まった?」
悟「いや待つわけないだろ・・・」
雪乃「だよねー」
雪乃「じゃあ」
雪乃「いこっか」
悟「とりあえず飯でも行くか」
悟「あーでもその前に映画のチケット取りに行かないとな」
雪乃「私行ってこよっか?」
悟「頼んだ」
  ・・・
雪乃「はいこれ」
悟「相変わらず早いな」
雪乃「えへへ〜褒めても何も出ないよ?」

〇渋谷のスクランブル交差点
悟「なぁ雪乃」
悟「今度は海とか行こうぜ」
雪乃「うーん」
雪乃「ごめんね」
雪乃「私も悟と色んなところに行きたいんだけど」
悟「いや、お前が悪いわけじゃないんだ」
悟「でも、前みたいに戻れたらと考えてしまって」
雪乃「大丈夫だよ!」
雪乃「お父さんがもうすぐどこでも行けるようになるって言ってたよ!」
悟「だよな・・・」
悟「・・・」
悟「愛してる」
雪乃「私も愛してる」
悟「僕も早くそっちに行くよ」
雪乃「うん!」
雪乃「待ってる!」

  数年前

〇渋谷駅前
総理「日本国民の皆さん」
総理「我が国の人口減少は近年ますます加速しています」
総理「今後1世紀内に日本人が消滅する可能性も現実のものとなりました」
総理「そこで日本国政府はこれに対応すべく、不老不死研究への大規模な支援を実施することを決定いたしました」
総理「不老不死の実現には国民の皆さんの協力が不可欠です」
総理「治験への積極的な参加をお願い致します」

  かくして不老不死計画、通称『フェニックス』プロジェクトは始まった
  主な達成目標は二つある
  肉体の永久保持と電脳化だ
  当初は共に盛んな研究が行われたが、肉体の永久化には技術的な壁が存在することが判明した
  早急な不老不死の達成が求められるは日本では、やがて予算のほとんどが電脳化研究に回されるようになった
  我々は我々の魂をサーバーに移すことで不老不死になろうとしたのだ
  電脳化研究は比較的速やかに進み、猿の電脳化や治験として行った末期病患者の電脳化も成功した
  政府は速やかに電脳化を希望する国民を募集した
  人口減少で衰え続ける我が国に絶望を抱いていた国民の多くが肉体を捨てることを選んだ
  家族と共に電脳化を希望した人も多かった
  しかし、いくら人口が減少していると言っても国民全ての電脳化にはかなりの時間を要する
  電脳化は順次行われることとなった
  しかし、そこで新たな問題が発生した
  電脳化した人たちと肉体を持つ人たちで実際に会ってコミュニケーションを取りたいと考える人が大量に発生したのだ
  そこで政府は電脳化した人々をホログラムによって投影する計画を発表
  ホログラム技術の実装が行われた最初の地区が

〇渋谷のスクランブル交差点
  『渋谷』だったのだ
  東京や大阪、名古屋などの都市を中心にホログラムは実装されていったが
  当然、電脳化が最優先であるため何処にでも行けるほど広がることはなかった
  なので現実世界では、電脳化した人々と主にスマホを通じてコミュニケーションを取ることが未だ普通の光景である

〇渋谷駅前
  速報です
  福岡にて電子パルス攻撃が確認されました
  福岡上空で核が爆発したものと思われます
  東京もけいか

コメント

  • 電脳化というのは肉体をもたなくなっても脳の考える機能や心の部分は永遠に生き続けるということなのかな。人間の命というのは限りがあるからこそ美しく、生きている意味があると思うのだけど、こういう技術があったら世界はどうなるんだろうと、起こり得るかもしれない未来への想像を膨らますのがおもしろかったです。

  • 現代の日本も、口では少子高齢化対策、未来の子供のためにと謳っていますが、実際は数多い高齢者側に偏った政策が多いように感じます。
    不老不死計画というのも、このままいけば現実味帯びてきそうな気もします…。

  • こんなことが本当に起こったらどうなるでしょうか、、、愛する二人がこんなことで引き離されたら言葉にならない。カップルだけにととどまらず、友人、家族も想像すると悲しくなりました。

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