新たな仲間?(脚本)
〇パドック
パドックの馬の様子を気にしながらも、ナオさんは移動をした。私は彼女から離れないようにと懸命に追いかける。
〇劇場の座席
そして、到着した場所はまるで映画館のような場所。大きなスクリーンには競馬中継が流れている。
小田 ナオ「ごめ~ん!お待たせ~!」
???「遅かったねー、迷子になったんじゃないかってお兄さんは心配で心配でぇ~」
小田 ナオ「はいはい、無駄なご心配をおかけしました」
???「てっきりパドックを見終わってから戻ってくるもんだと思っていたよ」
小田 ナオ「そうしようと思ったんですが、新しい仲間を紹介したくって♪」
「新しい仲間?」
小田 ナオ「はい!こちらは早希ちゃん!」
山川 早希「山川 早希といいます。大学生です!」
山川 早希「よろしくお願いします! 競馬は初心者なので、分からないことばかりですが・・・・・・」
津村「津村だ。よろしく!」
山路「俺は山路。みんなからはヤーさんって呼ばれてるよ」
こうして紹介された私は、すぐに歓迎をされて溶け込むことができたのだった。
〇パドック
小田 ナオ「じゃあ、改めてパドックの説明をしよっか♪」
山川 早希「よろしくお願いします!」
小田 ナオ「まずは馬の体の状態だったり、気分を読み取ることが重要なんだけど、最初の内は分からないと思うから、まずはデータの見方からね」
山川 早希「データですか?なんだか難しそう・・・・・・」
山路「なに、深く考えなくていい。まずは出走する馬をチェックしよう!あそこに電光掲示板があるだろ?」
パドックの先には大きな電光掲示板があり、馬や騎手の名前、それに多くの数字が並んでいた。
小田 ナオ「右半分はオッズと言って、100円賭けに対しての倍率よ。今は倍率を考えずに、左半分の出走馬を見てみようか」
東京8レースと電光掲示板には書かれている。全部で18頭。
山路「馬の横に書かれている数字はゼッケン番号ってのは分かるな?」
山川 早希「はい。でも、端にも別の番号がありますよ?」
山路「枠番といって、二頭で1セットにしている番号だ。頭数によって変動があるがな」
小田 ナオ「枠連っていうのがあるから、同じ枠番に入った馬を一頭に絞れない時は活用してみるといいかもね♪」
山川 早希「はぁ・・・」
津村「馬名の右にある三桁の数字は馬の体重を示している」
小田 ナオ「平均で450~500㎏ぐらいかな。馬によってはベスト体重っていうのがあるから、それは過去を追いながら判断するの」
山川 早希「-3って書いてあるのは?」
津村「前走からの体重の増減を示した数字だ。前走から3キロ減ったと表しているが、それが、調教のおかげか、食欲不振からなのか」
小田 ナオ「反対に+20って馬もいるけど、ただ単に肥えちゃったのか、成長した筋肉量で増えたのかも見定めるのも大切よ」
山路「2歳から3歳半ばまでが、成長の変動が大きいことを覚えておくといいぞ」
なんだか、既に覚えることが多くて、頭が追いつかなくなってきた。彼らは教えることが楽しいのか、なおも説明を続ける。
【枠】・・・1~8枠設けられる。18頭の場合、2頭ずつ。頭数が少なければ、一頭のみで1セットになることもある。
【馬体重】・・・±0の場合、『増減がない』という。レース会場に向かう輸送や怪我明けが、増減幅に大きく影響されやすい。