Sparking Carats!

西園寺マキア

第34章 鏡(脚本)

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西園寺マキア

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〇空
  MoonlightCupまであと2週間──

〇豪華な部屋
ハナ「はぁ・・・」
  ハナは白鳴館の生徒会室で大きなため息をついていた
りょう「こらこらー! 生徒会副会長ともあろう方がため息なんてつかないの!」
  隣でコロコロと笑っているのはりょうだった
  生徒会室のソファに深く腰掛けている
  白鳴館は一流の名家出身の生徒たちの通うお嬢様学校で、世間憧れの学び舎だった

〇華やかな寮
  その中でも生徒会は一流の才能・品格を持ち合わせた
  才女のみが選ばれるエリート集団で、全校生徒から宗教染みた人気を誇っていた
  副会長であるハナはプリンスと呼ばれ、
  芸能人という肩書も相まって学園内では神のように崇める生徒も少なくない

〇豪華な部屋
りょう「そんなアンニュイな表情してたら、その辺で2~3人倒れてもおかしくないよ~?」
ハナ「やめてよ・・・」
  りょうは軽くハナを小突いたが、当の本人は上の空といった様子だった
ハナ「そっちはMoonlightCupの練習、うまくいってそうね」
りょう「まあねー、負けるつもりは1mmもないかな」
ハナ「そう・・・」
  りょうは少し食って掛かったつもりだったが、それすら効いていなさそうな雰囲気だ
りょう「ねえ、ほんとに大丈夫・・・? CRESCENT、レッスン上手くいってないの?」
ハナ「いや・・・そういう訳じゃないけど・・・」
ハナ「・・・私たち、別にもともとバラバラだったし・・・」
  ハナは再びうつむいてしまった

〇テレビスタジオ
  代表が練習室に現れたあの日から、4人は基本的にバラバラにレッスンすることになった
  4人が顔を合わせるのはグループでの仕事があるときだけ
  たまに収録で曲を披露することはあったが、
  個々を魅せるように変更された振付変更の甲斐もあり、
  合同練習が十分にできていなくても、それなりにステージが完成してしまっていた
  むしろ「個々の魅力が伝わってくる」と前のステージに比べ世間から好評を得ていたのだ

〇豪華な部屋
りょう「心配しなくても、最近特にCRESCENTのステージいい感じだって話題でしょ?」
ハナ「うーん・・・」
  その時、扉をノックする音が聞こえた
風紀委員長「ハナ様、お客様が裏庭にお越しです」
ハナ「えっ、誰かしら・・・」
りょう「行ってきなよ!」
風紀委員長「あっ、りょうさん、また生徒会室に忍び込みましたね・・・!」
りょう「やば」
風紀委員長「コラ、待ちなさい!」
???「ねえ、ハナちゃん」
  風紀委員長がりょうを追いかけて行ってしまうと、後ろから急に声がした
  すらっとした雰囲気の美しい女性が、生徒会長の椅子に座っている
ハナ「す、すみません、そこは会長の・・・」
???「懐かしい机・・・あの頃から何も変わってない」
  謎の美女は愛おしそうに机を撫でている
ハナ「あ、あの・・・」
りょう「ひぇーん、風紀委員長、足はやいよぉ!」
  轟音とともに、風紀委員長から逃げ切った様子のりょうが生徒会室に入ってきた
りょう「ってひぇえええ!!!」
  りょうは口をあんぐりとあけたまま固まった
りょう「な、なぜここに・・・!」
ハナ「えっ、りょうちゃん、この人だれか知ってるの・・・?」
  りょうは「信じられない」と首を振った
りょう「いやいやいやいや、何言ってるの!107代目生徒会会長にして伝説のアイドル・・・」
「DIAmondの華神リカさんだよっ・・・!」

〇空

〇劇場の楽屋
  その日の夜、テレビ収録スタジオの楽屋──
むつみ「きり、ちゃんとお弁当食べて」
きり「ありがとうございます」
  そこには収録休憩中のきりと、彼女を気遣う姫森代表の姿があった
さとこ「・・・それ、代表の手作りですか」
  さとこはひどく退屈そうにしている
むつみ「そうよ、あんまり上手じゃないけど・・・」
きり「上手です 手作りのお弁当って、こんなに美味しいんですね」
  代表の頬が赤らんだのを見て、さとこは目を背けた
むつみ「夜ごはんはどうする? 今日も用意はあるんだけど・・・」
さとこ「代表、きりをご自宅に招待されているのですか?!」
  さとこが不満げに机をたたいた
むつみ「え、ええ・・・ だって彼女はご両親もいなくて、今も施設で・・・」
さとこ「そんなの、私だって・・・」
むつみ「あら、でもさとこはもう一人暮らししてから随分経つじゃない」
  代表はさとこのほうをチラリとも見ずに答えた
むつみ「それにご両親とも少しずつ仲直りできているんでしょう?」
さとこ「それは・・・」
きり「あ、こぼしちゃった・・・」
むつみ「あらやだ、大変」
  お茶をこぼしたきりを見て、代表はうれしそうな表情でおしぼりを取り出した
むつみ「もう、ほんとにほっとけないんだから」
衣装スタッフ「あらら、衣装きれいにしましょうか」
メイクスタッフ「メイクも直しますよ~! まったく、可愛い子なんだから」
さとこ「・・・」
  楽屋内のスタッフが全員きりのお世話に取り掛かりだしたところで、
  さとこはいてもたってもいられない様子で楽屋のドアノブに手をかけた

〇オフィスの廊下
  さとこが廊下に出ると、向かいからガヤガヤと楽しそうな声が聞こえてきた
さとこ(あの子たちは・・・)
  さとこはMoonlightCup出場者のインタビューが今日だったことを思い出した
あやか「あら・・・? さとこ・・・?」
  さとこは咄嗟に身を隠した
ゆづき「えっ?CRESCENTの?」
あやか「あら、気のせいかしら」
さくら「ま、仕事とか忙しいんでしょ」
  CRESCENTの話題になったことで、彼女たちは今度の大会について話し始めた
かの「大会、近づいてきたね」
ゆき「そうね、練習もだいぶ佳境に入ってきたし!」
まみこ「でも大会前なのに、なんだか不思議な気持ちなんだよね」
かの「私もそう、大会前なのに、ワクワクしてる・・・ こんな気持ち初めてだよ」
あやか「私も同じ 今まで勝つために完璧を追い求めるだけだったけど、今はもう違う」
あやか「このワクワクした気持ちをステージで発散したい、そんな気持ちよ」
あやか「すがすがしい気持ちでステージに立てることがこんなに嬉しいことだなんて!」
はるか「うちらも同じ気持ちだよ! 大会、楽しんで頑張ろー!!」
さとこ「・・・」
さとこ(あやか、あんなにいい表情する子だったっけ・・・)
  さとこはふと壁の鏡に映った自分の顔を見た

〇黒背景
さとこ「私ってこんな苦しそうな顔、してたっけ・・・」

次のエピソード:第35章 過ちと過去

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