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神月

第5話、出会いがあれば(脚本)

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〇おしゃれな居間
執事長「そうか、お前は知らなかったか」
篠宮飛鳥「驚きましたよ」
篠宮飛鳥「あの喫茶店のマスターが 元この屋敷にいた執事だったなんて」
執事長「まあ、そもそも給仕自体が珍しい国だ」
執事長「だからこそ若くして 第二の人生を選ぶ事も珍しくはない」
執事長「私こそ水瀬家の次期執事長候補として 残ったものの」
篠宮飛鳥「多くの同期や先輩、 後輩は引退していった・・・」
篠宮飛鳥「何か、少し寂しい話っすね」
執事長「そういうものだ。この世界は特にな」
執事長「日本がスキルを重要視しないだけ まだ優しいとも言える」
執事長「だが、辞めたからといって 縁が完全に切れるわけではない」
執事長「あの喫茶店のマスター然り、 それはお前もよく分かっているだろう?」
篠宮飛鳥「ハハ、そーっすね」
篠宮飛鳥「世間は広いようで意外と狭いっすから」

〇レトロ喫茶
宮野凛「スイーツ好きの私として、この喫茶店の アップルパイは勧めずにはいられません!」
新條美玲「こんなところに喫茶店があったなんて 知らなかった」
宮野凛「この喫茶店のマスターは 元神月家に仕えていた執事で、」
宮野凛「執事長の後輩にあたる方なんです!」
宮野凛「結婚され、修行を経て この喫茶店を開かれたんだとか」
宮野凛「あ、マスターさん!」
喫茶店マスター「いらっしゃい」
喫茶店マスター「コーヒー豆はこの間オレンジ髪の執事の子が買いに来たから、今日はプライベートかな」
宮野凛「この子、新しく住み込みのバイトで来た 美玲ちゃんって言うんですけど、」
宮野凛「美玲ちゃんにここのコーヒーと スイーツを教えたくて!」

〇レトロ喫茶
篠宮飛鳥「お、何か見知った顔がいるな」
宮野凛「飛鳥さん!」
喫茶店マスター「この間来たばかりだからコーヒー豆が ってわけではなさそうだけど」
篠宮飛鳥「はは、あれは来客用に出す為のコーヒー豆でオレ達が飲めるもんじゃないですからね」
篠宮飛鳥「よく考えたらあんまりここのコーヒーを 飲んだことないなって思って」
喫茶店マスター「それなら、最高のものをお出ししないとね」
篠宮飛鳥「へー、チーズケーキにアップルパイ、 コーヒーも結構種類あるんだなー」
宮野凛「飛鳥さんもアップルパイどうですか?」
宮野凛「もし甘いのが苦手なら コーヒーゼリーとかおすすめですよ!」
篠宮飛鳥「流石スイーツに目がない凛」
篠宮飛鳥「来客用コーヒー豆の常連とは言え 喫茶店としてのメニューも把握済みってか」
喫茶店マスター「執事長は元気かな」
篠宮飛鳥「元気も元気。昨日も今日も一人息子に あーだこーだ小言垂れてますよ」
喫茶店マスター「ははは、未来の執事長候補だものね。 厳しくもなってしまうか」
篠宮飛鳥「そうそう、この間戻った後」
篠宮飛鳥「執事長に聞いたんですけど、 それを聞いて話したいことがあって」
篠宮飛鳥「実は、オレの母親も 元はあの屋敷のメイドだったんですよ」
宮野凛「・・・・・・ええっ!?」
新條美玲「なんで凛が驚いてるのよ」
宮野凛「だ、だって美玲ちゃんより長く飛鳥さん とはいたのに全然知らなかったから」
篠宮飛鳥「オレがあんま話す気無かったからなあ」
篠宮飛鳥「高校の時にバイト探してて、中々いいのが 見つからなくて母親にアドバイスを求めたら」
篠宮飛鳥「『どこより身になるバイトがある』 って紹介されたのが」
篠宮飛鳥「あそこだったってオチが、 人に話すにはあまりにもダサくて」
新條美玲「そうだったの。 確かに執事のイメージとはかけ離れた」
新條美玲「篠宮さんが執事をしていることに 疑問は感じていたけど・・・」
篠宮飛鳥「ちょっと検討の素振り見せたら四の五の 言わずにとりあえず行ってみろ!って」
篠宮飛鳥「半強引に突き出され、辿り着けば あの屋敷が目に入った時の絶望感な・・・」
新條美玲「何だか心当たりが・・・」
新條美玲「でも、と、言うことは篠宮さんは元は」
篠宮飛鳥「新條と同じ、 元は高校からの住み込みバイト」
篠宮飛鳥「大学行くかの進路に迷ってたところ、 大学に行ってここも続ける事になって、」
篠宮飛鳥「卒業後就職しても構わないからとりあえず 正式な執事にするって今に至るわけ」
篠宮飛鳥「確かに言う通り珍し過ぎる職種に 普通じゃ出来ない体験、」
篠宮飛鳥「要領の良さやら礼儀だ言葉遣いだ 身になることには身になるが、」
篠宮飛鳥「まさか執事にさせられるとは思わないだろ」
篠宮飛鳥「オレの母親も結婚でメイドを 寿退職した身だが、執事長曰く」
篠宮飛鳥「母親は屋敷にいた時期が短かった上に マスターとは時期が違うらしいからなー」
篠宮飛鳥「マスターはオレの母親の事知らないだろうけど、話を聞いたら妙に親近感湧いちゃって」
新條美玲「当然のこととは言えど、 途中で退職することもあるのね」
宮野凛「珍しいことじゃないよ」
宮野凛「特にメイドはメイド長でもない限り 結婚で退職することがほとんどみたいだから」
宮野凛「特に日本の、というか神月家は」
宮野凛「美玲ちゃんや飛鳥さんみたいに 住み込みのバイトとして雇う事もあるし、」
宮野凛「そういう方は就職と共に 辞めることも珍しくないんだよ」
宮野凛「でも私はずっと 神月家のメイドでいるけどね!」

次のエピソード:第6話、趣味はありますか

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