記録『東京23区プライド戦争』

ふるや

エピソード1(脚本)

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〇渋谷のスクランブル交差点
  自分の死後、渋谷にハチ公は居るか?スクランブル交差点は健在か?ギャルはまだいるか?平和か?
  皆さんも、遠い未来に思いを馳せたことがあるのではないか──

〇温泉の湧いた渋谷
  結論から言えば、ハチ公は壊され、スクランブル交差点には沢山の戦車が並び、平和は訪れていない。しかしながら、ギャルは居る。
  2090年、東京では大規模なプライドの張り合いが発生した。その名も「東京23区プライド戦争」。
  事の発端は、2080年に行われた渋谷区長就任式の記者会見での中山太郎氏の発言だ。

〇ハチ公前
中山太郎「港区周辺の住民はプライドが高くて相手にするのが疲れるんだよ。西部と東部は地味。結果、副都心がちょうどいい」
  この発言により、都心、西部、東部の合わせて19区は渋谷区長に猛反論をし、長期に渡って和解するための会合を行っていた。
  しかし2090年、都心東西組合が副都心に宣戦布告

〇温泉の湧いた渋谷
  この話を読んでいる、昔を生きるあなたはこの様を見てどう思うか。
  バカバカしいと思いますか?それとも「分かる〜」と擁護しますか?
  因みに僕は軍人だが、正直なところ何のための戦争なのか分からない。
軍人「橘中尉!スクランブル交差点が包囲されました!」
モブ軍人「橘中尉!港区から約10万の群衆が恵比寿に進行中!至急応援を呼ばれたし」
  夜から朝方にかけて戦闘は続く。それに伴い耳を劈くような緊迫した声に、橘ヤマトは疲弊していた。
  この場で指示を出している間に仲間は負傷。守るべき区民は手のひらから零れ落ちていく。
  橘だけでない、もう軍人は体も心もボロボロだ。何故国民同士で戦うのか、何のために命をかけるのか。
町田少将「橘、下を向くな」
  いつの間にか後ろにいた町田少将は、ドンッと背中を叩いた。
  優しそうな顔をしていながらも頼もしいのが町田少将の取り柄であるが、橘の目にはいつも以上に覇気がないように見えた。
町田少将「橘、タイムトラベラーって本当にいるのかな」
橘 ヤマト「少将は信じますか?」
町田少将「いたらいいなと思う。いたら、今日の戦争をやらずに済んだかもしれないからな」
  きっと、未来を知るトラベラーが過去に戻り、今日の戦争が起こらないようにしてくれたかも・・・ということなのだろう。
  それは少将の願望であって現実味のない話であるが、もしそれが可能であるのならば死んでいった仲間たち、区民は生き返るのか。
  俺が育った渋谷を救えるのか。スクランブル交差点は、忠犬ハチ公は元の姿に変わるのか。人はまた溢れかえるか・・・。

〇秘密基地のモニタールーム
  渋谷には、タイムトラベラーしか知らない秘密の基地がある。過去と未来を繋ぐ場所。
  橘は戦場を離れ、メモを手に訪れていた。
  橘にとって元の時間、2022年に飛ぶ。
  未来を、渋谷を変えるため。
  大義を胸に。

コメント

  • 日本内での内戦って中々考え難いですが、確かにプライドってあまりますよね。
    プライドが一番な弊害と言っても過言ではないくらい、色々な揉め事に繋がります…。

  • 近未来の日本で戦争が起きるなんて想像もしていませんでした。しかも、日本人同士で。タイムトラベラーがいるとしたら、早く戦争を無くして欲しい。

  • 現代の日本人はどちらかというと他人に干渉しない、興味がないという社会環境に生きている気がしますが、将来このように小瀬りありから戦争に発展すると想像するとそれはそれで興味深いです。人類の進化、悪化どちらでしょう?

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