学問ロボ 禁断の!奥村ペーターゼン

爆発屋そが

第十二話 「誇り高き狩猟民族」(脚本)

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〇荒野
  ワカモトの前でペーターが膝をついてうなだれ、気絶している。
ディーシャ・バジュランギ「なあ景介、ペーター死んだ?」
間宮景介「わ、わからないです」
ワカモト「おいお前!」
間宮景介「はい!」
  景介は思わず直立してしまう。
ワカモト「なんだこれは。 発言と実力がまったくかみ合ってないぞ」
間宮景介「すいません!」
ワカモト「あれだけでかい口をきいておいて牽制の蹴り一発でダウンとは、誇り高き狩猟民族である俺たちをバカにしているのか?」
間宮景介「バカにしてません! このロボはいつもこうです!」
間宮景介「たぶん壊れているのだと思います!」
奥山ペーターゼン「フッ、壊れてなどいない」
  崩れ落ちていたペーターが目を覚まし立ち上がる。
奥山ペーターゼン「おいお前、勝ったつもりでいるようだが笑わせるんじゃねえ」
ワカモト「なるほど、確かに壊れているようだ」
奥山ペーターゼン「悔しかったらこの女に勝ってみろ!」
間宮景介「は!?」
ワカモト「なぜ俺が悔しがるのか、理屈がまったくわからねえ」
  周りの仲間たちも呆れて笑っている。
間宮景介「おいペーター、なにバカなこと言ってるんだよ! ディーシャさんは女の子だぞ!」
奥山ペーターゼン「キサマは知らないだろうが、この女はキサマの3兆倍は強い。この俺と同レベルか少し下くらいだ」
間宮景介「くっ! 強いのか弱いのかわからない!」
ディーシャ・バジュランギ「ワは武術の心得があるよ」
ワカモト「いくら武術の心得があろうと、誇り高き狩猟民族である俺たちは女と戦う拳は持たぬ」
奥山ペーターゼン「フッ、そう言って女に負けるのが怖くて逃げているのだろう」
ワカモト「はっはっは、バカなことを。誇り高き狩猟民族である俺たちはそんなマネはしない」
奥山ペーターゼン「では戦え」
ワカモト「俺たち誇り高き狩猟民族の相手にふさわしい相手を連れてこい」
ディーシャ・バジュランギ「誇り高き狩猟民族って何度も言い過ぎでウケるな」
間宮景介「シッ! 向こうに聞こえますよ」
ワカモト「・・・なるほど。その女もなかなかに太い根性をしているようだな」
ディーシャ・バジュランギ「ワはいま褒められたか?」
間宮景介「たぶん褒められてないです」
ワカモト「ではこうしよう、その女が俺たち誇り高き狩猟民族と戦うにふさわしいかどうか、まずはテストをする。どうだ?」
奥山ペーターゼン「フッ、おもしろい」
ディーシャ・バジュランギ「おーけー」
間宮景介「ディーシャさん本気ですか!」
ディーシャ・バジュランギ「ワは、国の特殊部隊とずっと一緒にトレーニングをしてきたから平気だよん」
ワカモト「好きに攻撃を仕掛けてこい。俺にダメージを与える攻撃ができるようであれば正式に戦いを受けよう」
ディーシャ・バジュランギ「ハアイ、じゃ行くよ」
  ディーシャは不思議なステップでワカモトとの間合いをいっきに詰め、しなやかで流れるような蹴り技のコンボを繰り出す。
間宮景介「スゴ!!」
  ディーシャの蹴り技の美しさに、周りで見ているサークルメンバーが思わず「きれい・・・」とこぼしている。
  ワカモトは半分くらいをガードするが、動きが予測できず直撃を受けることもしばしば。
  だが、体格が違いすぎて大ダメージは無い。
  ディーシャはワカモトの懐に入り込み、真下からかかとでアゴを蹴り上げる。
ディーシャ・バジュランギ「ハッ!」
  ワカモトはよろめき、腹に隙ができる。
  そこをディーシャが右の手のひらで柔らかにトンッと突く。
ワカモト「うぐっぷ・・・」
  ワカモトは白目をむき、腹を抱えるようにして沈み、気を失う。
  見ていた全員が静まり返った。
ディーシャ・バジュランギ「テストは合格かな?」
奥山ペーターゼン「フッ、そこで寝ている奴に聞いてみろ」
間宮景介「ディーシャさんすごいっっ!」
間宮景介「最後のはどういうことなんです!? 魔法ですか!?」
ディーシャ・バジュランギ「魔法じゃないよ。名前は忘れたけど中国武術の技だね。人体の水分を振動させて体の内部にダメージを与えるよ」
ディーシャ・バジュランギ「ほとんど成功することはないんだけど、試しにやったらうまく行っちゃった」
間宮景介「ワカモトさん大丈夫なんですか?」
ディーシャ・バジュランギ「知らん」

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