CODE SAKURA

山本律磨

終(脚本)

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山本律磨

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〇倉庫の搬入口
ワタベ「よっ!」
鮫島「そうそう!そこは丁寧に巻く!」
鬼頭「雑にやるなよ!集中しろ集中!」
ワタベ「よっ、と・・・」
ワタベ「・・・ふう」
ワタベ「ど、どうですか?」
鮫島「ははっ、いいんじゃね?」
鬼頭「ようはコツと慣れだな」
等々力「力抜いて、 角だけしっかり止めりゃいいんだ」
鮫島「あとラップはピーンと張ると、 カッターで切りやすいよ」
等々力「それくらい普通に知ってるだろ」
ワタベ「ええ・・・まあ」
ワタベ「・・・」
ワタベ「すみませんでした」
等々力「何が?」
ワタベ「飯休、使わせてしまって」
等々力「いいよ別に」
鮫島「カップ麺なんて5分ありゃ食い終わるし」
鮫島「鬼頭さんなんか三食全部ヤニだぜ」
鬼頭「そんな訳あるか」
鬼頭「だいたいお前、暗いんだよ。 つか怖えーんだよ」
ワタベ「怖い?」
鮫島「あと固い。 もう敬語とか止めてよ。 俺より年上っしょ」
ワタベ「そ、そんな。皆さん先輩ですし」
ワタベ「年は関係ないです! 社会とはそういうものです!」
等々力「だ、そうだ。見習え」
鮫島「それ、俺の生きてる社会じゃねーっす」
等々力「おい渡部。今日の夜、空いてるか?」
ワタベ「は、はい!練習ですか!」
等々力「何でだよ、仕事終わってまで。 俺が嫌だよ」
鮫島「渡部さんのラップ巻き成功祝いっしょ」
鬼頭「飲める?」
ワタベ「が、頑張ります」
鬼頭「頑張るな。男の介抱なんてしねーからな」
鮫島「潰れたら伝票置いて捨ててくよ~」
ワタベ「・・・」
ワタベ「・・・」
鬼頭「おいおいマジか!」
鮫島「俺、ラップ巻き出来て泣くヤツ始めて見た」
ワタベ「違うんです・・・違うんです・・・」
ワタベ「なんか・・・あの・・・すみません」
ワタベ「すみません・・・」
鬼頭「お前がイジメるからだぞ。 ちょっとは反省しろよ」
鮫島「どの口が!どの口が!」
ワタベ「すみません・・・すみません・・・」
鬼頭「あのさ。俺とか優しい方だぞ」
鬼頭「等々力さんなんて今は丸くなったけど、 全盛期は誰彼構わずボコボコに」
等々力「嘘つけ。ボコ、くらいだろ」
鮫島「やっと笑ったと思ったら台詞怖いんすよ」
等々力「ふん」
等々力「お前も笑っとけ」
ワタベ「はい・・・」
ワタベ「頑張ります」

〇広い公園
ワタベ「本当の気持ち、ってヤツ」
ワタベ「言えませんでした」
SAKURA「そうですか」
ワタベ「自分に正直に、なんてなれませんでした」
SAKURA「そうですか」
ワタベ「僕はどこまでも卑屈で・・・」
ワタベ「情けなくて・・・」
ワタベ「だけど・・・」
ワタベ「それで良かったんだと思います」
SAKURA「そうですか」
ワタベ「・・・」
ワタベ「うん」

〇仮想空間
ワタベ「僕は『この場所』じゃなくて、 『あの場所』で生きます」

〇広い公園
ワタベ「今まで話してくれて、味方になってくれて」
ワタベ「怒ってくれて、優しくしてくれて」
ワタベ「ありがとうございました」
ワタベ「あなたに会えて僕は・・・」
「・・・」
ワタベ「あなたは・・・もしかして・・・」
SAKURA「・・・」
  『おーい、渡部さーん』
  『こっちだこっち。タクシーで行くぞ』
ワタベ「はーい。今行きまーす」
SAKURA「さようなら」
ワタベ「さようなら」
  『渡部~!ダッシュだダッシュ!』
ワタベ「はーい!」

〇シンプルな一人暮らしの部屋
キョウヤ「・・・」
キョウヤ「あ~あ・・・」
キョウヤ「フラれちゃったよ」
キョウヤ「40の、負け犬の、底辺のオッサンに」
キョウヤ「ははっ・・・」
キョウヤ「ははっ・・・はははは・・・」
キョウヤ「あはははははははは!」
キョウヤ「ま、別にいいや。どうでも」
  『ねえ、これからどうするの?』
キョウヤ「就職でもしよっかなー」
キョウヤ「ちゃんとまともな仕事について・・・」
  『もう30過ぎてんだけど』
キョウヤ「・・・」
キョウヤ「・・・は?」
キョウヤ「だから何?」
  『できるの?』
キョウヤ「出来るだろ普通に!」
キョウヤ「動画のアクセス毎回100万だったんだよ! 劇団だってマックス2000人動員だよ!」
  『ははっ・・・』
  『ははっ・・・はははは・・・』
  『あはははははははは!』
キョウヤ「笑ってんじゃねえ!」
キョウヤ「世の中コミュニケーションなんだよ」
キョウヤ「面接重視」
キョウヤ「履歴書に書きようのないスキルが、 今は求められる時代なんだよ」
キョウヤ「はい、論破」
  『だから?』
  『だから何?』
キョウヤ「・・・うるせえよ」

〇仮想空間
  『それでどうするの?』
SAKURA「これから一人でどうするの?」
キョウヤ「一人・・・」
SAKURA「どんな人生を歩むの?」
SAKURA「結婚は?」
SAKURA「子供は?」
SAKURA「親の介護は?」
SAKURA「老後は?」
SAKURA「未来は?」
SAKURA「たった一人で」
SAKURA「一人ぼっちで」
キョウヤ「黙れ!喋るな!俺に話かけるんじゃねえ!」

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コメント

  • 読了致しました。
    同じ画面を通しても、ワタベとキョウヤに待っていた未来は別だったようですね。

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