渋谷のビビトモ(脚本)
〇渋谷駅前
100年に1度の大開発が進行中の街
渋谷
この街には様々な魅力がある
〇大衆居酒屋
2022年
渋谷 のんべい横丁
飲み仲間「ねえ、男を見てビビッときたことある?」
昭子「ないよ」
飲み仲間「私は何回もあるよ」
昭子「体にビリビリって電流が走るような感覚が?」
飲み仲間「ううん 初めて目が合った瞬間にピンとくるの」
昭子「ピンと?」
飲み仲間「お互いに惹かれ合ってるのがわかるんだよ」
昭子「勘違いに一票」
平一「あの・・・」
平一「渋谷さんですか?」
昭子「・・・そうですけど」
平一「今、俺と目が合った時に何か感じませんでした?」
昭子「感じました!」
平一「隣、座ってもいいですか?」
昭子「はい でも、あなた誰ですか?」
〇大きい交差点
3時間前
夜の渋谷で不可思議な現象が起こっていた
それに巻き込まれたのは3名の男女
昭子「ヤバ、何が起こってんの?」
平一「君も空にオーロラが見えるのか?」
これまで俺はビビッとくる出会いなんて、あるわけないと思っていた
昭子「・・・見える」
平一「・・・よかった 俺の目だけおかしくなったのかと思ってた」
令「僕も見えるよ」
昭子「この子も?」
令「何が起こってるか、知ってるよ」
昭子「マジ?」
令「僕は2033年の渋谷を歩いてた」
平一「え?」
令「二人は違うんじゃない?」
平一「・・・俺がいたのは2022年の渋谷だ」
昭子「あたし、2011年」
令「今、僕たちだけ3つの渋谷が混ざり合った場所にいるんだよ」
平一「どうして、そんなこと知ってるんだ?」
令「同じことが起きる小説を読んだことがあるから」
昭子「もしかして一生このままなの?」
令「2時間後には元通りになると思うよ」
昭子「そうなんだ」
令「せっかくだし、3人で話そうよ」
平一「・・・まあ、未来の話には興味があるな」
令「未来の出来事は聞いても忘れちゃうらしいけどね」
昭子「夜に話すなら、のんべい横丁でしょ!」
平一「ギャルっぽいのに、意外な場所をチョイスするな」
昭子「あたし、あそこの雰囲気が好きなんだよ」
平一「気が合うな、俺もだ」
令「のんべい横丁って?」
昭子「え、2033年にはなくなってんの!?」
令「僕は渋谷に引っ越してきたばかりだから知らないだけだと思う」
平一「じゃあ、行ってみよう」
〇飲み屋街
昭子「ここが、のんべい横丁」
令「わあー! ここ、本当に渋谷!?」
平一「昭和にタイムスリップしたようなレトロな横丁で知られてるんだ」
令「すごく不思議な雰囲気!」
平一「渋谷の魅力は新しさだけじゃないんだよ」
昭子「どの店の料理も美味しいよ~!」
〇大衆居酒屋(物無し)
平一「2033年の渋谷なら、スクランブルスクエアの中央棟と西棟もあるな」
令「うん、2027年に開業する」
平一「代々木公園は拡張されるし」
平一「これからも渋谷はさらに新しく面白い街になっていくんだな」
令「日本一訪れたい街に選ばれるようになるよ」
平一「渋谷再開発は大成功ってわけだ」
昭子「あたし、渋谷で流行るもの聞きたい!」
令「タップノベルとビビトモ探し!」
平一「2つとも知らないな」
令「タップノベルはゲーム小説みたいなやつ」
昭子「なにそれ?」
令「僕のスマホを見てよ」
平一「へえー、イラスト付きの小説ってとこか」
昭子「セリフばっかり これなら、あたしでも作れそう」
令「絵があるからセリフだけでいいの」
平一「小説と違って、誰でも簡単に作れそうだな」
令「うん コミカライズコンテストとかもあるんだよ」
平一「自分の作品が漫画化されるチャンスもあるのか」
昭子「メチャいいじゃん」
令「日本でブームになるの」
平一「ビビトモ探しっていうのは?」
令「ビビッとくる人を探すこと」
令「2022年に渋谷発の流行として、 これも日本中で話題になるんだ」
昭子「ビビッとくる人・・・」
令「初めて目が合った瞬間に、目をそらせないほど惹かれる人に会ったことない?」
令「その時、お互いに惹かれ合ってることがわかるらしいよ」
平一「・・・でも、本当に相手も同じように惹かれてるかはわからないだろ」
令「それを確認するために「ビビトモ」っていうアプリがあるんだ」
令「ビビッとくる人に出会った時、 その場所と日時をアプリに入力するの」
令「お互いに同じ場所と日時を入力してれば 一致するから知り合える」
令「そこから友達になれれば、ビビッときた友達「ビビトモ」になれるってわけ」
令「ビビトモはベストフレンドやベストカップルになれる確率が高いんだって」
平一「へえ」
令「ビビッとくる人に出会う確率を急上昇させる方法として」
令「外では面識がない人の目を見ることもブームになったよ」
昭子「ビビッときたら、そのアプリ使わなくても声かければいいんじゃない?」
平一「勘違いだったら嫌だし、声をかけられない人もいると思うぞ」
昭子「・・・あたし、あんたにビビッと感じた」
平一「え?」
昭子「勘違いかな?」
平一「・・・いや、俺も君を見た時にビビッときた」
昭子「やっぱり!?」
令「元の渋谷にもどっても、ビビッとくることを願うしかないね」
平一「そうならない可能性もあるのか?」
令「人って、10年経てば魅力も変わるって聞くし・・・」
令「同じようにビビッとくるかはわからないよ」
昭子「そんな・・・」
平一「それでも会いに行ってみるよ」
昭子「あたしも」
平一「また渋谷で会おう」
昭子「うん、また渋谷で」
令「もうすぐお別れの時間だね」
〇ハチ公前
渋谷での不可思議な現象が終わった
15時間後
2011年
渋谷 ハチ公前広場
昭子「あ、あの!」
昭子「今、あたしと目が合った時に何か感じました?」
平一「・・・特に何も感じなかったけど」
昭子「え・・・」
昭子「そうですか・・・ すいません、あたしの勘違いでした」
昭子(ショック)
平一「嘘だよ」
平一「逆ナンされるの嫌いだから嘘ついた」
平一「俺も何か感じたな」
昭子「連絡先、交換しませんか?」
平一「なんで?」
昭子「いい友達になれるかもしれないし・・・」
平一「そうだね」
〇渋谷のスクランブル交差点
2033年
渋谷 スクランブル交差点
令の母「今日はどこに行きたい?」
令「のんべい横丁!」
〇SHIBUYA109
新旧の魅力が混ざり合った街
渋谷
この街は今日も賑やかだ
渋谷の素敵さが伝わってくるお話でした。
ビビッとくる人って、近くにいなくてもわかるのかな?
三人の出会いと会話がすごくよかったです。
新しいものと、歴史のあるもの、両方を併せ持つのが良いですよね。
確かに今の若い世代は積極性が少なくなっているのかもしれません…。言い方が悪かったですが、情報社会になりつつあり、離れていても出会いの場があるから?なのかもしれません。
このビビッとがあれば、少子高齢化ももしかしたら解決?!笑
こんな効果音?特殊効果?が出せるんですね!デジタル技術を駆使できる方から目を見てみましょうと言われて説得力を感じました…。出会いを楽しみたくなるお話でした。また、それに備えて自分も磨いておきたくなりました!