おねがいグラフィティ

走水のりか

おねがいグラフィティ(脚本)

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〇入り組んだ路地裏
富ヶ谷しほ「・・・・・・」
富ヶ谷しほ「見えてきた・・・・・・」
円山こうた「いつもありがとな!」
富ヶ谷しほ「あっ・・・・・・こんばんは」
円山こうた「キミがラクガキを消してまわってくれてるから、みんな喜んでるよ」
富ヶ谷しほ「いえいえ」
富ヶ谷しほ「好きでやっていることなので」
円山こうた「ん?」
円山こうた「ラクガキの下に、変な模様がある?」
富ヶ谷しほ「やっと見つけた・・・・・・」
富ヶ谷しほ「ついに100個目・・・・・・」
円山こうた「・・・・・・どういうこと?」
富ヶ谷しほ「さあ! その呪縛から解き放たれなさい!」
富ヶ谷しほ「渋谷の闇に封印されし魔物たちよ!!!!」
円山こうた「な! なんだ!?」

〇SHIBUYA109
「うわぁ!!!!」
「なんだこれ!!!!」
富ヶ谷しほ「さあ、駆け回りなさい、魔物たちよ!!」
富ヶ谷しほ「やはり、渋谷の伝説は本当だったのね・・・・・・」
円山こうた「いったい、何が起きているんだ・・・・・・」
富ヶ谷しほ「ご存知ない? 古くからこの街に伝わる伝説を」
円山こうた「伝説・・・・・・?」
富ヶ谷しほ「この街の100箇所に描かれた紋章・・・・」
富ヶ谷しほ「それらは、そのほとんどが、心ないラクガキによって上書きされていた・・・・・・」
富ヶ谷しほ「紋章をすべて見つけ出したとき、闇に封印された魔物たちが解き放たれる・・・・・・」
円山こうた「ばかな! そんな迷信・・・・・・」
富ヶ谷しほ「迷信?」
富ヶ谷しほ「では、この光景はいったい?」
「た、助けてくれぇ!!!!」
富ヶ谷しほ「!!!!」
円山こうた「魔物たちが、人間を襲っている!?」
富ヶ谷しほ「そんな・・・・・・魔物たちは人間と共存していたハズなのに・・・・・・」

〇渋谷のスクランブル交差点
「やれやれ、世話が焼けるのぅ」
ウタ「まったく・・・・・・」
ウタ「おい、娘! なにをしておる!」
富ヶ谷しほ「あ・・・・・・あなたは?」
ウタ「渋谷の闇を司る、精霊じゃ」
ウタ「まったく、とんでもないことをしでかしてくれたのぅ・・・・・・」
富ヶ谷しほ「わ、私は・・・・・・魔物たちを自由にしてあげたくて・・・・・・」
ウタ「たわけ!!」
ウタ「確かに魔物たちと人間は、共存しておった。しかしそれは、大昔の話じゃ」

〇寂れた村
「まだ、この街・・・・・・いやこの村が緑に溢れておった頃────」
「人間は魔物を畏れ敬い、魔物は人間を疫病から護り、共に生きておった────」

〇渋谷の雑踏
「じゃが、やがて人間は自らの発展を追い求め、魔物たちの安寧を脅かしていった────」
「生きる場所を奪われた魔物たちは、やがて闇の世界に身を潜めることとなったのじゃ────」

〇渋谷のスクランブル交差点
富ヶ谷しほ「そんな・・・・・・」
円山こうた「だから、魔物たちは人間への怨みを・・・・・・」
富ヶ谷しほ「ど、どうすれば魔物たちを元の世界に!?」
ウタ「・・・・・・」
ウタ「祈るのじゃ」
富ヶ谷しほ「祈る・・・・・・?」
ウタ「お主らが生きるこの世界は、ありとあらゆる災難、困苦に満ち溢れておる」
ウタ「魔物たちを畏れ敬い、祈る気持ちを忘れぬことで、奴らは闇の世界から、人間を守護しておるのじゃ」
ウタ「人間が、魔物を畏れ敬い、祈る気持ちを忘れぬこと────」
ウタ「それが、我ら魔物と人間の、共に生きる架け橋じゃ」
円山こうた「畏れ敬い・・・・・・」
富ヶ谷しほ「祈る・・・・・・」
富ヶ谷しほ「・・・・・・」

〇古びた神社

〇渋谷のスクランブル交差点
富ヶ谷しほ「魔物たちが・・・・・・」
円山こうた「消えていく・・・・・・」
ウタ「まったく・・・・・・久々に世話の焼ける人間じゃ」
ウタ「ゆめゆめ忘れるでないぞ」
ウタ「この街が、どれだけ発展し、行き交う人間が増えようとも」
ウタ「祈る、気持ちを────」
富ヶ谷しほ「はい!」
円山こうた「やれやれ・・・・・・」
円山こうた「じゃ、これを」
富ヶ谷しほ「これは?」
円山こうた「早く消してこい! はやくあの紋章を!」
富ヶ谷しほ「あっ・・・・・・はい!!!!」

コメント

  • 渋谷のラクガキ清掃からのまさかの展開に驚きです。テンポのいい展開で物語に引き込まれてしまいました。こんな設定は大好きです。

  • 渋谷の紋章とかちょっとドキドキしますね。
    魔物と共存出来た時代もあったそうですが、たしかに今は難しいかもしれませんね。
    別々の世界で暮らしてる方が、お互いのためって感じもします。
    でも、そんなことがあったら…ってワクワクします。

  • 子供の頃は悪霊とか魔物とかの物語が好きでよく読んでいました。しかし、昔から人間に悪さをしない妖怪達が共存共生をしていたのに今はどうしてるのかな?と考えています。

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