第4話、人にも色々事情がある(脚本)
〇おしゃれな居間
新條美玲「暁乃さんはコス衣装製作が趣味で、 篠宮さんはゲームが好き・・・」
新條美玲「・・・凛は確か、甘いものが好きなのよね」
宮野凛「そう!」
宮野凛「コンビニスイーツからデパ地下スイーツ、 カフェのケーキまで!」
新條美玲「執事長から聞いたけど、 英語の成績がやたらいいのも驚いた」
宮野凛「それには深ーい事情があってー!」
宮野凛「私がスイーツに目がないのは 美玲ちゃんも知っての通りなんだけど、」
宮野凛「私には目標があるのです」
新條美玲「目標?」
宮野凛「それは、海外で行われる スイーツフェスに行くこと!」
宮野凛「こんな職業柄、基本メイドは 決まった休みなんてものはないんだけど」
宮野凛「ご主人様の意向で 事情を話せばお休みを頂けるのです!」
宮野凛「例えば実家に帰省したり、 旅行に出たり・・・」
宮野凛「分かりやすい例で言うと、 暁乃さんはその休暇を利用して」
宮野凛「東京で行われる コスプレの祭典なんかに行くんだよ」
宮野凛「その休暇許可を数年に一度、 つまり数年分の休暇を一度に取ることで」
宮野凛「海外のスイーツフェスに行くことが 私の目標なの!」
新條美玲「スイーツの為に本場である海外までって、 どれだけスイーツに執念があるの」
新條美玲「英語が話せるのも、 成績がいいのもその為ってこと?」
宮野凛「もちろん水瀬さ、執事長や 水瀬さんの協力もあってのことだけどね!」
宮野凛「大抵の国は 英語が話せればなんとかなるものだから」
宮野凛「でもでも、メイド執事問わず 他国語が話せて損はないし、」
宮野凛「今はスイーツの本場、 フランス語も勉強中なんだ」
宮野凛「ドイツ語は、 まだ挨拶くらいしか出来ないけど」
新條美玲「凄いんだか凄くないんだか」
新條美玲「いえ、スイーツの為にそこまで出来るのは 凄い以外のなにものでもないわね」
新條美玲「・・・その勉強、私も付き合うわ」
宮野凛「えっ!?」
新條美玲「実は、私もうっすら外国語の 勉強をしないとと思ってはいたの」
新條美玲「一応、将来は両親の店を継ぐつもりだから、デザインを学ぶ為の留学も視野に入れてね」
〇洋館の一室
執事長「篠宮、時間あるか」
篠宮飛鳥「執事長、大学なら今日は休講っすよ」
執事長「それなら丁度いい」
執事長「来客に出すコーヒー豆が切れそうだから 買いに行ってきてくれないか」
篠宮飛鳥「あぁいつものあの店っすね」
執事長「あぁ。 マスターにいつものと言えば伝わるはずだ」
〇レトロ喫茶
篠宮飛鳥「マスター、います?」
喫茶店マスター「君は神月家のところの」
篠宮飛鳥「篠宮飛鳥です。 コーヒー豆が切れそうなんで いつものお願い出来ますか」
喫茶店マスター「あいよ。少し待っててくれ」
喫茶店マスター「それにしても、 確か飛鳥君はここに来たことがあるよね」
篠宮飛鳥「あぁ、執事長に連れられてですね」
喫茶店マスター「確か、あの時の話では君は高校生で」
喫茶店マスター「あの屋敷にはバイトで来てる と言う話だった気がしたけど」
篠宮飛鳥「・・・あー、今は大学に進学して、 一応正式な執事にはなってるんです」
篠宮飛鳥「とは言え大学卒業しても執事を 続けるかどうかは微妙なところっすけど」
篠宮飛鳥「大学も、正式な執事も神月家の当主が」
篠宮飛鳥「『迷うならとりあえずで執事を続けつつ大学にも通ったらいい』と言ってくれて・・・」
喫茶店マスター「・・・懐の広さは相変わらずのようだね」
篠宮飛鳥「・・・・・・」
篠宮飛鳥「気になったんですけど、マスターって 神月家の当主と仲良かったりするんですか?」
篠宮飛鳥「執事長に連れられて来た時も、互いに 常連みたいな雰囲気は感じてましたけど」
喫茶店マスター「確かにこの喫茶店を開いて以来、」
喫茶店マスター「彼はこの店の特製ブレンドコーヒー豆 を買いによく来てくれる」
喫茶店マスター「開店以来の常連客と言っても過言じゃない」
喫茶店マスター「けど、実はそれ以前から縁はあってね」
篠宮飛鳥「・・・?」
喫茶店マスター「折角だ。今は平日の昼過ぎで客も少ない。 一杯奢るから少し話でもどうだい」
〇レトロ喫茶
篠宮飛鳥「えっ、この喫茶店のマスターって 元は神月家の執事をしてたんですか!?」
喫茶店マスター「そういうことになるね」
カウンター席に香ばしい匂いが広がる中、
飛鳥は思いもよらない話を聞き驚愕する。
喫茶店マスター「実に懐かしい」
篠宮飛鳥「つまり・・・」
喫茶店マスター「執事をしていたが、 結婚しこれからの人生を考えた時、」
喫茶店マスター「夢でもあった 喫茶店を経営してみたくなった」
???「そして考えた結果執事を辞め、 この喫茶店兼コーヒーショップを開いたというわけだよ」
篠宮飛鳥「マスターとあの屋敷に そんな関係があったとは・・・」
篠宮飛鳥「ってことは綾斗や、執事長の事もよく知って」
喫茶店マスター「僕が執事を辞めた時、 まだ彼は執事長ではなかったからね」
喫茶店マスター「彼が執事長を引き継いだと聞いた時は 驚いたものだよ」
喫茶店マスター「彼の息子、綾斗君も深い面識こそなけれど 彼が連れてきてくれたからね」
喫茶店マスター「来客に出すコーヒー用として 常連になってからは、」
喫茶店マスター「彼も使いでコーヒー豆を買いにたまに来るよ」
篠宮飛鳥「人に歴史ありっすね・・・」
喫茶店マスター「さて、少しゆっくり話し過ぎたかな」
篠宮飛鳥「あ、そうっすね。 道草くってると執事長に怒られちまう」
篠宮飛鳥「それじゃマスター、また来ます!」


