学問ロボ 禁断の!奥村ペーターゼン

爆発屋そが

第九話 「蹴りで勝負だ!」(脚本)

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〇たこ焼き屋の店内
  景介は、時速350キロが出る乗り物が無いとわかり、落ち込んでいた。
  その横では、腹ペコのディーシャが楽しそうに食事をしている。
ディーシャ・バジュランギ「このアクアなんとかっていうやつもすごくおいしい!」
ディーシャ・バジュランギ「食べる手が止まらないな」
間宮景介「ディーシャさん、時速350キロを出せる良いアイデアは何か無いですかね・・・」
ディーシャ・バジュランギ「んー、ワはリニア新幹線に乗ってみたい!」
間宮景介「いや乗りたい乗り物じゃなくてですね・・・」
ディーシャ・バジュランギ「シュラスコもうまい!」
ディーシャ・バジュランギ「おばあちゃんはボケてるけど料理はスゴ腕だなー」
國木田亮平「学者にならなかったら料理研究家になりたかったらしいからね」
ディーシャ・バジュランギ「研究が好きなんだな!」
間宮景介(うう、ご飯に夢中で全然僕の話を聞いてくれない・・・)
奥山ペーターゼン「フッ、リニア新幹線を持ってきたらどうだ?」
間宮景介(ペーターはふざけた事ばかり言うし、このままでは本当に殺されてしまう・・・)
間宮景介(・・・どうすればいいんだ)
  ジリリリリリリン!
  店の電話が鳴った。
國木田亮平「はい、こちらまっすぐ亭!」
國木田亮平「はいはい、ちゃーはんにギョーザ、ちくわ、はんぺん、焼き芋に懐石料理ですね、すぐ持っていきます」
奥山ペーターゼン「フッ、注文通りに料理が来ないのをわかっているから、頼むほうも適当に言ってやがる」
  亮平が受話器を置く。
國木田亮平「ちょっと出前に行ってくるけど、みんなはゆっくりしててね」
ディーシャ・バジュランギ「ハアイ」
國木田亮平「あ、出前で思い出したけど、間宮くんは当時この近くに研究拠点の部屋があったよね?」
國木田亮平「出前に行ったことがあるよ」
奥山ペーターゼン「フッ、懐かしい」
國木田亮平「もしかしたらまだ部屋が残ってるかも。 何か手がかりがあるかもしれないよ?」
間宮景介「えっ! ど、どこにあるんですか!?」
國木田亮平「暗黒街はごちゃごちゃしてるから説明しずらいんだけど・・・」
奥山ペーターゼン「フッ、俺が知っている」
間宮景介「すぐ行こう!!」
ディーシャ・バジュランギ「よーし、本気の一気食いするからちょっと待て」
  ディーシャが本気の一気食いで料理を残さず平らげ、景介たちはまっすぐ亭を後にした。

〇雑居ビルの一室
  景介とディーシャはペーターの案内で、暗黒街の細く入り組んだ路地を通って、薄汚い雑居ビルの一階へやって来た。
奥山ペーターゼン「ここが間宮登のいた部屋だ」
ディーシャ・バジュランギ「薄暗くてホラーアニメみたいな場所だな」
間宮景介「表札は間宮のまま残ってる・・・」
ディーシャ・バジュランギ「ドアはカギがかかってるよ」
  景介が郵便ポストの中を見ると、ハガキが一枚入っていた。
  取り出すとそれは年賀状で、差出人は『永倉彩乃(ながくら あやの)』。
間宮景介(女の人からだ・・・。 しかも今年じゃなくて去年のお正月)
間宮景介(登くんは1年以上もここへ来てないのか・・・)
  景介は年賀状に綴られた女性の文字を読み始める。
ディーシャ・バジュランギ「なんて?」
間宮景介「大学の広報課職員の女の人からですね」
ディーシャ・バジュランギ「へー、彼女か?」
間宮景介「違うみたいです」
間宮景介「結婚退職をするからその挨拶が書いてあります」
ディーシャ・バジュランギ「そんな挨拶をわざわざするなんて日本人はやっぱり真面目だよなー」
間宮景介「登くんがよくこの人に手紙を書いて送っていたみたいです」
間宮景介「職場に送っていたらしく、退職するから読めなくなるって書いてあります」
ディーシャ・バジュランギ「代わりに自宅の住所は書いてあるのか?」
間宮景介「それは書いてないですね。 読めなくなるからごめんなさいってだけです」
ディーシャ・バジュランギ「はかなく破れた恋の香りがするね」
間宮景介「やっぱそうですかね・・・」
ディーシャ・バジュランギ「ワは恋愛マスターだから間違いないよ」
間宮景介「・・・年賀状、届けなきゃ」
  景介は年賀状をズボンのポケットにしまった。
  ガッチャーーン!!
間宮景介「うわ何!」
  景介が驚いて振り返ると、すぐ後ろでペーターが植木鉢を割っている。
  ガッチャーーン!!
間宮景介「何やってるんだよペーター!」
奥山ペーターゼン「フッ、カギが無いかと探している」
間宮景介「そんなところにあるわけ無いでしょ!」
奥山ペーターゼン「バカめ、ドア近くにある植木鉢にカギを隠すのは定番だ」
間宮景介「普通は植木鉢の下とかだよ!」
奥山ペーターゼン「フッ、俺にはキサマの普通など関係ない」
ディーシャ・バジュランギ「土の中には特になんも無いみたい」

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