学問ロボ 禁断の!奥村ペーターゼン

爆発屋そが

第八話 「大事なことは二度言う文化」(脚本)

学問ロボ 禁断の!奥村ペーターゼン

爆発屋そが

今すぐ読む

学問ロボ 禁断の!奥村ペーターゼン
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇たこ焼き屋の店内
  景介たちは暗黒街にある定食屋・まっすぐ亭に来ている。
間宮景介「登くんの事を知ってるのになんでもっと早く言わないんだよバカロボ!」
奥山ペーターゼン「フッ、聞かれなかったからだ」
間宮景介「聞かれなくたってあの状況なら言うでしょ普通!」
奥山ペーターゼン「フッ、キサマの普通など俺には関係無い」
間宮景介「なんなのその言い草!」
國木田亮平「まあまあ落ち着いて」
間宮景介「すいません。ペーターといるとつい・・・」
國木田亮平「君は間宮登君を探しているんだね?」
間宮景介「はい、僕の兄なんです」
國木田亮平「そう言われてみると ・・・微かに似ているかもしれないし、似てないかもしれない感じだね」
間宮景介「似てないってはっきり言ってくれて大丈夫ですよ ・・・」
間宮景介「兄は誰もが認めるイケメンですが、僕は凡庸な顔面なので」
ディーシャ・バジュランギ「元気だせよ景介」
間宮景介「別に落ち込んでないですよ!」
國木田亮平「ペーターゼンは当時、間宮くんと何かを調べてたよね? 何だっけ?」
奥山ペーターゼン「フッ、この大学の創始者を突き止める研究をしていた」
間宮景介「大学の創始者ってわからないの?」
奥山ペーターゼン「キサマ、入学前に大学のパンフレットを毎日読んでいたのではないのか?」
間宮景介「楽しいキャンパスライフについてのページは穴が開くほど繰り返し読んだよ」
ディーシャ・バジュランギ「ワは1ページも読んでない」
奥山ペーターゼン「フッ、浮かれたバカ学生め」
奥山ペーターゼン「大学の歴史・沿革について書かれたページの一番上に『創始者不明』と書かれているのだ」
國木田亮平「そう言えば、ばあちゃんがこの大学の発祥は1000年も前だって言ってたな」
間宮景介「古すぎて誰が作ったのかわからないってこと?」
國木田亮平「そういうことなんじゃない? 記録が残ってないんじゃない?」
奥山ペーターゼン「間宮登は、記録が無いのなら記憶を持っている者に聞いてみようと考えた」
國木田亮平「1000年前の記憶!?」
間宮景介「1000年前から生きてる人を探すってこと? それこそ無理だと思うけど ・・・」
ディーシャ・バジュランギ「ワの国の最長老でもかなり頑張らせて200歳チョイだから、ワも無理だと思う」
間宮景介(最長老、頑張らせ過ぎでは・・・)
奥山ペーターゼン「フッ、この奥地にはしゃべるミイラの伝説があるのだ」
間宮景介「しゃべるミイラ・・・?」
奥山ペーターゼン「1000年前にこの地で尊敬を集めていた大僧正が厳しい修行の果てにたどり着いた姿だと言われている」
奥山ペーターゼン「所在は明らかにされていないが、奥地のどこかに鎮座しているらしい」
國木田亮平「確かに、当時の偉い人なら大学のことを何か知っているかもしれないよね」
間宮景介「本当にしゃべるの?」
奥山ペーターゼン「厳しい修行による奇跡だと言われている」
間宮景介「登くんはそんな非科学的なものを信じるタイプじゃなかったけど・・・」
國木田亮平「君もしゃべるミイラを探してみれば?」
國木田亮平「間宮くんとどこかで会えるかもしれないじゃん」
ディーシャ・バジュランギ「ワもしゃべるミイラに会いたい!」
間宮景介「しゃべるミイラってどこにいるんですか?」
國木田亮平「それを君が調べるんだよ」
ディーシャ・バジュランギ「ペーターは何か知らんの?」
奥山ペーターゼン「フッ、俺が間宮登と調べていた頃は何も手がかりが無かった」
間宮景介「何も手がかりのない伝説をたった2週間で突き止めることなんて普通できないですよ・・・」
  景介がうつむいていると、厨房から亮平の祖母・國木田映子(くにきだ あきこ)がカツカレーを持ってやって来た。
國木田映子「お待たせしました、当店自慢のカツカレーでございます」
ディーシャ・バジュランギ「わーい!」
國木田亮平「ばあちゃん、カツカレーの注文は受けてないよ」
奥山ペーターゼン「フッ、ここにある全てが注文していない物だがな」
國木田映子「今、あなた達の身の回りにある当たり前の日常というのは意識と無意識のどちらにあるものなのでしょうか」
ディーシャ・バジュランギ「わかりません!」
奥山ペーターゼン「フッ、認知症の介護は大変だと聞いている」
國木田亮平「みんなごめん、ばあちゃんは昔、明風大で文化人類学を教えてたから時々こういうことを言うんだ」
國木田映子「タコクラゲには言って無かったけど、しゃべるミイラの伝説なら知っていますよ」
間宮景介「えっ」
國木田亮平「ばあちゃん、またいい加減な事を言って・・・」
國木田映子「いい加減ではありません。 私はこれでも文化人類学者ですからね」
國木田亮平「景介くん、真に受けないでね。 こういうのはほとんどがいい加減だから」
間宮景介「ほとんどってことは、正確な事を言う時もあるんですか?」
國木田亮平「まあ、たまには」
間宮景介「おばあちゃん、その伝説を教えてほしいです」
國木田映子「フフフ・・・一度しか言いません、よく聞くのですよ」
間宮景介「はい・・・」
國木田映子「北にある大殺界峠トンネルを時速350キロよりも速く通り抜ければ、しゃべるミイラが月からやって来ます」
奥山ペーターゼン「フッ、無茶苦茶にも程がある」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:第九話 「蹴りで勝負だ!」

成分キーワード

ページTOPへ