赤い路地裏

知らない路地裏(脚本)

赤い路地裏

今すぐ読む

赤い路地裏
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇入り組んだ路地裏
  下校中、普段なら見過ごしてしまうほど、狭くて地味な路地裏を見つけた。
私(こんな路地裏あったっけ?)
  そして気づけば、路地裏に足を踏み入れていた。
  まるで誰かに、そっと背中を押されたように。

〇入り組んだ路地裏
  私はしばらく歩いた。
私(そういえば今、何時だろ?)
  スマホをポケットから取り出す。
  けれど画面はなぜか真っ黒のまま。ボタンを押しても反応はない。
私「なんで・・・?」
  じわじわと不安が込み上げてくる。
  そしてふと、空を見上げてみると・・・
私「なにこれ・・・」
  空が異常なほど真っ赤だった。
  私は急に怖くなって、後ろを振り返った。
私「・・・ない・・・・・・」
  さっき通ってきたはずの道がなくなっている。
  ただ、壁があるだけ。
  恐怖で呼吸が浅くなる。
  私は目の前に続く道を進むしかなかった。

〇入り組んだ路地裏
  しばらく歩いていると、壁にもたれかかって座っている少年がいた。
  自分と同じくらいの年齢に見える、ボロボロの制服を着た男の子だった。
私(よかった・・・)
  私は、自分以外の人がいることに安心した。
  そして私は、少年に話しかける。
私「大丈夫ですか?」
  少年が、ゆっくりと顔を上げる。
???「人・・・?」
  少年は驚いたような表情を浮かべ、私をじっと見つめた。
私「もしかしてあなたも、この路地裏で人と会ったのがはじめて?」
???「うん・・・」
???「ここには多分、もう何ヶ月もいるんだ」
???「最初は怖かった。 でも誰も来なくてずっとひとりだった」
私「何ヶ月も?!」
私「生きてるってことは、ご飯はどうしてるの?」
???「空の色がさらに濃くなるときに、地面から果物が湧き出てくるんだ。それを食べてる」
私「なにそれほんとに?! それ、食べても大丈夫なの?」
???「わからない。 でも他に食べるものがないから、仕方なく食べてる」
私「そもそもここって何なの? 今まで来た道がなくなってたんだけど」
???「僕もよくわからない」
私「じゃあ一緒に探検してみようよ。この世界が何なのか確かめたい」
???「わかった。 一緒なら心強い」
  二人は並んで歩き始めた。

〇入り組んだ路地裏
  しばらく進むと、静かに立ち尽くしているおじさんがいた。
???「人だ・・・ 話しかけてみる?」
私「とりあえず挨拶してみよっかな」
私「こんにちはー・・・」
???「・・・・・・・・・」
???「お前たち、まだ正常なのか・・・?」
???「・・・まだ?」
???「どういうことですか?」
  そしておじさんは長々と話し始めた。
???「この世界にずっといると、順に目が赤くなっていくんだ」
???「この赤い空のせいなのか、それとも地面から湧き出てくる果物のせいなのか・・・」
???「そして目が赤くなった人は、順に記憶が曖昧になり、自分の名前すら忘れる」
???「そして最終的には体が消えてしまうんだ」
私「消える?!」
???「そうだ。 そして、消えた人は元には戻らない」
???「僕の目を見てごらん。 真っ赤に染まっているだろう?」
???「多分、僕ももうすぐなんだ・・・」
???「元の世界に戻る方法はありますか?」
???「はっきりとはわからないが、」
???「目が赤くなった人が自分の名前を思い出すことで、何かが起きる気がするんだ」
???「それが元の世界に戻る鍵だと思っている」
私「なぜそう思ったのですか?」
???「勘だ」
???「勘か〜・・・」
私「じゃあ目が赤くなるまでここにいないといけないっていうことじゃん」
私「それで1回自分の名前忘れて、そこから思い出さないといけない」
私(これ一生帰れないんじゃ・・・?)
???「あれ君、少し目が赤くなってきてないか?」
私「え?わたしが?!」
???「いや違う。君だ少年」
???「え、僕?」
???「ねぇ、僕の目どうなってる??」
私「ほんとだ少し赤みがかってる!」
私「じゃあ、名前思い出せる? そういえば名前聞いてなかったね」
???「僕の名前は、カナタ。 あれ、苗字が・・・」
???「・・・カナタ?」
???「・・・カナタ・・・カナタ!」
???「カナタ、カナタ、カナタ、カナタ!」
???「カナタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
  凄まじい叫び声とともに、おじさんが頭を抱え、膝をついた。
  おじさんはその場でのたうち回った。
  やがて、立ち上がると、ふらつく足取りでこちらに向かってくる。
  私は一歩後ろに下がり、思わずカナタの手を強く握った。
???「カナタ・・・・・・僕の・・・!」
  おじさんはくるりと背を向け、半狂乱のような様子で走り出した。
  そしておじさんの姿は見えなくなった。
私「・・・今の何?」
???「ほんとになんだったんだ?」
私(何かを思い出したのか・・・?)
  おじさんは何を思い出したのか。
  知り合いの人?
  それとも・・・自分の名前?
  いくら考えても私はわからないままだった。

成分キーワード

ページTOPへ